テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

古き佳き、きびしさ。

2018-08-20 22:16:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あれれッ? せみのォこえェがッ??」
「がるる!ぐるるるるる~?」(←訳:虎です!聴こえないよ~?)

 こんにちは、ネーさです。
 涼しい風が吹いたと思ったら、
 急に蝉の声が聴こえなくなってしまいました。
 もう本格的に秋なのかなぁ?と疑いつつ、
 本日はTwitterコミックをお休みし、
 ↓こちらの御本で、さあ、読書タイムを、どうぞ~♪

  



       ―― ホワイト・コテージの殺人 ――



 著者はマージェリー・アリンガムさん、
 原著は1928年に、画像の日本語版は2018年6月に発行されました。
 英語原題は『The White Cottage Mystery』、
 “古き佳き時代の名作”と呼びたい長編ミステリ作品です。

「むかァ~しィなのでェ~」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:テンポが違うねえ!)

 物語の主な舞台は、
 作品が書かれた当時と同じく、
 1920年代の英国南部。

 電話は(ある程度)普及しているし、
 田舎の道路でも車が盛んに行き来しているし、
 鉄道網もしっかりしたものだし、
 あまり現代と変わらないように見えますが。

 ゆったりした、
 牧歌的とさえいえる空気は、
 クラシカルなミステリ特有のものでしょうか。

「でもォ、ゆだんしちゃだめェなのでス!」
「がるるぐるるがるるるる!」(←訳:事件は時代を選ばないよ!)

 そうね、
 事件は時代や国を選ばない……かもしれませんが、
 物語の主人公に選ばれちゃったのは、
 ジェリー・チャロナーくん。

 1920年代初頭の、
 或る秋の夕刻のことでした。

 青年ジェリーくんが車を駆り、
 英国ケント州の
 小さな村へとさしかかったところで、
 美しい女性に出会ったのです。

「てにもつゥ、おもそうッ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:見過ごせません!)

 重たげな手荷物と困っている様子の娘さんを、
 英国紳士たるもの、
 放っておけませんよね。

 ジェリーくんは彼女を車に同乗させ、
 半マイル先だという自宅へ
 送ってゆきますが……

「それがァ、じけんげんばッ!」
「がるるぐる!」(←訳:白い家です!)

 《白亜荘(ホワイトコテージ》の名の通り、
 生垣に囲まれた愛らしい白塗りの家、
 その前でジェリーくんは彼女を降ろします。

 なぜか名残惜しくて、
 もっと一緒にいたかったけれど、
 彼女と別れて間もなく。

 散弾銃の銃声が!

「ゆうがたァなのにィ~!」
「ぐるるがるぐるぅ!」(←訳:狩猟はダメでしょ!)

 ホワイトコテージで何が起きたのか。

 御本の題名が題名ですから、
 何が起きたのかは明らかにせよ、
 誰が?
 なぜ?
 どうやって?

 ジェリーくんは
 著名な捜査官である父W・T・チャロナーさんとともに
 謎の解明に取り組み……

 いえ、本当は、
 車に乗せた美しい娘さんが気になって気になって、
 仕方ないんです。

「どうかァ、かのじょがァ~…」
「がるぐぅがるるるるるるる!」(←訳:犯人じゃありませんように!)

 牧歌的なテンポで、
 ユーモアを織り交ぜつつ、
 それでいて、ときにはハッとさせられるほど厳しく、
 謎の本質に迫るチャロナー警部。

 読了後は
 チャロナー警部を大好きになってしまこと間違いなし!
 でもミステリマニアさんの間では論争必至?な快作を、
 皆さま、ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

コメント
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