テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名画から、“かご”が囁く ~

2022-12-21 22:17:48 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゆやすみィ~とつにゅうゥ?」

「がるる!ぐるがーるる~!」(←訳:虎です!年末モードだ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 12月も下旬になって、

 学生さんたちは冬休みに入ったのでしょうか。

 そろそろ年越しの準備をしなくちゃね~とため息しつつ、

 さあ、読書タイムもしっかり確保して、

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 名画のかごを編む ――

 

 

 著者は佐々木麗子(ささき・れいこ)さん、

 2022年11月に発行されました。

 『かご作りから画家の暮らしや時代背景に思いをめぐらす』

 と、日本語副題が付されています。

 

「かッ、かごォ??」

「ぐるがる……ぐる!」(←訳:文字通り……かご!)

 

 御本の表紙になっているのは、

 はい、あらためて説明する必要はありませんよね。

 ヨハネス・フェルメールさん作

 『牛乳を注ぐ女』(1660年)。

 

 この名画の主役は、

 もちろん牛乳を注いでいる女性ですが、

 彼女より手前の、

 思いっ切り目立つ場所に描かれているのは、

 そう、かごです。

 

「ぱんかごォ、でスねッ!」

「がっるるるぐるる!」(←訳:キッチンの必需品!)

 

 著者・佐々木さんがこの御本で紹介しているのは、

 名画に登場する様々なかごたち。

 

 フェルメールさんの作品以外にも、

 

 ピーテル・ブリューゲル(父)さんの

 『謝肉祭と四旬節の喧嘩』(1559年)

 

 カラヴァッジョさんの『果物かごを持つ少年』(1595年頃)

 

 ジャン=フランソワ・ミレーさんの『晩鐘』(1557~1559年)

 

 エドゥアール・マネさんの『草上の昼食』(1863年)

 

 など、“かごが描き入れられた絵画”17作品が取り上げられ、

 作品の背景、

 かごに関する解説が掲載されています。

 

「かたちィ~いろいろッ!」

「ぐるるがる!」(←訳:素材も色々!)

 

 フェルメールさんのかごの素材は、藤。

 ミレーさんのかごは、

 クズと、ワラ、イグサなどが使われています。

 紅藤、アケビ、フトイや

 クルミの皮を利用したかごもありますよ。

 

 御本の後半部分には、

 《かごの作り方》のページがありますから、

 腕に覚えあるモノ作り好きな方々は

 チャレンジしてみるのもいいですね♫

 

「どのォかごがァ、いいかなァ~」

「がるるぐる?」(←訳:これはどう?)

 

 かごの存在感が際立っているのは、

 サルバドール・ダリさんの

 『パンかご(恥辱よりは死を!』(1945年)と

 『パンかご』(1926年)。

 

 ダリさんらしくない、とも見える写実的な、

 パンとパンかごを描いた静物画……

 1945年に制作された『パンかご』は

 ダリさんの妻・ガラさんが特に気に入り、

 生涯手放さなかった作品なのだと解説されていて、

 なんだか胸を打たれますね。

 ガラさんは、

 世に知られた派手なシュルレアリスムの大作絵画よりも、

 素朴な小品を選んだ……

 

「うむゥ! いんしょうゥ、かわッちゃうゥのでス!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:不思議なダリ夫妻!)

 

 数百年、

 画布の中央に、

 或いは片隅に、ひっそりと。

 

 アート好きさん&かごマニアさんは必読の一冊です。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

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