2回に渡ってアクションもののコミックスを御紹介してまいりました。
では、小説だって!やらねば!
……と考えた単細胞のネーさです。
「しょうせつゥ~?でスかァ~」
そうですよ、テディちゃ。
ではどれを、と本棚を見渡して……おお、あります、ありました!
この名作を御紹介いたしましょう!
―― 死にゆく者への祈り ――
著者はジャック・ヒギンズさん、原著は1973年に発行されました。
その男の名は、マーチン・ファロン。
いえ、本名ではないでしょう。
なぜ本名を名乗らぬのかといえば……
追われる身、であるがため。
マーチン、元はIRAの中尉でした。
現在は、警察に、そして古巣のIRAからも手配されています。
「えェッ、それはァ……おそろしィのでスゥ……!」
他国へ逃亡したくとも、それには旅券が要る……
偽造パスポートと引き換えに、彼は止む無く或る仕事を請け負いました。
暗殺、の仕事を。
「うゥッ、こわいィ~!」
暗殺自体は、成功しました。
が、その後の展開が、マーチンの予測を裏切ります。
目撃者が、いた――!
策を弄し、彼は目撃者のダコスタ神父を味方につけます。
これで警察を騙せるか――
いえ、一度狂い始めた歯車は、
マーチンをさらなる絶望の淵へと追いやるかのようです。
マフィアたちとの確執は深まり、
警察の手もすぐそこに迫ってきました。
最悪の状況の中で、
だが、これだけは譲れない、
守らなくてはならない……
マーチンの孤独な闘いが始まります。
守らねばならないものを、彼は守り通せるのでしょうか?
『鷲は舞い降りた』等で知られる作家ジャック・ヒギンズ氏の名作です。
あとがきによれば、どの著作が好きかと訪ねられたヒギンズさんは
出世作『鷲は……』よりも、
この作品を挙げたのだとか。
「ふァ~、どしてェでスか?」
おそらく、マーチン・ファロンという主人公を、
ヒギンズさんはとても大切に思っているのではないでしょうか。
天使のようにピアノを弾き、
悪魔のような暗殺者でもある
マーチン・ファロン。
作者を、読む者を魅了する、忘れがたい存在です。
なお、この御本のファンは世界中に多く、映画化もされましたが、
映画を観るよりも先に、読みましょう!
もう絶対に、読む方を先に!
でないと、でないと……!
「でないとォ? どうなるのでスかッ、ネーさ?」
……言わぬが花、ってヤツ、ですね。
「ふァ~??」
冒険アクションの金字塔的作品です。ぜひ!