「こんにちわッ、テディちゃでス!
きれいなァまんげつゥ~でしたでス!」
「がるる!ぐるるっる~!」(←訳:虎です!明るかった~!)
こんにちは、ネーさです。
昨日12月8日の”2022年最後の満月“は、
空気が乾燥しているからでしょうか、
冴え冴えと美しいお姿でしたね。
来年のお月さまにウサギさんは……と空想しながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 本の幽霊 ――
著者は西崎憲(にしざき・けん)さん、
2022年9月に発行されました。
『GHOST of a BOOK』と英語題名が付されています。
作家、翻訳家、アンソロジスト、編集者、ミュージシャン……と
多様なジャンルで活躍する
著者・西崎憲さん。
この御本には、
《本にまつわる短篇》6作品が収録されていますよ。
「でざいんッ、いいィ~かんじィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:レトロな箔文字!)
古い洋書を参考にしたのか、
表紙のイラストや文字、
全体の装丁がとてもクラシカルでノスタルジックだと
申せましょうか。
そして、
表題作品『本の幽霊』も
実に優雅でレトロスペクティブ!
「むむッ? ゆうれいィ??」
「がるる……ぐるーるるるっ?」(←訳:これは……ホラーですかっ?)
『本の幽霊』。
それは、比喩ではなく、
本物の幽霊のお話、です。
まだネット古書店などというものはなく、
海外の古書店さんと取引する場合は、
郵便でやり取りするしか方法がない、という
二十数年前のこと。
語り手の『ぼく』は
送られてきた古書店さんのカタログに
“ずっと探していた短篇集”を発見します。
これだ!
どうか売れていませんように、と祈りつつ、
さっそく送金の手続きをしました。
「くるかなッくるかなッ?」
「ぐるるがるるる!」(←訳:来るといいねえ!)
ひと月半かふた月ほどが経過して、
『ぼく』のもとに
配達されてきた小包。
その中に、
『ぼく』が欲しくて堪らなかったあの《本》は……
「あッたァ!」
「がっるる!」(←訳:やったね!)
ところが。
ふと気付けば、
あの《本》、
“ずっと読みたかった短篇集”は……?
「あれッ?」
「ぐるる?」(←訳:あれれ?)
「もしやッ??」
あの《本》は、いったい……?
本好きの『ぼく』、
本を愛する彼だからこそ体験し得た
”ゴーストストーリー”は、
すべての書物愛好家さんの夢、でしょうか。
鮮烈な余韻を残す
『本の幽霊』に始まり、
『あかるい冬の窓』
『ふゆのほん』
『砂嘴の上の図書館』
『縦むすびのほどきかた』
『三田さん』と連なる
《本にまつわる》物語たちは、
ミステリ好きな方々に、
幻想小説好きな方々にもおすすめですよ。
《本》――紙の書物を愛する
活字マニアの皆さまは、
ぜひ、心ゆくまで堪能してくださいね♪