テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 渦巻く花と樹 ~

2010-12-13 23:22:32 | ブックス
 ここは冬島なのっ?な週明けとなりましたね、
 こんにちは、冷え冷え~の東京・多摩地方から、ネーさです。

「こんにちはッ、テディちゃでス!」
「ぐるる!がるっ!」(←訳:虎です!寒っ!)
「でもねッ、おきなわはァ、あつあつゥ、なのでスよゥ!」

 南の島のアツアツをちょいっと分けていただきたいのは、
 大寒波に見舞われてるというヨーロッパの皆さまも
 同じ気持ちでしょうか。
 本日は、そのヨーロッパの、文化の源流を探る一冊を御紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  



                  ―― ヨーロッパの形 ――


 
 著者は篠田知和基さん、’10年9月に発行されました。
 副題に『螺旋の文化史』とあります。

「らせん~ッ??」
「ぐるぐるがるるる~?」(←訳:ぐるぐる渦巻きですか~?)

 そうですね、
 ぐるるん、とした渦のような模様――螺旋の紋様。
 御本の装丁を観察してみますと、
 ふたつの図像が表紙画上で重なっているのが
 お分かりでしょうかしら?

 中央部分にミケランジェロさん画『原罪』(システィーナ礼拝堂天井画)、
 そして背景部分に
 クリムトさん画『生命の木』が
 配されているデザイン、ですね。

 実は、私ネーさ、クリムトさんの大ファン!
 そのため、この『生命の木』も画集で拝見していたのですが、
 常々不思議に思っておりました。
 
 ぐるぐる~な、この渦巻きの図柄は何なんでしょ?
 何か深遠な意味があるのかな?
 生命の木、というからには、
 北欧神話にある世界樹?
 イグドラシルとかいう巨大樹を示唆していたりするのかなぁ?
 それとも、別の何か……?
 
 その疑問を、
 この御本が解き明かします!

「かいとうらんまッ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:学術的に!)

 ヨーロッパ文化に於ける螺旋紋様の歴史を辿れば、
 はるかな過去に行き着きます。
 ゴシック?
 ルネッサンス?
 中世?
 いえ、もっともっと昔、
 キリスト教以前の文化に、
 《螺旋》の原点はあるようです……

「そんなにィ、むかしィ?」
「ぐるるるがる?」(←訳:古代史の世界?)

 古代史、というよりは、
 多神教の時代、ですね。
 ローマ、ギリシャ、エジプト、アラビア、
 広範囲な地中海文明が、
 《螺旋》の母胎であるとみられます。

 キリスト教文化が西欧社会を覆うよりも以前の、
 混沌とした、
 けれども芳醇であり豊潤でもあり、
 アジアに住まう私たちにとってはさして違和感のない、
 八百万の神々が地上を闊歩する時代――
 その名残りのひとつが《螺旋》のかたち……

 《螺旋》が具体的に何を象徴するものなのか、
 それはここでは記さないでおきましょう。
 
「えェ~?
 こたえはァ、どこにィあるのォ~??」
「ぐるるるる~がるがるる!」(←訳:ミケランジェロさんが知っていそうだよ!)

 神話や歴史、
 絵画やデザイン史に興味をお持ちのアート好きさんに、
 ぜひのおすすめ!
 図版も、モノクロではありますが、
 多数掲載されていますよ~!

「ぐるぐるまわれッ、うずまきたちよッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:今日も明日もあさっても!)

 謎大好き!なミステリマニアさんにも、おすすめです♪
  
コメント
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