テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ひそやかに《本》を語る。 ~

2022-12-09 22:01:46 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きれいなァまんげつゥ~でしたでス!」

「がるる!ぐるるっる~!」(←訳:虎です!明るかった~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日12月8日の”2022年最後の満月“は、

 空気が乾燥しているからでしょうか、

 冴え冴えと美しいお姿でしたね。

 来年のお月さまにウサギさんは……と空想しながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 本の幽霊 ――

 

 

 著者は西崎憲(にしざき・けん)さん、

 2022年9月に発行されました。

 『GHOST of a BOOK』と英語題名が付されています。

 

 作家、翻訳家、アンソロジスト、編集者、ミュージシャン……と

 多様なジャンルで活躍する

 著者・西崎憲さん。

 

 この御本には、

 《本にまつわる短篇》6作品が収録されていますよ。

 

「でざいんッ、いいィ~かんじィ!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:レトロな箔文字!)

 

 古い洋書を参考にしたのか、

 表紙のイラストや文字、

 全体の装丁がとてもクラシカルでノスタルジックだと

 申せましょうか。

 

 そして、

 表題作品『本の幽霊』も

 実に優雅でレトロスペクティブ!

 

「むむッ? ゆうれいィ??」

「がるる……ぐるーるるるっ?」(←訳:これは……ホラーですかっ?)

 

 『本の幽霊』。

 

 それは、比喩ではなく、

 本物の幽霊のお話、です。

 

 まだネット古書店などというものはなく、

 海外の古書店さんと取引する場合は、

 郵便でやり取りするしか方法がない、という

 二十数年前のこと。

 

 語り手の『ぼく』は

 送られてきた古書店さんのカタログに

 “ずっと探していた短篇集”を発見します。

 

 これだ!

 どうか売れていませんように、と祈りつつ、

 さっそく送金の手続きをしました。

 

「くるかなッくるかなッ?」

「ぐるるがるるる!」(←訳:来るといいねえ!)

 

 ひと月半かふた月ほどが経過して、

 『ぼく』のもとに

 配達されてきた小包。

 

 その中に、

 『ぼく』が欲しくて堪らなかったあの《本》は……

 

「あッたァ!」

「がっるる!」(←訳:やったね!)

 

 ところが。

 

 ふと気付けば、

 あの《本》、

 “ずっと読みたかった短篇集”は……?

 

「あれッ?」

「ぐるる?」(←訳:あれれ?)

「もしやッ??」

 

 あの《本》は、いったい……?

 

 本好きの『ぼく』、

 本を愛する彼だからこそ体験し得た

 ”ゴーストストーリー”は、

 すべての書物愛好家さんの夢、でしょうか。

 

 鮮烈な余韻を残す

 『本の幽霊』に始まり、

 『あかるい冬の窓』

 『ふゆのほん』

 『砂嘴の上の図書館』

 『縦むすびのほどきかた』

 『三田さん』と連なる

 《本にまつわる》物語たちは、

 ミステリ好きな方々に、

 幻想小説好きな方々にもおすすめですよ。

 

 《本》――紙の書物を愛する

 活字マニアの皆さまは、

 ぜひ、心ゆくまで堪能してくださいね♪

 

 

 

コメント
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