迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

さてはあやかしのなせるわざなるか。

2013-09-08 20:06:50 | 浮世見聞記
金春流の能を観に、国立能楽堂へ行く。



シテが揚幕へ入る間際、能面(おもて)の表情がわずかに動いたのを、わたしは見た。


まちがいない。


かすかに開いた唇から、わたしはなにかを聞いたのだ。


その声はもしかしたら、永遠に聞き取ることは出来ないかもしれない。


だがわたしは、それがかなう日まで、あなたのもとへ通い続けるだろう。


百夜でも、通い続けるだろう。


わたしのなかの、

わたしではない“もうひとり”に、

突き動かされるまま…。
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