見渡す限り田圃と人家から一際背伸びをしているかのような、相輪が目に入った時、それが相輪であるとはっきり分かるまでには、その目的に向かって車をゆっくり走らせてもらった。
近づくにつれ形の良い三重の塔が姿を現してくる。
初めて来る場所、初めて通る道路であっただけに、「いいなぁ!」と思わず感動。
梅雨の晴れ間の青空にすっくと伸びた相輪が美しい。真夏日の温度を更新したという日であったけれど、暑さを感じるより先に相輪の綺麗さに暑さを忘れてカメラを何度もむけていた。
広陵町は馬見丘陵公園へは、何度も来ていたが、その往復だけでこの百済寺のある場所は全く知らなかった。
こうして全景を眺めていると、屋根の反りと四方についた風鐸は、晴れた日だからなおさらいいと、心に飛び込んでくる。
すぐ下で仰げる位置にあるので、好きなアングルを思いつくままに撮っていくのが楽しい。
今ここに存在する塔そのものは、鎌倉時代の創建であると記されているが、この塔の位置するお寺のことがあまりはっきりしていないようだ。それだけにこんないい塔の存在が何となくミステリアスなのに、惹かれていく。
書き始めた頃には、あれほど晴れていたのに、今ラジオが雷注意報が出たことを伝えているので、続きは次回にしよう。