テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

暖かな、冬の家より。

2010-12-27 23:22:20 | ブックス
 世界名作劇場へようこそ~!
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるる~!」(←訳:虎です~!)

 さあ、本日はお久しぶりの名作劇場です!
 それも、折り紙つきの名作!
 このお話を知らぬ者は少なくとも日本にはいないでしょう!というくらいの名作です!
 それは何かと申せば……こちらを、どうぞ~!

  



                 ―― ハイジ ――



 著者はヨハンナ・シュピーリさん、
 原著は上巻が1880年に、下巻が1881年に発行されました。
 原題は『HEIDI』――
 ええ、そうですよ!
 『アルプスの少女ハイジ』として知られる物語が、この御本です!

「よォ~ろッよォ~ろォれッひッひッ♪」
「……がるぐるがるるる?」(←訳:……それヨーデルじゃないよね?)
「ぷんすかッ!」(←怒ったようです)

 えっへん!
 そもそも、なぜいま『ハイジ』なのか?
 答えは簡単!
 ヨーロッパを襲った大寒波のニュース映像を見たネーさ、
 宮崎駿さんたちが製作したアニメーションの、
 ハイジとおじいさんの『冬の家』を連想しちゃったのです。

 リンゴの果樹に囲まれて建つ、
 屋根はないけれど壁は厚くて、
 住人を冬の寒さから守ってくれる『冬の家』。
 大きくて立派なストーブが暖かそうだったなあ……。

 あら? でも?
 原作では、『冬の家』って、どんな風に描かれていたかしら?

 はたと行き詰まった私ネーさ、
 慌てて原作小説にあたってみた次第なのです。

「うむッ??
 げんさくとォ、あにめのォ、ちがいはァ??」
「がるがるるるるぐる?」(←訳:いっぱい違ってる箇所があるのかな?)

 久しぶりに読み返してみて……驚きました!
 原作の御本は、とても濃密に、感情豊かに、少女たち少年たちの心の動きをくみ取った
 重厚な作品です!
 
 19世紀後半は、科学の時代でした。
 蒸気機関車が走り、
 街角にガス燈が灯って夜道を照らし、
 医術は進歩して手術や投薬は当たり前のこととなり、
 フロイトさんというオジさんがもてはやされたり、
 電報が都市と都市を結びます。
 技術革新! 産業革命!
 明るい未来!
 ……こんな、科学の時代に、子どもたちは叫ぶのです。

 石の町より、アルムの山がいい!
 白パンを買うお金はなくても、山の小屋の方がいい!
 峰々を赤く染める夕焼けを見、
 花の野にいられるなら、
 車椅子なんて捨てたっていいさ!

「のぼろうゥッ、やまをォ!」
「ぐるるるがるー!」(←訳:自分の足でー!)

 アニメーションの『ハイジ』しか知らない御方、
 抄訳版の『ハイジ』は読んだけれど……という御方、
 そして原作の素晴らしさを忘れかけてしまっている活字マニアさん、
 もう一度、『ハイジ』の山へお出掛けしてみませんか。
 雪が背より高く降り積もっても、
 冬の家が、
 アルムおんじが、
 氷の風から読み手を護ってくれる、
 暖炉のようなものがたり。
 冬休みに、激おすすめの、一冊です!

「くちぶえふいてェ、おでかけしようッ!」
「がるがるぐるるるーぐる!」(←訳:山頂のケルンが待ってるよ!)

 画像は、福音館古典童話シリーズの御本ですが、
 他にもたくさんの日本語版『ハイジ』が刊行されています。
 お好みで、御自分の『ハイジ』を見つけてくださいね~♪
コメント
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