面会者として、町外れの大病院を訪ねる。
それぞれの抱へる人生が、色濃く剥き出しにされて、それがそのまま病ひの根源となる──
一階ロビーは外来患者で混雑しており、ここがこの町でいちばんの繁華街ではないかと思ふ。
それぞれの抱へる人生が、色濃く剥き出しにされて、それがそのまま病ひの根源となる──
本當の薬は、どこにあるのだらう……?
先輩に補助されながら手順を追ふ、見習ひらしき若い看護師の白くて細い腕に、
いづれ自分も老爺になったら、今はまだ生まれてもいない人に命を恃むことになるのだらうか──
と考へ、ひどく心許ない気分になった。
そして、ふと医者嫌ひだった伯父たちのことを思った。