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3月5日は、奈良東大寺のお水取りを観に行った。といっても、お松明ではない。夜の8時ごろから二月堂の堂内の局に座った。
先ずは北の局。過去帳を読む僧の声は、とても深みがあり、「青衣の女人」もよく聴き取れた。ゆっくりと言うところと、アップテンポのところが入り混じり、聴いていてなんとも心地がよい。
それから西の局に移動した。西の局では、一枚の大きな布の幕が下りていて中の様子が見えない。沓の音。錬行衆の動く大きな影。歌舞伎で観た「韃靼」そのものの世界がそこにはあった。
走りの行法のときには幕は巻き上げられるので、手作りの椿(糊こぼし)も見ることができた。激しく膝を打ち付ける音が堂内に響く。
ほら貝の音や、鐘の音、笛の音などが演奏会の前の音合わせのような、無秩序な音程のように聴こえてくるのもまた面白い。
格子から片手を差し出し、お香水もいただいた。
例年になく、それほど寒くない冬だったおかげで、局の中にいても寒さをほとんど感じることなく(人の出入りの際に戸が開けられると冷たい風が入り込んできたけれど)、座り続けることができた。
午前2時45分、松明の灯りで下りていく錬行衆を見送って、私は充足感に包まれながら帰路に着いた。
先ずは北の局。過去帳を読む僧の声は、とても深みがあり、「青衣の女人」もよく聴き取れた。ゆっくりと言うところと、アップテンポのところが入り混じり、聴いていてなんとも心地がよい。
それから西の局に移動した。西の局では、一枚の大きな布の幕が下りていて中の様子が見えない。沓の音。錬行衆の動く大きな影。歌舞伎で観た「韃靼」そのものの世界がそこにはあった。
走りの行法のときには幕は巻き上げられるので、手作りの椿(糊こぼし)も見ることができた。激しく膝を打ち付ける音が堂内に響く。
ほら貝の音や、鐘の音、笛の音などが演奏会の前の音合わせのような、無秩序な音程のように聴こえてくるのもまた面白い。
格子から片手を差し出し、お香水もいただいた。
例年になく、それほど寒くない冬だったおかげで、局の中にいても寒さをほとんど感じることなく(人の出入りの際に戸が開けられると冷たい風が入り込んできたけれど)、座り続けることができた。
午前2時45分、松明の灯りで下りていく錬行衆を見送って、私は充足感に包まれながら帰路に着いた。