テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

どくとるマンボウ、再臨!

2018-08-07 22:10:52 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 どんぶらこッこォ~!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!どんぶらこ!)

 こんにちは、ネーさです。
 あ~あ、また台風なんて……
 昨日の豪雨だけでもう充分なのに~…
 とガッカリしながらも、
 ステキに楽しい御本を手にしたからには、
 さあ、読書タイムですよ♪
 本日は、こちらの大冒険航海記を、どうぞ~!
 
  



       ―― どくとるマンボウ航海記 ――



 著者は北杜夫(きた・もりお)さん、
 文庫版初版は1965年に、画像の改版は2018年6月に発行されました。
 小説家・北杜夫さんが、
 海の男に、いえ、
 船医さんとして過ごした海洋ノンフィクション!です。

「むゥ? ふねのォ、おいしゃさんッ??」
「ぐるっ?がる~…?」(←訳:あれっ?でも~…?)

 そうね、船医さんのイメージっていうと、
 ささやかな風邪の症状から
 緊急の外科手術までやってのける
 マルチなスーパードクター、なんでしょうけれど。

 北杜夫さん、
 本名は斎藤宗吉(さいとう・そうきち)さん、
 この御本を執筆した当時は、
 慶応大学病院医局部の、
 神経科医さんでした。

 いやいやいや、何科の医師でもいい、
 精神科医さんでもいいし、
 なんだったらインターンでもいい!
 とにかく船医を探しているんです!と言うのは、
 水産庁の漁業調査部。

 マグロの新漁場開拓調査船の、
 船医さん募集中、なんです。

「えッ♪ まぐろッ♫」
「がるぐるる♪」(←訳:わあマグロ♪)

 かくして、
 普通なら有り得ないような、

  医局のお医者さんから、
  白衣を身にまとった海の男へ、大変身!

 をすることになった北さん、
 トランクと行李を提げて、
 1958年の11月、
 船上のひととなりました。

 予定では、帰国はまあ、半年くらい先、かしら?

「おおざッぱァ、なのでス!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:アバウトだよね!)

 ええ、高度な魚群探知システムや
 衛星回線電話もスマホもなく、
 テレビ受像機さえ普及していなかった1950年代ですが。

 “白く塗られたなかなか瀟洒な船”
 と北さんが形容する、
 《昭洋丸》が寄港を予定しているのは、

 シンガポール、スエズ、リスボン、
 ハンブルク、ロッテルダム、アントワープ、
 ル・アーブル、ジェノヴァ、
 アレキサンドリヤ、コロンボ――

 どうです?
 行きたくなってきませんか?

「ふァいッ! いきたいィでスゥ!」
「がるるる!」(←訳:大航海だ!)

 旅行記/航海記モノの先駆的存在といえるこの御本は、
 刊行された当時、ベストセラーになりました。
 その魅力は、半世紀以上を経た現在でも
 まったく色褪せていません。

 マグロを探す船の上、
 どうやら自分は船酔い体質ではないらしいと発見し、
 寄港地では物売りに囲まれたり、
 目薬をねだられたり、
 しかし、
 この上なく美しい海、
 怖ろしい海の姿を目の当たりにし、
 南の国では虫や蝶たちとめぐり会う――

「ゆめのようなァ~」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:一生に一度の冒険!)

 ユーモアと笑いに彩られ、
 観察力と博識に裏打ちされた
 最高のノンフィクション作品を、
 未読の御方は、ぜひ!
 前に読んだわ、という御方も
 この改版を機に再び、ぜひ!
 激おすすめの一冊を、
 どうか皆さま、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
コメント
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