「こんにちわァ、テディちゃでス!
おどるゥあほォよりィ~」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!読むアホウ!)
こんにちは、ネーさです。
ええ、そうです、
本日の読書タイムのテーマは、ずばり、《阿呆》。
何だソレ?と思った御方は、はい、こちらを、どうぞ~!
―― バンヴァードの阿房宮 ――
著者はポール・コリンズさん、原著は2001年に、日本語版は2014年8月に発行されました。
英語原題は『BANVARD'S FOLLY Thirteen Tales of People Who Didn't Change the World』、
『世界を変えなかった十三人』と日本語副題が付されています。
「ううゥ~んッ、かうぃそうゥ~…」
「ぐるがるるぐるるる……」(←訳:阿呆なんて呼ばれて……)
世間から、アホやアイツ~!とか言われちゃってるひと。
そうね、アホ(=阿呆=阿房)かもしれません。
でも、最初から最後までアホなのか?
そのひとの人生には、もしかしたら、
栄光の瞬間、
満場の歓声を浴びた輝かしいひとときが
あったのかもしれない――
著者コリンズさんが蒐集し、
この御本に描き込んだのは、
そういった、
《只者》じゃないけれど、
《真の偉人》にはなれなかった人たち、です。
「うんめいのォ、いたすらッ?」
「がるぐっるー?」(←訳:アンラッキー?)
何かが足りず、歴史の狭間に埋もれた彼らは、
例えば、
パノラマ画を利用した見世物の興行主だったり、
台湾人を詐称したホラ吹き男だったり、
空圧で動く地下鉄をNYに作ろう!と思いついた発明家さんだったり、
シェイクスピアの墓を暴こうとした女性だったり。
「とんでもォないィでス!」
「ぐるる!」(←訳:愚行だ!)
私ネーさがいっちばん笑ってしまったのは、
『ロミオに障害を捧げて』という章で紹介された
ロバート・コーツなる人物のお話。
それは1809年2月9日のこと、
英国のバース劇場で行われた『ロミオとジュリエット』に
観客さんたちは度胆を抜かれたのでした。
「なななッなにィでスかッ、あれはッ?」
「がる~っ!」(←訳:うそ~っ!)
スカイブルーのシルクの上着、
赤いパンタロン、
白いモスリンのベスト、
チャールズ二世風の鬘とオペラハット(ダチョウの羽根つき)、
パンタロンと靴のバックルには
ダイヤモンドがきらきらきらっ、と。
読んでいて、私ネーさ、メマイがしてきましたよ。
これがロミオ?
『白鳥の湖』の悪魔ロットバルトじゃないの?
いえ、そのころ『白鳥の湖』はまだ上演されてませんけど。
「それにィしてもォ~…」
「ぐるがるるる~」(←訳:派手だよねえ~…)
あまりにもあんまりなロミオを前にして、
全観客は怒り狂って席を立った、のでしょうか?
役者さんは舞台から引きずりおろされたのでしょうか?
いえいえ、それが。
結果を申し上げますと、客席は笑いと怒号の渦に包まれた、のです。
呆然自失の者、
大笑いして手をたたく者、
引っ込め~と野次る者。
これは喜劇的な悲劇なのか、
悲劇的な喜劇なのか?
劇場に響く、大喝采――
「……なんというゥかァ、そのゥ~」
「がるぐるる?」(←訳:英国らしい?)
コーツさん演じる奇妙奇天烈なロミオは、
悪評かつ好評。
観たい!という要望が殺到します。
はたして、ロンドンの演劇界でのコーツさん評は?
彼を待つのは、栄光か、凋落か、
それとも……?
「けつまつがァ、ふしぎィ!」
「ぐるるがるる……!」(←訳:もしやこの人……!)
著者・コリンズさんによれば、
《一世を風靡しながらその高みから失墜し、今は忘れ去られた13人》。
けれど、こうして知ってみれば、
忘れがたくもなる13人の挑戦者たち。
ヘンテコで、
問題ばかり起こす子どもみたいで、
それが長所であり短所で。
「ぷふふッ、でスねッ!」
「がるがるっ!」(←訳:くすくすっ!)
誰よりも“生を謳歌した”人びとの伝説を、
活字マニアの皆さま、
手に取ってみてくださいね。
おどるゥあほォよりィ~」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!読むアホウ!)
こんにちは、ネーさです。
ええ、そうです、
本日の読書タイムのテーマは、ずばり、《阿呆》。
何だソレ?と思った御方は、はい、こちらを、どうぞ~!
―― バンヴァードの阿房宮 ――
著者はポール・コリンズさん、原著は2001年に、日本語版は2014年8月に発行されました。
英語原題は『BANVARD'S FOLLY Thirteen Tales of People Who Didn't Change the World』、
『世界を変えなかった十三人』と日本語副題が付されています。
「ううゥ~んッ、かうぃそうゥ~…」
「ぐるがるるぐるるる……」(←訳:阿呆なんて呼ばれて……)
世間から、アホやアイツ~!とか言われちゃってるひと。
そうね、アホ(=阿呆=阿房)かもしれません。
でも、最初から最後までアホなのか?
そのひとの人生には、もしかしたら、
栄光の瞬間、
満場の歓声を浴びた輝かしいひとときが
あったのかもしれない――
著者コリンズさんが蒐集し、
この御本に描き込んだのは、
そういった、
《只者》じゃないけれど、
《真の偉人》にはなれなかった人たち、です。
「うんめいのォ、いたすらッ?」
「がるぐっるー?」(←訳:アンラッキー?)
何かが足りず、歴史の狭間に埋もれた彼らは、
例えば、
パノラマ画を利用した見世物の興行主だったり、
台湾人を詐称したホラ吹き男だったり、
空圧で動く地下鉄をNYに作ろう!と思いついた発明家さんだったり、
シェイクスピアの墓を暴こうとした女性だったり。
「とんでもォないィでス!」
「ぐるる!」(←訳:愚行だ!)
私ネーさがいっちばん笑ってしまったのは、
『ロミオに障害を捧げて』という章で紹介された
ロバート・コーツなる人物のお話。
それは1809年2月9日のこと、
英国のバース劇場で行われた『ロミオとジュリエット』に
観客さんたちは度胆を抜かれたのでした。
「なななッなにィでスかッ、あれはッ?」
「がる~っ!」(←訳:うそ~っ!)
スカイブルーのシルクの上着、
赤いパンタロン、
白いモスリンのベスト、
チャールズ二世風の鬘とオペラハット(ダチョウの羽根つき)、
パンタロンと靴のバックルには
ダイヤモンドがきらきらきらっ、と。
読んでいて、私ネーさ、メマイがしてきましたよ。
これがロミオ?
『白鳥の湖』の悪魔ロットバルトじゃないの?
いえ、そのころ『白鳥の湖』はまだ上演されてませんけど。
「それにィしてもォ~…」
「ぐるがるるる~」(←訳:派手だよねえ~…)
あまりにもあんまりなロミオを前にして、
全観客は怒り狂って席を立った、のでしょうか?
役者さんは舞台から引きずりおろされたのでしょうか?
いえいえ、それが。
結果を申し上げますと、客席は笑いと怒号の渦に包まれた、のです。
呆然自失の者、
大笑いして手をたたく者、
引っ込め~と野次る者。
これは喜劇的な悲劇なのか、
悲劇的な喜劇なのか?
劇場に響く、大喝采――
「……なんというゥかァ、そのゥ~」
「がるぐるる?」(←訳:英国らしい?)
コーツさん演じる奇妙奇天烈なロミオは、
悪評かつ好評。
観たい!という要望が殺到します。
はたして、ロンドンの演劇界でのコーツさん評は?
彼を待つのは、栄光か、凋落か、
それとも……?
「けつまつがァ、ふしぎィ!」
「ぐるるがるる……!」(←訳:もしやこの人……!)
著者・コリンズさんによれば、
《一世を風靡しながらその高みから失墜し、今は忘れ去られた13人》。
けれど、こうして知ってみれば、
忘れがたくもなる13人の挑戦者たち。
ヘンテコで、
問題ばかり起こす子どもみたいで、
それが長所であり短所で。
「ぷふふッ、でスねッ!」
「がるがるっ!」(←訳:くすくすっ!)
誰よりも“生を謳歌した”人びとの伝説を、
活字マニアの皆さま、
手に取ってみてくださいね。