テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《鬼》の刀剣は、ゆるゆると ~

2022-12-06 21:58:43 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぐッじょぶゥ~でしたでスゥ!」

「がるる!ぐるるるるがる~!」(←訳:虎です!ワンダフルだよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 サッカー日本代表チームの

 全選手さん&全スタッフさん、ありがとう!

 感謝と激励の拍手を心ゆくまで送ったら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 日本鬼文学名作選 ――

 

 

 編者は東雅夫(ひがし・まさお)さん、

 2022年8月に発行されました。

 『Oni Fantasy』と英語題名が付されています。

 

 はい、以前にご紹介しました

 東雅夫さん編『吸血鬼文学名作選』の

 姉妹編ともいえる『鬼文学』の名作選が

 やって来ましたよ。

 

 《鬼》――

 日本の文学、いえ、日本文化に於いては

 重要なモチーフですね。

 

「あかおにィ、あおおにィ!」

「ぐるる!がるぐる~!」(←訳:羅生門!酒呑童子~!)

 

 この御本には、

 さまざまな作家さんによるさまざまな《鬼》のお話が

 収録されていますが、

 オープニングを飾るのは、

 芥川龍之介さん著『桃太郎』。

 

 あら?『羅生門』じゃないんだ?

 と私ネーさ、ちょっと意表を衝かれましたものの……

 《鬼》の視点からあらためて読んでみれば、

 ええ、完全に納得です。

 

 芥川さんが描いた桃太郎像の、

 なんたる《鬼》っぷり!

 

「これはァ、こわいィでスゥ!」

「がるるるる~…!」(←訳:呪われそう~…!)

 

 芥川さんの『桃太郎』を読んだ後では、

 霧島ケイさん著『鬼の実』の《鬼》さんに

 可愛らしささえ感じられます。

 

 そして、

 菊地秀幸さん著『大江山異聞 鬼童子(きどうじ)』では、

 正統派王朝伝奇譚が、

 野坂昭如さん著『酒呑童子(お伽草子より)』では、

 古典に則ったかのような

 《鬼》退治が展開されますよ。

 

「おややッ? これはッ!」

「ぐるがる?」(←訳:名刀登場?)

 

 編者・東雅夫さんの原文翻刻、

 加門七海さんの現代語訳による

 『平家物語(剣巻)』で語られるのは、

 源家代々に重用される剣の伝説です。

 

 《髭切(ひげきり)》と

 《膝丸(ひざまる)》。

 

 持ち主によって、

 あるいは状況によって

 刻々と名を変えてゆく

 二振りの剣が織り成す

 “希代の不思議“とは――

 

「かまくらどのもォ、とうじょうゥ!」

「がるるぐるるがる~…」(←訳:歴史のロマンだね~…)

 

 加門七海さんと霧島ケイさんの対談

 『桃太郎なんて嫌いです。』、

 巻末の編者解説も、

 たっぷり読み応えある

 《鬼》尽くしのアンソロジーは、

 歴史好きな方々に、

 ファンタジー好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

  

 

コメント
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