テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

豊かな《闇》へ、まず一歩♪

2014-02-21 21:20:07 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 ……あッちでェ、ぼこぼこッ!」
「がるる!ぐっるるがるがる!」(←訳:虎です!こっちでぼこぼこ!)

 こんにちは、ネーさです。
 まだ大きな雪の塊があちこちに残っている、ここ八王子。
 足元を注意しながら歩かねばなりません。
 本日の読書タイムでも、
 “足下要注意!”な一冊を御紹介いたします。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



 
             ―― 『闇学』入門 ――



 著者は中野純(なかの・じゅん)さん、2014年1月に発行されました。
 『闇を歩く』『東京《夜》散歩』など、
 《闇》をテーマとした著作で知られる中野さんの最新作は新書!
 ええ、この御本でも語っていただきましょう、《闇》について!

「くァらいぞォ~ッ!」
「ぐるるぅ~!」(←訳:怖いぞぉ~!)

 暗くて、足元も見えなくて、
 恐怖が背中を這い登ってくる《闇》の世界。

 いえ、ですが、皆が皆、
 怖~い!と震えている訳ではなさそうです。

 著者・中野さんは、
 『闇を歩く』が評判になってのち、
 《闇歩きガイド》として有料の闇歩きツアーも開始、
 気が付けばお仕事の九割以上が
 《闇》関連のものになっていた……というのですから、
 実は、

 《闇》って人気がある!
 多くの人からとても注目されている!

 のですね。

「くらァ~いィなかをォ、あるくゥ!」
「がっるぐるるがるる!」(←訳:ミッドナイトハイク!)

 ほのかな灯火さえ無いような闇の山野を、
 しのびやかに、ひっそりと歩く。

 ただそれだけのことが、
 こんなにも心地よいのは何故だろうか。

 中野さんは、日本人を取り囲む《闇》の歴史から
 考察を始めます。
 
 《闇》が忌避されるようになったのは、
 ごく最近のことじゃないか?
 半生記かそこら前には、
 ナイトハイクは珍しくなんかなかった。

 『月待(つきまち)』という言葉があり、行事がある。

 志賀直哉さんには『暗夜行路』という名著がある。

 宮沢賢治さんの詩にも、
 生徒たちとナイトハイクした様子が描かれている。

 比叡山の千日回峰行だって、
 夜に行われる修行だ!

「そういわれるとォ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:そうだよね!)

 《闇》が、
 私たちに与えてくれる感覚。
 キツい西洋の闇と、
 やわらかな日本の闇の対比。
 障子紙越しの、淡い光とおぼろな影。

 《闇》の恵みを受け取るために、
 私たちのご先祖さまたちは
 どんな工夫を凝らしたのだろう?

 《闇》とは、私たちにとって何なのか?

「ひかりはァ、きれいィだけれどォ~」
「がるぐるる!」(←訳:闇も美しい!)

 蛍光灯の眩しい光に疲れちゃったら、
 この御本をぜひ!
 名ガイド・中野さんに導かれ、
 ほっと心安らぐ《闇》の郷(さと)へ
 活字マニアの皆さまもお出掛けくださいな~♪



 
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