普通列車でノンビリ旅行、と云ふより、費用を一錢一文でも安く上げたいビンボー人たちの味方であるはずの「青春18きっぷ」が、今冬分はとんだ改惡にて、いはゆる“18きっぱー”たちがネットで數萬人の反對署名を集めるなど怒り心頭云々、私も今さらながら驛で件の案内チラシを見かけたので一枚手に取って見て、「なるほど、こりゃヒドイ……」と呆れる。
細々としたことはすでにお仲間たちが論じてゐるであらうからそちらに任せるとして、私がもっともダメだろ、と思ったのは、一枚で五回分、もしくは五人まで同時使用できたのが、一枚一人限り、五日間連續使用限定に變更してしまったことだ。
この切符の一番の特典であり、また特徴を變更してしまっては、これはもう別モノな改惡と云はざるを得ず、今までのやうな期間中に日をおいて複數回に分けた旅行の計画は立てられなくなる。
五日間連續使用など、それだけの時間とカネのある人種がこの切符の利用者層にどれだけゐるものか、JRのおエラどもは全く認識しておらず、結局は會社都合なとんだ太平樂と云はざるを得ない。
三日間用を新設したところで、結局は同じことである。
自動改札機で通れるやうになるなどは、とっくに導入してゐるべきものであり、何を今さら、である。
来春分からは、連續使用限定だけでも見直すべきだ。
ただでさえ整備新幹線の開業で併走の在来線はことごとく第三セクター化され、青春18きっぷの適用外となり利用範囲が狭まってゐるなか、ダメ押しとも云へるこの不可解な改惡、まったくこれだけ×だらけな案内チラシも珍しい……。