テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ コミックで、文章で、『三国志』世界を ~

2022-12-20 22:05:30 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 いつのまにかァ~まふゆゥ??」

「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!霜柱だ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今季初?の霜柱をザクザクと踏むたび、

 暖冬の方がいいんだけどな~とボヤいた朝でした……

 家に帰り着いて身体が温まったら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 横山光輝で読む三国志 ――

 

 

 著者は渡邉義浩(わたなべ・よしひろ)さん、

 2022年3月に発行されました。

 

 前回記事では、最終回を迎えて話題となった

 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』について

 お喋りいたしました。

 『鎌倉殿…』が『吾妻』などの史書や

 『平家物語』他の作品をベースに

 描かれた作品だとするなら、

 古代の中国大陸の戦乱を物語の基盤とした『三国志』を、

 大長編コミック作品に昇華させたのは、

 横山光輝(よこやま・みつてる)さん!

 

「じゃいあんとォ~ろぼッ!」

「ぐるがるる!」(←訳:鉄人28号!)

 

 横山光輝さん(1934~2004)の作風は、

 『伊賀の影丸』『伊賀の忍者 赤影』『鉄人28号』

 『ジャイアントロボ(初期のみ小沢さとるさんと共作)』

 『バビル2世』『魔法使いサリー』『コメットさん』と、

 少年もの、SFもの、少女もの等々、

 とても幅が広いのですけれども、

 代表作として挙げねばならないのは、やはり

 『三国志』ですね。

 

 1971年から1987年にかけ、

 雑誌に掲載された横山さん版『三国志』は、全60巻。

 

 文庫や愛蔵版では全20巻になる

 長大な歴史ロマンコミックは、

 原著『三国志』、

 原作小説の吉川英治さん版『三国志』とも異なる

 独自のアレンジを加えたもので、

 絶大な支持を得ています。

 

「めいばめんッ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:名セリフずらり!)

 

 著者・渡邉さんは、

 横山さん版『三国志』から、

 物語の転換点となるシーンや、

 重要な意味を持つシーン、

 これぞ全編を通しての華!

 と言いたくなるシーンをピックアップし、

 その背景を詳しく解説してゆきます。

 

 例えば、

 あの有名な『赤壁の戦い』――

 諸葛亮孔明さんによる10万本の矢を集める奇策、

 東風が吹くことを読む場面には、

 

   『三国志演義』、

   吉川英治さん版『三国志』に比べると、

   横山さん版『三国志』では、

   魔術を使う諸葛亮像が否定され、

   人智による天象予測となっている。

 

 と、キャプションが付されています。

 

 つまり、

 魔術ではなく知力を揮う孔明さん、

 という横山さんの造形は、

 とても現代的な解釈であるのだと

 示唆しているんですね。

 

「じだいィごとにィ~じわじわッ」

「ぐるがるるるぐる!」(←訳:変化してゆく物語!)

 

 ネタバレ回避のため、

 これ以上のお喋りは控えますが、

 コミックの『三国志』ファンの御方も、

 文章での『三国志』を愛好する方々にも、

 楽しめる一冊です。

 

 本文中には

 写真や地図といった図版資料も収録されていて、

 私ネーさが、おお!と感激したのは、

 220ページの『関羽像』。

 数多い関羽像の中でも

 美しいと評判の像だそうですよ。

 

「おッとこまえェでスゥ!」

「がるるっるぐる!」(←訳:美丈夫って感じ!)

 

 年末年始の読書タイムに、

 『三国志』ファンの皆さま、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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