テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

“願いごと”の歴史。

2014-11-27 21:26:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるるゥ~♪とわァいらいとォ~ぞォ~んッ♪」
「がるる!♪ぐるるるる~♪」(←訳:虎です!♪ウルトラQ~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 いえ、違いますよ。
 トワイライトゾーンやウルトラQ、或いはトンデモ本の世界じゃありません。
 本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、
 あくまで真面目なノンフィクション作品なんですから。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



               ―― 世界陰謀全史 ――



 著者は海野弘(うんの・ひろし)さん、2014年10月に発行されました。
 この御本に頻繁に登場するキーワードは、
 フリーメイソン、テンプル騎士団、錬金術、オカルティズム、
 そして大陰謀時代……

「ひゃわゥ! おどろおどろしいィ!」
「ぐるぅ!」(←訳:恐怖ぅ!)

 現在、大きな書店さんに行くと、ありますね、
 “陰謀本”のコーナーが。

 ○○事件は△△の陰謀である、
 ××の黒幕は◆◆だ!
 といった、社会の動きを“策略の因果”として捉えてしまう書物が。

「うむッ、ありまスねッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:派手な表紙の!)

 この御本で著者・海野さんは
 冷静に、《陰謀の歴史》を考察してゆきます。

 徒党を組んではかりごとを巡らせる人たち――
 いわゆる《秘密結社》なるモノは
 いつから存在したのだろう?
 (本当にある、んだろうか?)

 《秘密》なんだから人に知られるはずがないモノが、
 どうして世に広まってしまったんだろう?

「そういわれればァ~」
「ぐるるるっ?」(←訳:そうだねっ?)

 陰謀論多数ある中で最もポピュラーなのは
 フリーメイソンとテンプル騎士団と薔薇十字団だろうか、と
 海野さんは御本の本分冒頭で記しています。

 十字軍の歴史、それはすなわち、西洋宗教史のメインストリーム。
 キリスト教の拡大と変遷の歴史である、とも言えます。

 聖地巡礼が盛んになるにつれ、
 肥大してゆくテンプル騎士団。
 しかし、繁栄した組織は、やがて崩壊する……

「へいけものがたりィ、みたいィ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:盛者必衰の理です!)

 滅びてしまったモノを、
 偲び、惜しむのは、人間の悪い(良い?)クセでしょうか。

 19世紀末に流行ったオカルティズムや心霊主義。
 ナチスが利用した古代神話。
 財閥による世界支配論。
 ニューエイジ、カルト、反カルト。

 そこに何もなくとも、
 人間の目は関連性を探してしまう。
 偶然よりも必然を求めてしまう。

 ヒトが、《見たい》と思っているモノの歴史。

 著者・海野さんが静かに睨み据えているのは、
 そういった“陰謀への欲望”、
 “願望の歴史”です。

「どこまでェ、ほんとうなのかァ?」
「ぐるがるるぐるるるる!」(←訳:もう誰にも分からない!)

 私ネーさ的には、
 W・B・イェイツさんについての章、
 ユングさんについての章が面白かったです♪
 フロイトさんとユングさんの対立構造がようやく解った!と
 感心させられました。

 ちょっとヘヴィな、
 陰謀なんてモノに興味がない方々には???な御本ですが、
 歴史大好きな活字マニアさんには
 おすすめですよ。

 
「おうごんをォ、つくりだそうッ!」
「がるるぐるるがる!」(←訳:魔法でチチンプイ!)

 魔法学校も一種の秘密結社ですね。
 錬金術好きな御方も、一読してみてくださいな♪



コメント
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