「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふわわァ! はなやかァ~なのでスゥ!」
「がるる!ぐるーるがる!」(←訳:虎です!スターが大勢!)
こんにちは、ネーさです。
現在開催中のカンヌ映画祭、
俳優さんたちのキラキラなドレスアップ映像がゴージャスですね♪
はたしてパルムドールを獲得するのは……?と見守りつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 怪異相談処 がらくた堂奇譚 ――
著者は沖田円(おきた・えん)さん、
2023年4月に発行されました。
はいっ、ひっさびさにホラー系フィクションの登場ですよ~!
「ほッ、ほほほッ?」
「ぐるーがるるっ」(←訳:ホラーですかっ)
とはいっても、ご安心ください、
やんわり怖いソフトなホラー、と申しましょうか、
ゆるめのオカルト路線、というべきか、
ガクブルに怖くて眠れなくなっちゃうホラー作品ではありませんので、
まずはリラックスして、
”異界”のものがたりを楽しんでみましょう。
ほぉら、見えますか。
世にも怖ろしい……のではなくて、
そこらへんの商店街の端っこにありそうな、
古めかしい雑貨屋さんが。
「……しょうひんッいろいろォ、ありまスねェ~?」
「がるるるるぐるがる~!」(←訳:あり過ぎて目が回る~!)
東京の、都心部からずいぶん離れた古い地区に、
その“お店”はあります。
木造の古民家1階の、
ガラス戸の向こうには、
ありとあらゆる古道具がぎっしり。
そして、
高価な骨董品とはまったくの別物の、
雑多な品々の奥には、
この『がらくた堂』の店主さんが。
「がらくたァ??」
「ぐるるがっるぅる?」(←訳:自分で言っちゃう?)
『がらくた堂』店主の
杠葉伊織(ゆずりは・いおり)さんと、
店員の遊馬悠人(あすま・ゆうと)さん。
ホントは『杠葉古物店』という
立派な店名があるんですけど、
店主さん自ら『がらくた堂』と呼ぶここへ、
古物目当てのお客さんがやって来ることは
滅多にありません。
代わりに、ポツポツと訪れる”客”が求めるのは……
怪異の相談です。
「ひいいィッ……!」
「がるぅ!」(←訳:出たぁ!)
杠葉さんが受ける相談は、
第一話『山彦の家』では、家に起こる怪異。
第二話『少女の箱庭』では、夢のお話。
第三話『深海の目』では、失踪。
と、傾向も内容もそれぞれ、ですけれど、
司法や行政や医学では対応しきれない出来事に、
杠葉さんと遊馬さんはどう応えてゆくのか――
「うむむゥ、たぶんッじゅうようゥなのはァ~…」
「ぐるがる!」(←訳:穏便だね!)
ことを荒立てず、大ごとにせず、
静かに活路を見出して、
”いつもの日常”へとソフトランディングさせる。
すべてを穏やかに修復して、
傷を残さない。
私ネーさが(個人的に)ハマったのは、
第三話『深海の目』です。
深海――海の底から来る怪異は、
多くの作家さんが作品のテーマにしていますが、
『がらくた堂』に迫る海の怪異も
なかなかのパワフルっぷり?
「うむゥ! おなかにィ~ちからをォこめてェ~」
「がるぐるる!」(←訳:逃げ出そう!)
逃げるか、向き合うか。
向き合って戦うのなら……どんな方法で?
怪異と対峙する短編3作品は、
ミステリ好きさんや、
ファンタジー好きな方々におすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪