カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

斑鳩の里 秋桜散策 ② 法起寺の塔と秋桜

2017年10月10日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

斑鳩の里を車で通過する時、田園を背景にした法起寺の塔の美しさに、いつもはっとした感動を覚えます。

その塔がこの季節、秋桜に抱かれたような光景は、斑鳩の里の大好きな光景です。

車に乗れる間は、ここには毎年この季節には、「花と塔」に出会いに来たいと思っています。

 

山門ですが大抵横の通用門から、人はお詣りしています。

 

今年は、秋桜に寄せて短歌・和歌・俳句を探してみました。

万葉集には秋桜を詠んだ和歌はありません。

どの時代に入ってきた花なのかしらと思いながら、詠んだ作者を思い描いています。

以下画像とはかかわりなく、秋桜を詠んだ詠を選びながら、塔と秋桜を鑑賞したいと思います。

 

晶子
いつしかとこすもす咲きぬ草の中細雨の前のともし灯のごと

晶子
去年ありし赤児の笑にたぐへつるこすもすの花匂ふ秋きぬ

 

利玄
疲れたる光の中にコスモスのあらはに咲ける午後頭痛する

利玄
コスモスの花群がりてはつきりと光をはじくつめたき日ぐれ

利玄
日光に近き停車場杉の木の暗きが前にコスモス光る

茂吉
コスモスの闇にゆらげばわが少女天の戸に残る光を見つつ

 

コスモスの花に蚊帳乾す田家かな 鬼城

コスモスの花咲きしなひ立もどり 虚子

日曜の空とコスモスと晴れにけり 万太郎

 

晶子
秋風にこすもすの立つ悲しけれ危き中のよろこびに似て

 

晶子
こすもすよ強く立てよと云ひに行く女の子かな秋雨の中

 

牧水
ながながと折れたるままに先青みわづか擡げてコスモス咲けり

 

晶子
大空の青きとばりによりそひて人を思へるこすもすの花

こうして秋桜の詠を見ていますと、与謝野晶子の短歌がかなり多いのが分かりました。

 短歌の作者・与謝野晶子、木下利玄、斎藤茂吉、若山牧水はいずれも明治時代の、歌人なので、コスモスも

この頃には歌人俳人の目を捉えていたのでしょうね。

コメント (4)
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