テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 地図を、たよりに。 ~

2023-05-26 22:01:07 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ……あいつゥがァ、くるゥ~…!」

「がるる!ぐるるがるる……!」(←訳:虎です!梅雨の気配だ……!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 庭のあちこちで白と紫のホタルブクロが一斉に咲き始めて、

 これは近々梅雨入りのサインですね。

 レインシューズはどこだっけ~と探し物をしたあとは、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの絵本作品を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― ぼくはいったいどこにいるんだ ――

 

 

 著者はヨシタケシンスケさん、2023年3月に発行されました。

 『りんごかもしれない』『あるかしら書店』

 『それしかないわけないでしょう』などなど、

 数々の人気絵本を世に送り出してきたヨシタケさんの

 最新作は……

 

 《地図》がテーマ?

 

「ちずゥ??」

「ぐる!」(←訳:地図!)

 

 主人公の『ぼく』は困っています。

 御本冒頭の、扉のページから既に、

 『う~~ん…』と困り果てています。

 

   おかあさんにおつかいをたのまれたんだけど、

   あ~…わかんない。

   このちず、サッパリわかんない。

 

 右へ行くべきか、それとも左か。

 しかめっ面をしているところへ。

 

「きゅうせいしゅゥ、とうじょうゥ!」

「がるるるるっ!」(←訳:ありがたやっ!)

 

 ゆうくん、どうしたの?

 と声を掛けてくれたのは、みーちゃんのママ。

 地図の見方が分からなくって、と理由を聞かされ、

 みーちゃんのママは。

 

 ちょちょいの、すらすら。

 

 地図に要点を書き足してくれました。

 これが功を奏して、

 ゆうくんは目的のお店に辿り着き、

 無事おつかいをすることが出来たのです。

 

「ほッ! よかッたでスゥ!」

「ぐるるるがるぐる!」(←訳:おつかい成功だね!)

 

 この体験をもとに、

 ゆうくんは考えを巡らせてゆきます――

 

   ちずがあれば、いま じぶんがどこにいるかがわかる。

   ちずは、あるとべんりだ。

 

 町の地図だけでなく、

 国の地図や世界の地図、太陽系の地図、銀河系の地図、

 人体の地図、人間関係の地図……

 

   あ、でも。

   むかし、ぼくのおじさんが

   みちにまよったときにいってた。

 

   じぶんがいまどこにいるか

   わかったら、つまんないじゃん!って。

 

「おォ~?」

「がるるるぐるるるがるる~!」(←訳:そういう考え方もあるね~!)

 

 地図とは、何か。

 地図に、何ができるのか。

 

 『ぼく』こと ゆうくんの思索は、

 地図の世界を自由にさまよっているようでいて、

 実はとてもとても哲学的です。

 誰にでも読み解ける地図。

 仲間内でしか読み解けない地図。

 自分だけの地図。

 数え切れないほどの、さまざまな地図があって、

 そして……

 

 この世には、地図を書くのが上手な人間と、

 書くのがヘタな人間もいる。

 

「くすくすッ♫」

「ぐるるっ♪」

 

 地図をたよりに。

 でも、あんまり たよりすぎないように。

 

 子どもを対象にした絵本作品、ではありますけれど、

 大人にこそ解る深み、

 あ~これ分かるわ~地図あるあるだわ~と

 大人だからこそクスクスっと笑えちゃうシーンもありますので、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 本屋さんの絵本コーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

 

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