テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

楽園を探して。

2018-08-26 22:00:15 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いッきにィ~やまッ?」
「がるる!ぐるがるぅ!」(←訳:虎です!急坂だよぅ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ2018は、
 第1ステージの平坦なコースから、
 登りと下りが重なる難しいコースへと変化します。
 これはちょっと誰が上位になるのか予想できませんね。
 では、レース結果がスペインから届くまでの間は、
 読書タイムと参りましょう♫
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



        ―― “世界の果て”の物語 ――



 著者はドミニク・ラニさん、絵はキャサリン・ドゥリング=フロジェさん、
 原著は2015年に、日本語版は2018年7月に発行されました。
 英語題名は『ATLAS OF IMAGINARY LANS』、
 『地上の楽園をめざした34の冒険譚』と日本語副題が付されています。

 世界の果てに在る地上の楽園――

 って、私たち日本人にとっては、
 なんていうか、思わず苦笑いしちゃいそうなフレーズ、ですけど……。

「それはァ、じぱんぐゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:極東の夢の島!)

 かつて、地図が空白だらけだった頃。

 冒険家さんと、
 冒険家さんのスポンサーたる王族や富豪を動かしたのは、
 まさにそんな“世界の果て”にあると伝えられる理想郷や、
 黄金の国でした。

 この御本では、
 ヨーロッパ、
 アジア、
 アフリカ、
 アメリカ、
 南極地方、
 辺境の地、
 と、エリアごとに分けて
 冒険者たちの心を捉えてやまなかった
 《伝説の地》34ヶ所が紹介されています。

「じつざいのォ、ばしょもォ~」
「がるぐるるがるる!」(←訳:幻の場所もあるよ!)

 地球上にちゃんと存在はしていても、
 遠い都会の人々へは
 誇張され、誤解されて伝わってしまったのは、
 例えば、
 ムガール帝国。

 東方の三博士はムガール王国から来たとされ、
 宝石があふれる素晴らしい土地には
 フェニックスやユニコーンが住んでいる――

「すんでェないィでス!」
「ぐるるがるるるぐるるる!」(←訳:宝石は出なくもないけど!)

 逆に、伝説だと思われていたのが、
 あったじゃないの、ここに!
 というパターンは、トロイ、ですね。

 1870年、ドイツ人実業家ハインリヒ・シュリーマンさんは、
 ダーダネルス海峡西端の丘で遺跡を発見し、
 確信します。

 こここそ、神話の地……!

「だいィはッけんッ!」
「がるるぐっる!」(←訳:苦労が実った!)

 そして、いまだ人々を惹きつける謎の王国――
 
 エル・ドラド。

 本文106ページで解説されている
 黄金の国の伝説は、
 まだ終息してはいないんですね。
 
 広大な南アメリカ大陸の密林、
 その樹々と泥の下に、
 《金箔の男=エル・ドラド》の都市が
 誰かに見つけ出されるのを
 待っているのかもしれない……?

「ろまんッ、なのでス~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:全探検家の野望!)

 どこかにあるはずの、
 地上の楽園。

 楽園の幻影に振り回される者と、
 幻影を信じて船出する者と、
 幻影の真実――

 ノンフィクション作品ではありますが、
 フィクション好きな方々も
 きっと楽しめる一冊です。
 地図好きな御方にもおすすめですので、
 本屋さんで見かけたら、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♪
コメント
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