「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふらんすゥ、きましたでスゥ!」
「がるる!ふるるがる~!(←訳:虎です!祝決勝進出~!)
こんにちは、ネーさです。
2022W杯の決勝カードは、アルゼンチン×フランス!
メッシさんはその手に優勝杯を掲げることになるのか、
それとも……と想いを巡らせつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 怖い家 ――
著者は沖田瑞穂(おきた・みずほ)さん、
2022年8月に発行されました。
『伝承、怪談、ホラーの中の家の神話学』
と副題が付されています。
前回記事で御紹介しました
『ドイツの家と町並み』は、
建築への敬愛が滲む”建てものの本”でしたが、
今回は……
「こッ、こわいィ~のでスかッ」
「ぐるるるぅ!」(←訳:ガクブルぅ!)
《怖い家》とは、
いったいどんな《家》でしょうか。
いえ、その前に、著者・沖田さんは、
御本冒頭の『はじめに』で問いかけています。
《人々にとって、家とは何なのか》
そう、この世には、
人を守ってくれる温かい家もあろう、
また反対に、
人を恐ろしい目に遭わせる家もあろう――
「あッたかいィ~ほうがァいいィでスゥ!」
「がるるるぐるるぅ!」(←訳:怖いのはヤダよぅ!)
本文中で、沖田さんは
さまざまな《怖い家》の例を挙げています。
たとえば、
『マヨヒガ(迷い家)』。
山奥の、黒い門の立派な家には、
牛や馬がたくさんいて、
室内には膳椀が並び、火鉢の炭は熱を持ち、
けれど、だぁれもいない……人の気配がありません。
迷い込んだ訪問者は怖くなって逃げ帰るも、
或る日、富を授ける椀がひとつ流れてきた……
一読したところでは、
訪問者に富貴をもたらす幸運の家、
とも見えるものの、
『マヨヒガ』の真意はどこにあったのか、
と考え始めると、
底知れぬ何かと向き合っているような……?
「やッ、やぱりィ~」
「ぐるるがるる!」(←訳:背中に冷や汗!)
さらに、
沖田さんの指摘によって
ハッとさせられたもうひとつの《怖い家》は、
『ラピュタ』。
世界各地に見出される
”空中都市”の伝説や物語の中で、
私たちがよく知っているのは、
もちろん宮崎駿さんの作品『天空の城ラピュタ』ですね。
『ラピュタ』の空に浮かぶ都市島も
《怖い家》である、と沖田さんは分析します。
莫大な金銀財宝と、
無敵のロボット兵を有し、
地上の国々を支配したラピュタ。
が、そこに”幸福”はあったのかというなら、
王の子孫・ムスカの末路がすべてを語っている……。
「うううゥ、こわいィ~おうちにはァ……」
「がるぐる!」(←訳:接近厳禁!)
屋根があって壁があって、
雨風をしのげるだけの存在、ではない《家》。
そこは、あたたかな、安心できる空間なのか。
荒天から、寒さから、夜の闇から、
住む者を護ってくれるのか。
古代の神話、
文学や、絵画、映画等から探る
《家》とヒトの神話学を、
建築好きさんも歴史好きさんも、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪