迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

太閤ノ地團駄……?

2024-07-14 17:18:00 | 浮世見聞記
歌舞伎座の前に立てられた、今月の芝居らしき繪看板を見て、おや、と足を停める。赤いキモノに金色の烏帽子をのせた、三番叟に扮してゐるらしい役者の手にした扇の繪柄が、引っ掛かったのである。單純に見れば、能の修羅物で敗将の靈が用ゐる「負修羅扇」の繪柄と、似てゐる。これは“波に日の入り”とか云って、赤い日輪は波に沈む夕陽を表はしたものであり、三番叟のやうな祝ひモノには似つかはしくないのではない . . . 本文を読む
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