テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

読めば“ 鉄道時間旅行 ”!

2014-02-23 21:17:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はるのォ、はじまりィはッ?」
「がるる!ぐるぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!春は黄色から始まります!)

 こんにちは、ネーさです。
 春は黄色から始まる、というのは
 “お花”のことだそうですよ。
 新年の福寿草、そして蠟梅の黄色、菜の花……と続くんですって。
 では、文化や文明は?
 その答えは、本日の読書タイムで、さあ、どうぞ~!

  



           ―― 図説 世界史を変えた50の鉄道 ――



 著者はビル・ローズさん、原著は2013年に、日本語版は2014年2月に発行されました。
 英語原題は『Fifty Railways that changed the course of History』。

「あはァ! てつどうゥ!」
「ぐるるがっるる!」(←訳:列車がいっぱい!)

 この御本は、
 英国を中心に活躍するジャーナリストである著者・ローズさんによる
 鉄道の歴史……
 というよりは、
 近代史を新たな視点から見つめ直した作品、と御紹介すべきでしょうか。

 ですから、
 いわゆる《鉄道図鑑》を期待する方々は
 ちょっと拍子抜けしちゃうかもしれませんが、

 力作です!

「ぶあついィ!」
「がるっ!」(←訳:大判っ!)

 鉄道の歴史は、近代の歴史そのものです。

 著者・ローズさんは
 『世界史を変えた50の鉄道』の最初の鉄道として
 英国ウェールズの
 マーサーティドフィル鉄道を選びました。

 時代は、1804年!
 鉱山エンジニアのリチャード・トレヴィシックさんが開発した蒸気機関車
 ペニダレン号は、
 その後に続く機関車たちの先駆けとなりました。

「にひゃくねんもォ、まえッ!」
「ぐるぐるがる!」(←訳:産業革命開幕!)

 乗合馬車に変わる鉄の馬車として、
 鉱山や田園地帯から物資を運ぶ輸送手段として、
 英国で生まれた鉄道は
 たちまち世界へと羽ばたきます。

 ベルギーへ!
 バイエルン(現ドイツ)へ!
 フランスはパリへ!
 ロシアへ!
 キューバへ!

「きゅーばッ??」
「がるぐる!」(←訳:意外だあ!)

 カマグエイ=ヌエビタス鉄道がキューバの地を走ったのは1837年のこと。
 これが、
 “ラテンアメリカでの大量高速輸送機関の第一号”ですって!

 そうして、
 1863年には英国の首都ロンドンの地面の下を
 メトロポリタン鉄道が走り始めます。

「ちかてつゥ、でスねッ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:150年も前に!)

 鉄道網によって切り拓かれてゆく広大な平原、山々。
 喜ばしい開拓もあれば、
 危険と背中合わせの鉄路、
 絶望に直結する線路もありました。

 ポーランドのアウシュビッツ分岐線が何を意味したか、
 ビルマ(タイ)のビルマ=シャム鉄道がもたらした悲しみ……
 著者・ローズさんは、ときに重くしんみりと
 筆を進めます。

「どうかァ、これからはァ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:善きものだけを!)

 20世紀後半に入れば、
 蒸気機関車から超特急の時代へ。
 東海道新幹線(1964年)や
 フランスのTGV(1981年)も産声を上げてますよ♪
 
 御本のラスト、50番目に登場するのは……
 欧州人が何百年も前から夢見た、
 英国と大陸をつなげる、あの――

「あれでスかッ♪」 
「ぐっるるぅ~!」(←訳:やっぱりぃ~!)

 伝えること、運ぶこと、届けることが文化の始まりの一面であるなら、
 鉄道はその大きな担い手でした。

 鉄道ファンさんにも
 歴史マニアさんにもおすすめのこの御本、
 図版も豊富に掲載されています。
 ぜひ一読を~!



コメント
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