テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

尾根の空から。

2018-08-17 22:11:45 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 むむッ! ネーさがァ、おちこんでまスゥ!」
「がるる!ぐっるるがるるる!」(←訳:虎です!がっくり来てるよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、もう落ち込みまくってます……
 私ネーさの大大大好きなサッカー選手さんが
 移籍することになってしまいました……
 ああ、悲し過ぎて寂し過ぎて目の前が真っ暗ですが、
 こんな時こそ読書に活路を求めましょう。
 という訳で、
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



      ―― 日航機123便墜落 最後の証言 ――



 著者は堀越豊裕(ほりこし・とよひろ)さん、2018年7月に発行されました。
 前回記事と同様にノンフィクションジャンルの作品ですが、
 題名からもお分かりのように、
 主題となっているのは、
 日航ジャンボ機墜落事故――

「もうゥ、さんじゅうさんねんもォまえッ??」
「ぐるっるる……」(←訳:夏だったよね……)

 航空史上でも稀な、悲惨な出来事は、
 その衝撃が強かったせいでしょうか、
 いまなお関連書籍が
 幾種も刊行され続けている点からも明らかですけれど、
 私ネーさが驚かされたのは、
 ……撃墜説??
 そ、それって??

「じこじゃァないのッ??」
「がるぐる?」(←訳:事件なの?)

 事故か?
 事件だったのか?
 あの日、いったい何が起きたのか?

 著者・堀越さんは共同通信社に勤めておられたという
 記者さんです。

 米国での特派員生活も長く、
 航空機事故についての知識を有している堀越さんは、
 記者さんらしいアプローチで
 日航機123便墜落事故の調査に
 取り組みました。

 それはつまり、
 多くの人の話を聞く、ということ。

「ふむふむゥ!
 しゅざいのォ、きそォ、なのでス!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:聞けば分かるかも!)

 御本の内容は、
 冒頭の『プロローグ』を経て、

 第一章『御巣鷹という磁場』
 第二章『米紙にもたらされたリーク』
 第三章『ボーイング社の苦衷』
 第四章『消えない撃墜説を検証する』
 第五章『墜落は避けられなかったか』
 第六章『スクープ記者たちの三十三年』、
 
 そして『あとがき』から構成されています。

 いわゆる撃墜説、誤射説に関して言及されているのは
 第四章に於いて。

 著者・堀越さんはこの第四章でも、
 “聞く姿勢”に徹します。

 相手がどんな突拍子もない説を展開しようと、
 まずは聞く。
 耳を傾ける。
 一笑に付してはいけない。
 正否を判断するのは、
 聞いた後でいいのだから。

「れいせいィにィ!」
「がるる!」(←訳:謙虚に!)

 技術的なデータ、検証も、
 堀越さんは疎かにしません。
 日航機のケースだけでなく、
 他の事故のデータ、
 米国連邦航空局の資料に当たり、
 調査委員たちに会い、
 他者の記者さんたちにも会って
 話を聞く――

 どこに、
 誰の話の中に、
 真実はあるのだろう?

「はてしないィぎもんッ!」
「ぐるがる……!」(←訳:霧は深い……!)

 堀越さんが得た結論を、
 ここには敢えて記しません。
 
 結論云々よりもむしろ、
 読み終えてのち、
 こころに残るのは
 喪われてしまった命への無念、
 寂寂たる想い――

 けれど、この出来事を決して忘れぬためにも、
 皆さまどうか、
 ぜひ、一読を。
 
コメント
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