テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ “純愛“のクルマたち ~

2023-08-16 22:06:24 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 たいふうゥ~いッかァ、でスかッ?」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!まだまだご用心!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 台風7号はやっと日本海へ抜けて……と思ったら、

 あちこちで豪雨が? ここ東京・多摩エリアにも雨雲が?

 引き続き悪天候に注意しながら、

 さあ、ひっそりと読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― クラシックカー屋一代記 ――

 

 

 著者は涌井清春(わくい・きよはる)さん、

 構成は金子浩久(かねこ・ひろひさ)さん、

 2023年3月に発行されました。

 

 自動車が誕生したのは、140年ほど昔のこと。

 以来、目が回ってしまうような変化を遂げ、

 EVや、自動運転や、

 シェアなどという概念も取り込みつつ、

 これからも進化してゆくのは、

 まず間違いありませんが。

 

 いつの世にも変わらぬ

 《自動車の王さま》といったら?

 

「ふァいッ! それはァ、もッちろんッ!」

「ぐるる~!」(←訳:あの車~!)

 

 《王さまの自動車》にして、《自動車の王さま》。

 

 ええ、そうです、

 英国の国王さまや皇太子さまが

 戴冠式やパレードで使用する車と言えば、

 ロールスロイス。

 

 そしてもう一つ、高級車の代名詞とも言えるのが、

 ベントレー。

 

 著者・涌井さんは、なんと、

 日本一のロールスロイスとベントレーの

 クラシックカーコレクター、なのだそうです。

 

「ふわわァ~……」(←特大のため息)

「がるるぅ~……」(←こちらもため息)

 

 涌井さんはコレクターであり、

 また販売者でもあり、

 ロールスロイスとベントレーの名車をずら~りと並べた

 『ワクイミュージアム』の館長さんでもあります。

 

 この御本では

 ロールスロイスへのこだわりをはじめ、

 日本の自動車販売の歴史や、

 欧米とのクルマ文化の違い、

 クラシックカー愛好家としての心得と矜恃、

 ミュージアム開設までの道程など、

 涌井さんの半生記と

 クルマ愛が語られています。

 

 中でも注目すべきは、

 ミュージアム創設のきっかけになったという、

 1台のベントレーのエピソードでしょうか。

 

 1924年に製造された、ベントレー3リッター

 (シャシーナンバーは653)。

 

 1925~26年、この車を所有したのは、ひとりの日本人でした。

 その日本人の名は、

 白洲次郎さん。

 

「わァおッ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:白洲さんの愛車!)

 

 2003年、

 白洲さんのベントレーが英国に現存する、と聞いた涌井さんは

 驚くとともにさっそく行動に移ります。

 どうか譲ってほしい、と。

 

 オーナーさんはそのベントレーを気に入っていて、

 思い入れも深く、手放すつもりはない、と

 当初は断られましたが、

 説得に次ぐ説得を重ね、

 白洲さんのベントレーは、2004年、ついに日本へ……!

 

「いまもォ、はしれるゥ?」

「がるるる!」(←訳:走れるよ!)

 

 涌井さんを動かすのは、

 文化、歴史、クルマへの敬意、愛。

 そう、投機対象としてではない、

 クルマへの“純愛“。

 

 巻末には、

 涌井さんと、構成を担当した金子さんの楽しい対談も

 収録されています。

 本文と併せて、クルマ好きな方々、

 近代史好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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