テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あこがれのひとに、捧ぐ。

2014-02-13 21:45:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……ふァ~、もうゥゆきはァ、けッこうゥでス!」
「がるる!ぐるがるぐる~!」(←訳:虎です!早く春よ来い~!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日14日はまた雪の予報が出ていますね。
 皆さま、くれぐれも怪我にだけは注意しなくちゃ!と胸に刻んだら、
 さあ、今日のところは読書タイムでリラックス!
 こちらを、どうぞ~♪

  


               ―― ノボさん ――


 著者は伊集院静さん、2013年11月に発行されました。
 『小説 正岡子規と夏目漱石』と副題が付されています。

「しきさんッ! テディちゃ、しッてるでスよゥ~!」
「ぐるるぐるる!」(←訳:TVで見たよ!)

 テディちゃと虎くんが言ってるのは、
 たぶんNHKで放送されたドラマ『坂の上の雲』のことね。
 司馬遼太郎さんの歴史小説を原作とするドラマ作品は
 俳優さんたちの熱演もあって、
 大きな反響を呼びました。

 けれど、
 著者・伊集院さんが
 この御本を書こうと思い立ったのは、
 実に30年以上も昔の出来事だったそうです。
 作家としてデビューする前から、
 正岡子規さんは
 伊集院さんにとって《憧れのひと》であったとか。

「ふむむゥ! さんじゅうねんのォ~」
「がるる!」(←訳:片思い!)

 片恋に身を焦がす伊集院さんが描いたものがたりは、
 当然ながら『坂の上の雲』とは
 趣きを異にしています。

 “時代”や国際情勢が主役、なのではなく。

 正岡子規さんという、ひとりの若者。

「しきさんはァ、ゆうめいじんでスッ!」
「ぐるぐるるるるがる!」(←訳:近代文学史上の巨人!)

 子規さん御自身は、知りませんでした。

 自分がどれほどの影響を
 後代の日本の文学に及ぼすことになるのか、
 知らぬまま、世を去ります。

 
 1867年10月(慶応3年9月)に生まれ、
 1902年(明治35年)9月没。

 
「たッたのォ、さんじゅうごねんッ!」
「がるるる!」(←訳:短すぎる!)

 著者・伊集院さんは
 憧れのひとの35年間を、
 激情を前面に押し出してではなく、
 狂おしく熱い想いは敢えて秘め、
 淡々と、とさえ言える筆致で綴りました。

 抑えた語りによって、
 子規さん、漱石さん、
 子規さんの妹・律さんたち、
 それぞれの日々、喜びと苦痛が
 より精彩を放ちます。

「みんなにィ~あいされたひとォ!」
「ぐるるる、がる、ぐるぐる!」(←訳:子規さん、いえ、ノボさん!)

 伊集院さんから正岡子規さんへのラブレターとも思われるこの御本を、
 愛を贈るバレンタインの日に読んでみるのは
 いかがでしょうか?
 女性にも男性にも、おすすめですよ~!
 



コメント
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