テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 大使の、ニッポン旅 ~

2018-08-06 22:47:52 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでッス!
 ひゃァッ! ていでんッ!」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!雷鳴がぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ゲリラ豪雨が原因と思われる停電により、
 プチパニック状態の我が家でしたが、
 なんとか電気が復旧、PCも復活しましたので、
 少々時間が遅くなっても、
 はい、やります読書タイム!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― ポール・クローデルの日本 ――



 著者は中條忍(ちゅうじょう・しのぶ)さん、
 2018年1月に発行されました。
 『《詩人大使》が見た大正』と副題が付されています。

 ポール・クローデルさん(1868~1955)

 と耳にして、
 文学好きな御方は、

  ああ、あの詩人の!

 アート好きな御方は、

  ああ、カミーユさんの弟さんね!

 と、それぞれに思い当ることでしょうか。
 私ネーさは、ロダンさんの恋人にして弟子でもあった
 マキーユ・クローデルさん(1864~1943)を
 先ず連想いたしましたよ。

「きょうだいィそろッてェ~」
「ぐーるぅるる!」(←訳:アーティスト!)

 この御本では、
 カミーユさんについての言及も多々ありますけれど、
 “主役”は、もちろん、
 弟のポールさん。

 ポールさんが生まれたのは、
 華やかなパリとは対照的な寒村であった、と
 著者・中條さんは述べています。

「いわゆるゥ、いなかッ?」
「がるるるぐるる!」(←訳:田舎からパリへ!)

 ポールさんが日本に興味を持ったのは
 姉のカミーユさんに影響されて、
 のことだったとか。

 カミーユさんは音楽家ドビュッシーさんに
 葛飾北斎さんの『北斎漫画』を紹介し、
 おそらくはポールさんも
 同じようにして極東の島国へと
 目を向けたのでしょう――

 未だ見ぬ遠い異国。

 いったいどんなところだろう?

「じゃァ、きちゃえばッ?」
「ぐるる!」(←訳:日本へ!)

 外交官試験を受けた後、
 中国での勤務のかたわら、
 ポールさんが初来日を遂げたのは
 1898年5月のこと。

 そして1921年、
 ポールさんは大使に任命されます。

 在東京の、フランス大使に。

「いちりゅうゥがいこうかんのしるしィ、なのでス!」
「がるるぐる!」(←訳)新大使誕生!)

 《東洋という大きな書物》を
 読み、
 学ぶために、
 海を越えて、日本へ。

 この御本は、
 外交官ポール・クローデルさんの半生を追いつつ、
 また、当時のアートシーン最先端をゆく
 詩人・文学者としてのポールさんにも着目する
 評伝作品でもあり、
 大正時代の日本を
 ポールさんの視点からつぶさに眺めた
 一種の旅行記であるとも言えましょうか。

「くわしくゥ、しらべあげェましたでス!」
「ぐーるるるるがるる!」(←訳:ポールさんの足取り!)

 20世紀の、
 変わりつつあるフランス、
 変わりゆく日本。

 歴史好きな御方に、
 アート好きさんにももちろんおすすめですよ。
 ぜひ、一読を♪
 
 
 
 
 

 
コメント
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