テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 毎日を、編む。~

2022-12-18 22:00:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こんやはァ、かまくらどのォ~さいしゅうゥかいィッ!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!M1にW杯決勝!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に、

 M-1の決勝と、W杯決勝戦、ビッグサイトではコミケと、

 話題にこと欠かないな日曜日ですが、

 さあ、読書タイムも断固決行ですよ。

 本日は、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪

  

 

 

 ―― 編めば編むほどわたしはわたしになっていった ――

 

 

 著者は三國万里子(みくに・まりこ)さん、

 2022年9月に発行されました。

 ハンドニットのデザイナーとして知られる著者・三國さんの、

 初エッセイ集です。

 

「ちくちくゥ、でスねッ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:繊細にチクチク!)

 

 御本の表紙写真中央のお人形さんは、

 ええ、ステキな花模様を編み込んだ

 紺色のニットを着ています。

 これは、もちろん、三國さんが編んだもの。

 

 お人形さんの頬の色と、

 ニットに編み込まれた赤い毛糸の色が

 互いに引き立てあっているようで、

 眺めている私たちも嬉しくなってしまいます。

 

「おにあいィ~でスねッ!」

「がるるる!」(←訳:お美しい!)

 

 この御本には、

 三國さんの子ども時代のお話、

 家族旅行の思い出、

 妹さんとケンカしたこと、

 “好きなひと”と出会って、

 幼い息子さんがインフルエンザに罹り……と、

 身の周りの出来事を綴ったエッセイが

 収録されています。

 

 その中でも、やはり、

 硬質とさえいえる

 まばゆい光が感じられるのは、

 ”編む“こと、

 ”作る“ことが描かれている作品でしょうか。

 

 『うさろうさん』は、

 或る骨董市で見つけた

 くたびれたうさぎのぬいぐるみ、のお話。

 

 1910年頃、

 日本で製造され、

 英国に輸出されて、

 そしてまた日本に戻ってきたぬいぐるみは、

 ええ、本当に”くたびれた”状態でしたが……

 

「おねがいィでス!」

「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:直してあげてください!)

 

 解けかかっている刺繍を留め直し、

 裂けた生地を縫い繕ってってゆけば、

 ぬいぐるみは、

 三國さんの手の中で

 生気を取り戻してゆく。

 

 一方、『小さいセーターを編む話』は、

 題名の通り、

 イベントで展示販売することになった

 お人形サイズのスキーセーター制作のエピソードです。

 

 出来上がりは……かわいい。

 かなりかわいい。

 でも、まだ足りない。終わっていない。

 セーターとセットになった

 小さい帽子がなくては。

 

「うひゃッ♪ ますますゥ~」

「がるるぐっるぅる!」(←訳:可愛くなっちゃう!)

 

 編めば編むほど、

 読めば読むほどに、

 行間からやわらかく立ち昇る

 三國さんの“作る姿勢”。

 

 このエッセイ集を読むだけでも

 充分以上に楽しいのですが、

 三國さんの編み物の書籍や、

 ニットの聖地と呼ばれる土地への旅行記なども

 おすすめですよ。

 

 編み物好き!

 エッセイも好き!という活字マニアさんは、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 

コメント
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