テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 響け、天上の音 ~

2010-12-06 23:31:48 | ブックス
「じんぐっるッじんぐるッべるべるゥ~♪」
「がるがるぐるる~♪」(←訳:ハッピーホリディ~♪)

 クリスマスソング、解禁!
 でも、大雪どころか、陽射しポカポカな小春日和の東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。
 
「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!」(←訳:虎です!)

 今頃、北極圏にあるサンタさんのお家では、
 トナカイのルドルフくんたちが本番に備え、ストレッチに余念がないのでしょうね。
 プレゼント満載の橇を引き、全世界を走り回るのは大そうな重労働ですから。
 さあ、では、活字マニアの私たちも、
 読書という重労働に取り組みましょう!
 本日は、こちらを、どうぞ~!


 
                    ―― おやすみラフマニノフ ――


 
 著者は中山七里さん、’10年10月に発行されました。
 このミステリーがすごい!大賞受賞作品『さよならドビュッシー』でデビューした中山さんの、
 第2作目となる御本がこちら、ですね。
 
「ふむふむッ!
 ぜんかいィがァ、どびゅッしィー!」
「がるぐるぐるがるー!」(←訳:今回はラフマニノフー!)

 はい、題名だけで、
 うむむ、これはおそらく……と推測されるミステリ好きさん、
 御想像は間違っていませんよ♪
 こちらの新作もまた、
 音楽が主役!とも言えるミステリー作品です。

「ふァいッ!
 テディちゃ、らふまにのふゥ、しッてまスでスゥ!」
「ぐるぐるぐるるがる!」(←訳:ピアノ協奏曲なんだよね!)

 ラフマニノフの2番――
 分かりやすい例を挙げますと、
 映画『アラビアのロレンス』で使われていた名曲ですわね。
 それに漫画の『のだめカンタービレ』でも
 千秋くんが巨匠ミルヒの指揮下、
 学園祭で披露していた曲でした。
 ロシア生まれの作曲家・ピアニスト・指揮者、
 セルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフさん(1873~1943)の
 代表作品として知られる美しい楽曲です。

 主人公の城戸晶(きど・あきら)くんは、
 必死にこの大曲のスコアを見つめ、
 朝から晩までヴァイオリンの練習に余念がありません。
 何故か、と申しますと……

 晶くん、ビンボーなんです。

「ふァ?」
「がるるーぐるるる?」(←訳:ネーさ、理論がズレてます!)

 いえ、ビンボーがキーポイントなのよ。

 晶くん、音楽大学の学生さんなんですが、
 授業料が払えず、苦境にあります。
 でも!
 学校の定期演奏会で演奏されるラフマニノフ2番の演奏メンバー、
 それもコンサートマスターに抜擢されれば、
 準奨学生の資格を得て、
 授業料が免除されるんです!
 がんばらなくちゃ!

「うんッ! ちゃんすゥだよッ!」
「がるるっ!」(←訳:ファイトォ!)

 けれど、こんな時に限って。
 晶くんの周囲にはトラブルが多発いたします。
 学校の保管室から、
 時価ン億円のストラディバリのチェロが消えた?
 密室状態の室内から、どうやって???

「すとらでィばりィ~!?!」
「がるるるー!」(←訳:人類の至宝がー!)

 晶くんを援けつつ、
 事件の真相究明に挑むのは
 『さよならドビュッシー』でも活躍されていたあの御方――
 岬洋介(みさき・ようすけ)さん。
 さながら《さすらいのピアノ教師》の趣きさえ感じさせる
 スナフキンにも似た飄々たる言動は、
 名探偵たる証しなのでしょうか?

 ドラマチックな展開ゆえに、
 この物語を、ベタ過ぎる、と評する御方も居るかもしれません。
 でも、これは愛すべきベタ、
 意義あるベタなのだとも言えましょう。
 エンタ心に満ちたベタ、なのです!
 
 音楽好きさん、
 ミステリ好きさんも、
 エンタ感度を最大にして、
 楽しくお読みくださいな♪

「らふまにのふゥ、ききながらァ~」
「ぐるるるがるる~」(←訳:チャイコフスキーも聞きながら~)

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コメント
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