「こんにちわッ、テディちゃでス!
ひゃッほゥ! かえッてきたァのでス!」
「がるる!ぐぅるるるがっる~!」(←訳:虎です!ウェルカムバック~!)
こんにちは、ネーさです。
いったい何が welcome back かというと……
ええ、活字マニアさんにはお馴染みのあの御方が、
久々に帰ってきました!
という訳で、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― コメンテーター ――
著者は奥田英朗(おくだ・ひでお)さん、
2023年5月に発行されました。
精神科医・伊良部一郎(いらぶ・いちろう)博士を主役とする
人気シリーズが復活!
非常識の塊のようなあのドクターが帰ってきましたよ♫
「まッてましたでスよゥ!」
「ぐるるがるるっる~!」(←訳:お会いしたかった~!)
医学博士・伊良部一郎さん。
伊良部総合病院を経営する伊良部ファミリーの
嫡男(たぶん)でありながら、
言動も行動もスッとぼけちゃってるドクターは、
コロナ禍にもめげず、
今日も楽し気にいそいそと
新品の超ネクタイでおめかししております。
だって、これからTVに出るんだもん。
まあ、リモート出演だけどねー。
「てッ、てれびィ~??」
「がるるぐるるる?」(←訳:伊良部センセが?)
そもそも、番組のディレクターさんが
上司のプロデューサーさんから命じられたのは、
『美人精神科医』だったのでした。
番組がいま必要としているのは
感染症についてコメントしてくれる医療従事者だ!
それも美人の!女医さんで!スタイルも良くて!だぞ!
すぐ見つけて来~い!
「うううッ、ふるいィ~!」
「ぐるるがるるる~…」(←訳:発想が古すぎる~…)
が、どうしたことでしょう。
出演することになったのは、
オッサンで、アザラシのような胴回りのドクター……
つまり、伊良部さん、なんですねえ。
「しんぱいィでスゥ~…」
「がるぐるる~…」(←訳:不安だなあ~…)
禁止用語を連発して放送事故?
抗議と苦情が殺到?
TVの世界に伊良部さんは適合できるのかと
ハラハラしてしまいますが、
結果は…………あら?
「あららッ?」
「ぐるるっ!」(←訳:あははっ!)
クスクス笑いが止まらなくなる表題作品
『コメンテーター』に続き、
『ラジオ体操第2』
『うっかり億万長者』
『ピアノ・レッスン』
『パレード』
と、計5作品が収録されているこの御本で、
私ネーさのおすすめは『ピアノ・レッスン』です。
若きピアニストさんを悩ませる
広場恐怖症――
ああ、わかる、分かります。
SNS風に言うなら”わかりみ”がありすぎて、
他人事とは思えません。
はたして、伊良部ドクターは
どんな治療方針を……?
「わふふふッ!」
「がるるっ!」
はちゃめちゃなんだけど、
理不尽なんだけど、
読めば元気が湧いてくる笑いと智慧のものがたり。
シリーズ前作『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』
『町長選挙』も、もちろん激おすすめですよ。
全活字マニアの皆さま、
伊良部センセのワンダーランドへ、ぜひ~♪