2023年4月23日、「奈良八重桜(ならのやえざくら)巡り」というイベントに参加しました。
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八重桜といって、まず思い浮かぶのが伊勢大輔の百人一首。
古の奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな
この八重桜がナラノヤエザクラであるという科学的な証拠はありませんけれど。
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「奈良八重桜(ならのやえざくら)巡り」の主催は、旧鍋屋交番と奈良きたまちの会(なべかつ)。
13時30分から、奈良公園バスターミナル東棟2階レクチャーホールで、奈良八重桜についての講義を聴きました。
13時30分まではステージでお二人の方がお琴の演奏をしてくださってました。
心地よい音を楽しませていただきました。
13時30分からステージでお話をしてくださったのは、原田豊実さん。
準備してくださった資料は14ページ。以下は資料からの抜粋です。
1 八重桜が登場する古地図
・かつて興福寺の寺領は、今の倍ほどあったということを初めて知りました。
・興福寺には南円堂と北円堂がありますが、かつては東円堂もあったとは知らなかった!
2 ナラノヤエザクラ
野生種には、ヤマザクラ、エドヒガン、オオシマザクラ、カスミザクラ等がありますが、奈良八重桜は、栽培品種のひとつで、カスミザクラが重弁化したもの。
花は小ぶり、花とはが同時に出るが、葉は緑色。遅咲きで、4月末から5月初めに満開。花びらの数は30~36枚。咲き始めは白く、徐々に赤く色づく。最後は一枚一枚散るよりも花ごと落ちることが多く、落ちた花は鹿が好んで食べる。
奈良県花、奈良市花。
3 ナラノヤエザクラについて書かれた文献
詞花和歌集
袋草紙
伊勢大輔集
紫式部集
沙石集
興福寺流記
七大寺巡礼私記
徒然草
多聞院日記 ※八重桜が「東円堂桜」と呼ばれていたことがわかる
奈良名所八重桜
4 明治時代のナラノヤエザクラ
岡本勇治という一流の植物学者が奈良にいたということを初めて知りました。
岡本勇治は、牧野富太郎や三好学に師事し、奈良県各地の植物調査を精力的に行ったそうな。
腎臓を患い、37歳で亡くなったそうですが、長く生きていたら、もっと功績を残しただろうと思います。
原田さんによるレクチャー終了後、グループに分かれて、ナラノヤエザクラ巡りに出発しました。
天気もいいし、最高の日になりそうです!!