テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

まんぼう、時代を泳ぐ。

2014-06-08 21:56:32 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 すごいィしーえむをォ、みましたッ!」
「がるる!ぐっるがーるるるぐる!」(←訳:虎です!カップヌードルのCM!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日から放送開始となった日清カップヌードルさんのCM『SAMURAI IN BRAZIL』は
 W杯の熱気をいっそう盛り上げてくれるユニークなフィルムですよ。
 フリースタイルフットボール世界王者・徳田耕太郎さんの超絶技を、
 日清さんのサイトで御覧くださいね(120秒ヴァージョンで!)♪
 見終ったら、さあ、本日も読書タ~イム!

  



            ―― 人生のずる休み ――



 著者は北杜夫さん、2013年10月に発行されました。
 北杜夫さんこと《どくとるマンボウ》氏のエッセイ集……いえ、
 エッセイ傑作選!ともいうべき御本です♪♪
 
「♪うゥ~ッ♪まんぼッ♪」
「ぐっるぅ~るっ!」(←訳:ちっがぁ~うっ!)

 そうね、違うわ。
 そんなボケをかまして許されるのはパラダイス山元さんだけよ。
 おっと、話が逸れちゃいましたが、
 ボケについてはどくとるのスキルも天下一品!
 愛娘・ユカさんの披露宴の様子を描いた『花嫁の父』などは 
 大笑いさせられます。
 遠藤周作さんや阿川弘之さんの、
 漫才か落語のようなお祝いスピーチ!

 
「楽しそうっ!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:すごい披露宴だね!)

 御本に収録されているのは、
 36編のエッセイ。

 いずれも『マンボウ夢草紙』『マンボウ酔族館』他の著書で
 既に発表された作品ではありますが、
 テーマごとに5章に分けて編集再録された内容は
 新鮮であり、古典的でもあります。

   笑いをこらえきれない『花嫁の父』、『こわい看護婦長』。

   学生時代を回想する『鈍物に魅力あり』、『ずる休み』。

   堂々の病気宣言『私は躁病である』と『私は鬱病である』。

   御本のラストを飾る名作『茂吉の体臭』――

 どの作品からも、
 どくとるの優しさ、温かさが感じ取れます。

「でもォ、これはァ~…」
「ぐぅっるがるる!」(←訳:ちょっと違うよ!)

 第三章《マンボウ人生論》中に収められている
 『生き残りの記――私の昭和』では
 一種の戦記とも受け取れる壮絶な体験が語られています。

 中学生だったどくとるの目に映った戦争。
 5月25日の空襲により
 青山一帯は火の海と化し、
 家は全焼してしまったこと。
 火の粉と熱風に倒され、
 危うく生命を落とすところだったこと……。

「どくとるッ、たすかッてェ、よかッたッ!」
「がるるぐるるー!」(←訳:戦争はイヤだー!)

 さまざまな色合いの、
 けれどどんな時にユーモアを失わない
 どくとるらしさ満載の作品が集められたこの御本、
 エッセイ好きな御方におすすめです!
 どくとるのファンの方々も、
 まだ北杜夫さんの作品を読んだことないんだけど……という御方も、
 ぜひ手に取ってみてくださいね♪

「およげッ、まんぼうゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:時代を超えて!)




 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする