テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2011!新春特別企画!《白い宝玉》その2!

2010-12-31 23:32:59 | 2011!新春特別企画!
 大晦日に起こったクマリング侯爵家に伝わる《白い宝玉》盗難事件!
 名探偵テディちゃムズが、
 盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 友人の虎くんとともに向かったのは――

 

「さあさあ、泣かないでクマリング侯爵夫人!
 テディちゃムズが貴方の力になってくれるのですから、
 もう心配は要りません!」

 ……美人と見れば、ユキノジョン・H・ワトソン博士が大乗り気!
 張り切って被害者さんから事情を訊き出しますよ!

「ああ、ありがたい!
 テディちゃムズ氏が!」

 泣いたり喜んだり忙しい侯爵夫人の説明によれば。

 明日の新年パーティ用衣装を整えておこうかしらと、
 ドレスを衣装トランクから、
 装身具を宝飾品ケースから出そうとして……
 
 あら?
 なんだか軽い?
 まあ!んまああっ!
 ケースの中身が空っぽ!
 《白い宝玉》が失くなっているわー!!

「おまちくださいィッ、こうしゃくふじんッ!」

 

 鋭い声は、テディちゃムズ!

「こうしゃくふじんともォあろうおかたがァ、
 ごじぶんでェ、いしょうのォ、おしたくをッ?」

 ええ、とクマリング侯爵夫人は答えます。

「従僕のポール、小間使いのメリーたちは、
 アルバートホールの『紅白クマ歌合戦』を観に行っておりますわ」

 きらり!
 テディちゃムズの眼光の鋭さ!
 そして、それからの行動の素早さときたら!

 従僕のポール、メイドのメリーらが使っていた部屋を調べます。
 彼らの年齢や容姿をランガムホテル従業員に訊ね、
 侯爵夫人の部屋を厳重に警備するよう依頼いたしました。

「テディちゃムズ!
 どうしたんだいっ?」
「はんにんはァ、そいつらだよッ!
 ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」
「えええッ???」

 テディちゃムズ、いわく――

「あのねッ、こうはくくまうたがッせんはァ、
 かんたんにィ、みにゆけるものじゃないのさッ!」

 人気グループ『くまッぷ』や『くまらし!』が出演する今年の紅白クマ歌合戦は
 例年にも増して観覧券の入手が困難なのです。
 そんなプラチナチケットと、
 盗難事件の発生はどう関わっているのか、というと……?

「ありばいィづくりィ、だよッ!」

 犯罪が実行されていたと思しき時間に、
 アルバートホールで紅白クマ歌合戦を観ていたと言えば
 警察官たちも、ああ、なるほど、と納得するでしょう。
 アリバイは成立!めでたく潔白証明!となる筈です。

 けれど、テディちゃムズは納得いたしません。
 何故と申して。

「あんまりィ、ぐうぜんすぎるゥじゃないかッ!」

 そ、そうかもねッ、と頷くユキノジョン・H・ワトソン博士。
 
「じゃ、じゃあ、これからどうするんだい、テディちゃムズ?」
「こうするのさッ!
 とらくんッ!
 でばんッ、だよゥ!」
「がるっ!」(←訳:おうっ!)

 

「がるがるるるーがる!」(←訳:臭いの追跡、開始だー!)

 従僕ポールとメイドのメリーの部屋を調査する際、
 彼らの臭いをたっぷり嗅ぎ、
 その特徴を記憶してきた虎くん、
 鼻をヒクつかせ、
 先頭に立ちます。

「ぐるるるーがるがる……!」(←訳:ヤツらの臭いがするよ……!)

 真夜中近いロンドンの街、
 新年のカウントダウンが近づき
 鐘の音鳴り響くロンドンの街路を、
 抜き足、さし足、忍び足に速足で、
 てってこてってこ、
 進んでゆく名探偵一行。

 やがて、辿り着いたのは……

「あッ! ここはッ?!?」


  ~ つづく ~ 
 
コメント
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