テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

バッタと、デュエル!

2018-08-05 22:16:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゃくねつのォ、おまつりィ~でしたでス!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!ある意味伝説!)

 こんにちは、ネーさです。
 あまりにも暑過ぎるため、
 幾つかのイベントが中止されてしまった八王子まつり……
 どうか来年はみんなが心地よく楽しめますように、
 日本に、世界中に“平均的な夏”が訪れますように、と
 全力で祈願しながら、
 本日の読書タイムは……
 あらったいへん、
 熱い研究者さんによる熱いノンフィクションだわ!
 皆さま、冷却シートを額に貼って、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



        ―― バッタを倒しにアフリカへ ――



 著者は前野ウルド浩太郎さん、2017年5月に発行されました。
 えーと、御本の裏表紙には、
 『ホントはバッタに喰われにアフリカへ』と記載されておりますが……?

「ふァ~? あふりかァ!」
「ぐるがるるるぐる!」(←訳:またアツい所だね!)

 あっつ~いアフリカ大陸へ、
 著者・前野さんは何をしに行くのか。

 御本の表紙写真を見れば見当がつくやもしれません、
 ええ、日焼けのためじゃなくてね、
 コスプレをしに行くのです!

 そう、非常に深い意義を持つコスプレのために。

「ううゥ? ばッたのォ、ふりィをするゥためッ?」
「がるるぐるるる?」(←訳:笑いを取るため?)

 前野さんの研究対象は、
 バッタ。

 バッタについての知識を貯え、論じ、
 研究論文を書いて博士号を得ても、
 或る日、ふと気付いたのは。

 日本では
 ほとんどバッタによる被害がない。

 つまり、バッタ研究の必要性も低い――

「むむゥ~、それは~…」
「ぐるるるるるるがるるるるる?」(←訳:嬉しくもあり悲しくもあり?)

 ならば、と。

 意を決した前野さん、
 “本場”へ赴くことにいたしました。

 バッタによる被害の、本場。
 それはアフリカ大陸。
 そしてアフリカの西の端、
 大西洋に面する
 モーリタニア・イスラム共和国で、
 バッタに被害を受けた土地をこの眼で見、
 この手で触れて、
 バッタ研究を究め、
 もちろんバッタ対策をも確立させてやろうじゃないか!

「おおッ! きゃッこいいィ!」
「がるる!」(←訳:やるね!)

 なれど。

 前野さんのアフリカ到着を待っていたのは。

 バッタなし、の報。

「えッ? なしィ??」
「ぐっるがるるる?」(←訳:バッタいないの?)

 モーリタリニアでは、
 前野さんの研究に協力してくれる機関もあり、
 人間関係にも恵まれていたのですが、
 いかんせん、バッタなしでは
 研究データを得られません。

 そして、困っている前野さんに、
 またしても凶報が。

 ……収入が、ゼロに……。

「だだだッ、だいィぴんちィ!」
「ががががるるるる?」(←訳:どどどどうするの?)

 起死回生の手立てはあるのでしょうか。
 前野さんに、明るい明日は来るのでしょうか。

 何より、子どもの頃から前野さんが望んで止まなかった
 バッタとの直接対決は?

「がんばれッ、まえのさんッ!」
「ぐるるるるー!」(←訳:負けないでー!)

 冗談めかした、飄々たる語り口。
 自虐も辞さない、しなやかな視線と分析。
 それでいて、秘めた覚悟の強さ。

 喰うか、喰われるか。
 屈するか、立ち向かうか。

 前野さんと、
 すべての《研究者》さんたちを応援したくなる
 破調破格のノンフィクション作品、
 どうか皆さま、ぜひ一読を♪

 
コメント
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