「こんにちわッ、テディちゃでス!
……あいつゥがァ、くるゥ~…!」
「がるる!ぐるるがるる……!」(←訳:虎です!梅雨の気配だ……!)
こんにちは、ネーさです。
庭のあちこちで白と紫のホタルブクロが一斉に咲き始めて、
これは近々梅雨入りのサインですね。
レインシューズはどこだっけ~と探し物をしたあとは、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの絵本作品を、どうぞ~♪
―― ぼくはいったいどこにいるんだ ――
著者はヨシタケシンスケさん、2023年3月に発行されました。
『りんごかもしれない』『あるかしら書店』
『それしかないわけないでしょう』などなど、
数々の人気絵本を世に送り出してきたヨシタケさんの
最新作は……
《地図》がテーマ?
「ちずゥ??」
「ぐる!」(←訳:地図!)
主人公の『ぼく』は困っています。
御本冒頭の、扉のページから既に、
『う~~ん…』と困り果てています。
おかあさんにおつかいをたのまれたんだけど、
あ~…わかんない。
このちず、サッパリわかんない。
右へ行くべきか、それとも左か。
しかめっ面をしているところへ。
「きゅうせいしゅゥ、とうじょうゥ!」
「がるるるるっ!」(←訳:ありがたやっ!)
ゆうくん、どうしたの?
と声を掛けてくれたのは、みーちゃんのママ。
地図の見方が分からなくって、と理由を聞かされ、
みーちゃんのママは。
ちょちょいの、すらすら。
地図に要点を書き足してくれました。
これが功を奏して、
ゆうくんは目的のお店に辿り着き、
無事おつかいをすることが出来たのです。
「ほッ! よかッたでスゥ!」
「ぐるるるがるぐる!」(←訳:おつかい成功だね!)
この体験をもとに、
ゆうくんは考えを巡らせてゆきます――
ちずがあれば、いま じぶんがどこにいるかがわかる。
ちずは、あるとべんりだ。
町の地図だけでなく、
国の地図や世界の地図、太陽系の地図、銀河系の地図、
人体の地図、人間関係の地図……
あ、でも。
むかし、ぼくのおじさんが
みちにまよったときにいってた。
じぶんがいまどこにいるか
わかったら、つまんないじゃん!って。
「おォ~?」
「がるるるぐるるるがるる~!」(←訳:そういう考え方もあるね~!)
地図とは、何か。
地図に、何ができるのか。
『ぼく』こと ゆうくんの思索は、
地図の世界を自由にさまよっているようでいて、
実はとてもとても哲学的です。
誰にでも読み解ける地図。
仲間内でしか読み解けない地図。
自分だけの地図。
数え切れないほどの、さまざまな地図があって、
そして……
この世には、地図を書くのが上手な人間と、
書くのがヘタな人間もいる。
「くすくすッ♫」
「ぐるるっ♪」
地図をたよりに。
でも、あんまり たよりすぎないように。
子どもを対象にした絵本作品、ではありますけれど、
大人にこそ解る深み、
あ~これ分かるわ~地図あるあるだわ~と
大人だからこそクスクスっと笑えちゃうシーンもありますので、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
本屋さんの絵本コーナーで、
ぜひ、探してみてくださいね~♪