「こんにちわッ、テディちゃでス!
こんやはァ、かまくらどのォ~さいしゅうゥかいィッ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!M1にW杯決勝!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に、
M-1の決勝と、W杯決勝戦、ビッグサイトではコミケと、
話題にこと欠かないな日曜日ですが、
さあ、読書タイムも断固決行ですよ。
本日は、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~♪
―― 編めば編むほどわたしはわたしになっていった ――
著者は三國万里子(みくに・まりこ)さん、
2022年9月に発行されました。
ハンドニットのデザイナーとして知られる著者・三國さんの、
初エッセイ集です。
「ちくちくゥ、でスねッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:繊細にチクチク!)
御本の表紙写真中央のお人形さんは、
ええ、ステキな花模様を編み込んだ
紺色のニットを着ています。
これは、もちろん、三國さんが編んだもの。
お人形さんの頬の色と、
ニットに編み込まれた赤い毛糸の色が
互いに引き立てあっているようで、
眺めている私たちも嬉しくなってしまいます。
「おにあいィ~でスねッ!」
「がるるる!」(←訳:お美しい!)
この御本には、
三國さんの子ども時代のお話、
家族旅行の思い出、
妹さんとケンカしたこと、
“好きなひと”と出会って、
幼い息子さんがインフルエンザに罹り……と、
身の周りの出来事を綴ったエッセイが
収録されています。
その中でも、やはり、
硬質とさえいえる
まばゆい光が感じられるのは、
”編む“こと、
”作る“ことが描かれている作品でしょうか。
『うさろうさん』は、
或る骨董市で見つけた
くたびれたうさぎのぬいぐるみ、のお話。
1910年頃、
日本で製造され、
英国に輸出されて、
そしてまた日本に戻ってきたぬいぐるみは、
ええ、本当に”くたびれた”状態でしたが……
「おねがいィでス!」
「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:直してあげてください!)
解けかかっている刺繍を留め直し、
裂けた生地を縫い繕ってってゆけば、
ぬいぐるみは、
三國さんの手の中で
生気を取り戻してゆく。
一方、『小さいセーターを編む話』は、
題名の通り、
イベントで展示販売することになった
お人形サイズのスキーセーター制作のエピソードです。
出来上がりは……かわいい。
かなりかわいい。
でも、まだ足りない。終わっていない。
セーターとセットになった
小さい帽子がなくては。
「うひゃッ♪ ますますゥ~」
「がるるぐっるぅる!」(←訳:可愛くなっちゃう!)
編めば編むほど、
読めば読むほどに、
行間からやわらかく立ち昇る
三國さんの“作る姿勢”。
このエッセイ集を読むだけでも
充分以上に楽しいのですが、
三國さんの編み物の書籍や、
ニットの聖地と呼ばれる土地への旅行記なども
おすすめですよ。
編み物好き!
エッセイも好き!という活字マニアさんは、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪