テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

判決主文が待ち遠しい?

2014-11-17 21:30:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えへんッ! しょくんッ、おしずかにィ!」
「がるる!ぐるぐる~!」(←訳:虎です!謹聴です~!)

 こんにちは、ネーさです。
 さあ、緊張高まる法廷から本日の読書タイムをお送りしますよ。
 活字マニアの皆さま、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― 判決はCMのあとで ――



 著者は青柳碧人(あおやぎ・あいと)さん、
 単行本は2012年に、画像の文庫版は2014年9月に発行されました。
 『ストロベリー・マーキュリー殺人事件』と副題が付されています。

「あにめッぽいィ~ひょうしィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:奇妙な題名!)

 そうね、一見したところ、
 ライトノベルかな?と思う御方もおられるでしょうか。

 その印象を裏付けるかのように、
 御本冒頭の『主な登場人物』表には
 なんともキテレツな名前やプロフィールが並んでいます。

 ……裁判番組のプロデューサー?
 オーストラリア帰りの弁護人?
 裁判員出身のアイドル?
 テレビ公開裁判??

「なんでスかァ、それはァ??」
「がるるぐる?」(←訳:TVで裁判?)

 それは、遠いような、近いような、
 どこかの国での出来事――

 刑事事件の裁判は
 すべて実況中継!

 検察側や弁護側の尋問、
 証人たちの証言、
 裁判長による判決まで、
 全部が全部TVで放送されちゃう世が到来しておりました。

 耳目を集める重大な事件の裁判ともなると、
 もう大変です!
 全国にライブ中継!

 被告の一挙手一投足にツイッターは沸騰、
 カメラが裁判員さんの可愛い顔をアップで映せば、
 メディアで大人気になっちゃう!

「ふァ~? まじでェ?」
「ぐるるるるがるるるる?」(←訳:なさそうでありそうな?)

 そんな風に司法制度が機能する世界に、
 主人公の生野悠太(いくの・ゆうた)さんは暮らしています。

 悠太くんも、
 裁判中継がTVで高い視聴率を稼いでるということは知っていましたが、
 とりたてて自分とは関係もないしなぁ……と、
 醒めた気持ちでおりました。

 《裁判員候補者名簿記載通知》が来るまでは。

 そして、次に、

 《裁判員呼び出し状》も――

「きちゃッたァ?!?」
「がるるるる!」(←訳:どうしよう!)

 よりにもよって、話題性では今年下半期ダントツ、
 最終公判はクリスマスイヴのゴールデンタイム!
 なんていう裁判の裁判員に、
 悠太くんは任命されてしまったのです。

 あたふたする悠太くん。
 司法のルールやらアイドルやらに振り回され、
 世間の好奇心にさらされ……
 さらには押さえ難い疑惑とも格闘する羽目になりました。
 すなわち。

  《真犯人は誰だ?》

「わおゥ! はんにんさがしィ?」
「ぐるるるがる!」(←訳:ミステリだね!)

 SF、ミステリ、恋愛小説、ミュージカル、法廷ドラマ、
 多彩な要素を投げ込んでミックスした
 ハイテンポなフィクションは
 学生さんからオトナな社会人さんまで
 幅広い活字マニアさんにおすすめです。

「わらえてェ、まじめッ!」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:一粒で二度おいしい!)

 巻末の、東川篤哉さんによる解説『解説は本編の前に』も
 楽しすぎる名文なのでお読み逃しなく~♪




コメント
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