觀覧無料が魅力的な板橋區立美術館へ久しぶりに出かけ、「歸空庵コレクションによる 洋風画という風」展を觀る。
西洋との交流が著しく制限されてゐた江戸時代、長崎出島經由で僅かにもたらされた西洋繪画と技法に魅せられた、有名無名の日本の藝術家たちの手による、繊細で器用な異國情緒の世界。
(※案内チラシより)
異國を實見したわけではない彼らが、なんらかの原版だけを頼りに描いた“西洋風”の世界は、未だ見ぬ海の向かふの世界への強い憧憬が感じられ、
(※同)
それだけに本場の西洋画より却って異國情緒に溢れてゐるのが面白かった。
帰りには、通り道沿ひの浄土宗乗蓮寺に立ち寄り、“東京大佛”を見物す。
當寺の二十四世住職により昭和五十二年(1977年)四月に建立された青銅佛にて、當初は日本で三番目の大きさ云々。
──かういふものは、いかに大きいかより、いかに“深い”か、であるぞよ。