テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 書物の旅路 ―

2018-08-28 22:11:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、せんせんきょうきょゥッ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!雷に大雨~!)

 こんにちは、ネーさです。
 えーと、こうしてキーボードを打っている瞬間にも、
 遠くの方でゴロゴロという音が聴こえるような……
 いえ、気のせい、きっと気のせいですわね。
 戸締まりを確かめたら、
 さあ、ココロを落ち着かせて読書タイムですよ♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



  ―― モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 ――



 著者は内田洋子(うちだ・ようこ)さん、2018年4月に発行されました。
 いかがです、この題名は?
 活字マニアを自認なさる方々の頭脳が
 ぐぐ~んと活性化しそうなワードがみっしり!じゃありませんか♪

「ちいさなァ、むらのォ??」
「ぐるるがるるる?」(←訳:旅する本屋さん?)

 しかも、そこはトスカーナ――
 美しい国イタリアの、美しい田園地帯が舞台、
 そう聞かされると期待はいやが上にも高まります。

 おっと、いけない、
 お話は順序良く進めましょう。
 “本屋さんの物語”を
 著者・内田さんが最初に耳にしたのは、
 ヴェネツィアの古書店さんで、でした。

「みずのォみやこォ~♪」
「がるるぐるるるるがる!」(←訳:運河とゴンドラの都市!)

 かつてヴェネツィア共和国の首都であった、
 アドリア海に面した都市ヴェネツィア。

 お仕事に都合がよいから、と
 著者・内田さんは北イタリアの大都市ミラノに
 暮らしていたのですが、
 縁あってヴェネツィアに住むことになりました。

 水の都に於ける移動手段は、
 車が使えませんからね、
 水上バスか徒歩しかありません。
 となれば、重い荷物を持ち歩くのは
 どうもちょっと、と尻込みしたくなりますが。

 ここに、重いモノでも
 さくさくっと売り捌けてしまうお店がある……?

「まさかァ、それがァ??」
「ぐるがる??」(←訳:本屋さん??)

 《ベルトーニ書店》さんで扱うのは、
 すべて、ヴェネツィア関連か美術の古書。

 その素晴らしい品揃えにすっかり魅せられ、
 足繁く通ううち、
 内田さんは店主のアルベルトさん、
 アルベルトさんのお父さんとも
 言葉を交わすようになり、知ったのです。

 店主さんの先祖は皆、
 古本を売りに歩いて生計を立てていたのだ、と。

 父祖の出処は、
 モンテレッジォ村――

 紙の産地ではなく、
 印刷所もないけれど、
 でも、村の稼業は本を売ること。

「むむむゥ! しんじがたいィのでス!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:不思議な村だねえ!)

 謎かけのような
 “本売り村”の存在は、
 内田さんの好奇心を掻き立てます。

 その村は、トスカーナのどこにあるのだろう?
 どうやって行けばいい?

「あわわゥ、それがァなかなかァ~」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:タイヘンなんだよう!)

 本の村を探しに、
 本を売る旅人を探しに、
 内田さんもまた旅に出発しますが、
 その旅の、ゆくすえは……?

「しィーッ! ひみつゥでスよゥ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:読んでのお楽しみ!)

 ええ、この御本はノンフィクション作品です。
 けれど、一級のミステリにも負けないミステリアスな旅路は、
 どうか読み手の皆さまが
 御自身で辿ってみてくださいね。

 活字マニアさんに、
 愛書家さんに、
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ!!
 
 
コメント
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