テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《家》は、ときに温かく、ときに怖ろしく ~

2022-12-15 22:01:08 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふらんすゥ、きましたでスゥ!」

「がるる!ふるるがる~!(←訳:虎です!祝決勝進出~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2022W杯の決勝カードは、アルゼンチン×フランス!

 メッシさんはその手に優勝杯を掲げることになるのか、

 それとも……と想いを巡らせつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 怖い家 ――

 

 

 著者は沖田瑞穂(おきた・みずほ)さん、

 2022年8月に発行されました。

 『伝承、怪談、ホラーの中の家の神話学』

 と副題が付されています。

 

 前回記事で御紹介しました

 『ドイツの家と町並み』は、

 建築への敬愛が滲む”建てものの本”でしたが、

 今回は……

 

「こッ、こわいィ~のでスかッ」

「ぐるるるぅ!」(←訳:ガクブルぅ!)

 

 《怖い家》とは、

 いったいどんな《家》でしょうか。

 

 いえ、その前に、著者・沖田さんは、

 御本冒頭の『はじめに』で問いかけています。

 

   《人々にとって、家とは何なのか》

 

 そう、この世には、

 人を守ってくれる温かい家もあろう、

 また反対に、

 人を恐ろしい目に遭わせる家もあろう――

 

「あッたかいィ~ほうがァいいィでスゥ!」

「がるるるぐるるぅ!」(←訳:怖いのはヤダよぅ!)

 

 本文中で、沖田さんは

 さまざまな《怖い家》の例を挙げています。

 

 たとえば、

 『マヨヒガ(迷い家)』。

 

 山奥の、黒い門の立派な家には、

 牛や馬がたくさんいて、

 室内には膳椀が並び、火鉢の炭は熱を持ち、

 けれど、だぁれもいない……人の気配がありません。

 迷い込んだ訪問者は怖くなって逃げ帰るも、

 或る日、富を授ける椀がひとつ流れてきた……

 

 一読したところでは、

 訪問者に富貴をもたらす幸運の家、

 とも見えるものの、

 『マヨヒガ』の真意はどこにあったのか、

 と考え始めると、

 底知れぬ何かと向き合っているような……?

 

「やッ、やぱりィ~」

「ぐるるがるる!」(←訳:背中に冷や汗!)

 

 さらに、

 沖田さんの指摘によって

 ハッとさせられたもうひとつの《怖い家》は、

 『ラピュタ』。

 

 世界各地に見出される

 ”空中都市”の伝説や物語の中で、

 私たちがよく知っているのは、

 もちろん宮崎駿さんの作品『天空の城ラピュタ』ですね。

 

 『ラピュタ』の空に浮かぶ都市島も

 《怖い家》である、と沖田さんは分析します。

 

 莫大な金銀財宝と、

 無敵のロボット兵を有し、

 地上の国々を支配したラピュタ。

 

 が、そこに”幸福”はあったのかというなら、

 王の子孫・ムスカの末路がすべてを語っている……。

 

「うううゥ、こわいィ~おうちにはァ……」

「がるぐる!」(←訳:接近厳禁!)

 

 屋根があって壁があって、

 雨風をしのげるだけの存在、ではない《家》。

 

 そこは、あたたかな、安心できる空間なのか。

 荒天から、寒さから、夜の闇から、

 住む者を護ってくれるのか。

 

 古代の神話、

 文学や、絵画、映画等から探る

 《家》とヒトの神話学を、

 建築好きさんも歴史好きさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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