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(イラク 護衛の任務を中断して自身の息子と娘を抱き寄せる“イラクの息子”(SOL)メンバー 首に下げた銃がなければ、ごく普通の穏やかな親子の様子ですが・・・ “flickr”より By onekingdown27
http://www.flickr.com/photos/ak_in_korea/2548603293/)
【腹立たしいこと】
無責任に突然やめられると困ります。
あとのフォローに苦慮しています。
福田首相の話ではなく、今月20日に予定した北京旅行のフライトの話です。
昨日、旅行代理店から電話があり、“帰国日の便がフライト・キャンセルになったと航空会社から連絡がありました。翌日なら飛ぶそうですが、どうされますか?”とのこと。
時間単位のぎりぎりのスケジュール調整でようやく押し込んだ旅行です。
急にそんなことを言われても困ります。
“まるで他人事のようだ”と言いたいところですが、旅行代理店にとっては実際他人事ですから仕方ないです。
キャンセルしたのは中国国際航空。ときどきこういうことがあるとか。
利用者が少ないので“赤字で飛ばすよりは”とフライト・トキャンセルしたのでしょうか。
“サービス業”としての自覚を持ってもらいたいものです。
仕方がないので、急遽大韓航空で手配しなおしましたが、予定していた休暇期間に収まらず、再度無理なお願いを関係者にして・・・・、福岡から鹿児島奄美までの国内乗継便も先割で取っていたので取消料が半額かかり・・・、全く腹立たしいかぎりです。
【進むイラク撤退】
閑話休題。
イラクのマリキ首相は先月25日、部族指導者らに対し米軍の地位協定に関して「(イラク・アメリカ)両国間で、2011年末までにイラク国内からすべての外国部隊を撤退させることで、合意が成立した。国際部隊の駐留を含む安全保障協定で、期限を設定しないということは容認できない」と述べています。
しかし、全軍撤退の期日指定に難色を示すアメリカは、ライス米国務長官がその前の週バグダッドを訪問した際、合意は近づいているがまだ最終段階ではないとしていました。
現在イラクに駐留している米軍は、約14万4000人です
マリキ首相は、シーア派民兵掃討作戦の結果に自信を深めたようです。
そんな自信を裏付けるように、シーア派反米指導者サドル師は先月28日、自ら率いる民兵組織マフディ軍の活動停止を無期限に延長するとの声明を発表しました。
活動停止は今年2月に6カ月間延長され、8月末が期限だったものです。
マフディ軍内部には武装闘争の継続を目指す過激分子もいますが、サドル師は声明で「(活動停止の命令に)従わない者は、われわれのグループのメンバーとは認めない」と述べたそうです。【8月28日 毎日】
米軍の撤退の時期・スケジュールにはまだ流動的な部分があるようです。
イラク駐留米軍のペトレアス司令官は、イラクの治安改善に伴い、首都バグダッドから米軍の戦闘部隊が2009年7月までに撤退できる可能性が出てきたと語っています。
一方、ゲーツ米国防長官らは4日、イラク駐留米軍の追加撤退を先送りし、14万人余りの規模を今年末まで維持するようブッシュ大統領に進言したとも報じられています。
細部はともかく、米軍が次第にイラクから撤退していく方向にあることは現在のところ間違いないようです。
イラクで最も治安の悪かった中西部アンバル州の治安維持権限が今月1日、駐留米軍からイラク軍へ移譲されました。
権限移譲は全18州のうち11番目ですが、イスラム教スンニ派が多数を占める州では初めてです。
権限移譲後は、駐留米軍は州知事から要請があった場合のみ軍事行動に参加することになります。
“米軍発表によると、アンバル州には今年2月には3万7000人の米軍兵士が駐留していたが、現在は2万8000人まで削減されている。一方でイラク軍兵士およびイラク警察の配備規模は3年前の5000人から3万7000人に増えた。
襲撃事件などが増加しているアフガニスタンへの米軍増派を求める圧力が高まる中、アンバル州の権限移譲により、イラク駐留米軍の削減は大幅に進むとみられる。イラク全体に駐留する米軍は約14万4000人だが、今後数か月間に削減が見込まれる。”【9月1日 AFP】
しかし、今後の展開について不安にさせる記事もあります
【やっぱり宗派対立か・・・】
*****イラク:進む治安権限委譲 宗派対立の再燃も*****
シーア派中心のイラク政府は、治安回復を担った地元スンニ派部族らの「切り捨て」を始めており、宗派対立の再燃が懸念される空気が漂っている。
治安権限は軍や警察の正規治安部隊に引き継がれるが、アンバル県などのスンニ派地域で治安回復の柱となってきたのは、地元スンニ派部族で作る「覚せい評議会」だ。メンバーの多くは米軍の資金提供で、対米攻撃から反テロに転じた。評議会はアンバル県のほか、ディヤラ県やバグダッドなどでも設立され、米軍はメンバーを「イラクの息子たち」と呼ぶ。
ところがシーア派が中枢を占めるイラク政府は、治安権限移譲の進展と並行して「イラクの息子たち」の切り捨てに出始めている。マリキ首相の出身母体「アッダワ党」のアバディ議員は米紙に「元武装勢力に給与を支払い続けることはできない」と強調する。
政府は「イラクの息子たち」の20%を治安部隊に編入すると約束したが、手続きは停滞したままだ。ディヤラ県やバグダッドの一部では「息子たち」の摘発が始まっている。
シーア派の間には、覚せい評議会がシーア派に対する脅威になるとの危惧(きぐ)がある。政府の切り捨てにより、「イラクの息子たち」が再び武装勢力に吸収されるとの見方も出ている。【8月31日 毎日】
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「イラクの息子たち」は、全国で10万人とされ、米軍は1人当たり300ドル程度の月給を支給しています。
シーア派の中央政府とスン二派の「イラクの息子たち」の対立という、相変わらずの宗派対立ですが、記事にもあるように、正式な治安部隊への編入が進まないと、再び中央政府との紛争が起きかねません。
それは、皆がわかっている話で、以前から言われている話です。
“政府による切捨て”云々には、イラク中央政府は本気でイラクの安定を考えているのか疑問を感じずにはいられません。
これで混乱に後戻りするのであれば、米軍を含めて、これまでの犠牲はなんだったのかと腹立たしくも思えます。
何より、命を失い、家族を失い、家を失った多くのイラク住民の悲しみをどのように考えているのか・・・
世の中には腹の立つことが尽きません。