「こんにちわッ、テディちゃでス!
たいふうゥ~いッかァ、でスかッ?」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!まだまだご用心!)
こんにちは、ネーさです。
台風7号はやっと日本海へ抜けて……と思ったら、
あちこちで豪雨が? ここ東京・多摩エリアにも雨雲が?
引き続き悪天候に注意しながら、
さあ、ひっそりと読書タイムですよ。
本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪
―― クラシックカー屋一代記 ――
著者は涌井清春(わくい・きよはる)さん、
構成は金子浩久(かねこ・ひろひさ)さん、
2023年3月に発行されました。
自動車が誕生したのは、140年ほど昔のこと。
以来、目が回ってしまうような変化を遂げ、
EVや、自動運転や、
シェアなどという概念も取り込みつつ、
これからも進化してゆくのは、
まず間違いありませんが。
いつの世にも変わらぬ
《自動車の王さま》といったら?
「ふァいッ! それはァ、もッちろんッ!」
「ぐるる~!」(←訳:あの車~!)
《王さまの自動車》にして、《自動車の王さま》。
ええ、そうです、
英国の国王さまや皇太子さまが
戴冠式やパレードで使用する車と言えば、
ロールスロイス。
そしてもう一つ、高級車の代名詞とも言えるのが、
ベントレー。
著者・涌井さんは、なんと、
日本一のロールスロイスとベントレーの
クラシックカーコレクター、なのだそうです。
「ふわわァ~……」(←特大のため息)
「がるるぅ~……」(←こちらもため息)
涌井さんはコレクターであり、
また販売者でもあり、
ロールスロイスとベントレーの名車をずら~りと並べた
『ワクイミュージアム』の館長さんでもあります。
この御本では
ロールスロイスへのこだわりをはじめ、
日本の自動車販売の歴史や、
欧米とのクルマ文化の違い、
クラシックカー愛好家としての心得と矜恃、
ミュージアム開設までの道程など、
涌井さんの半生記と
クルマ愛が語られています。
中でも注目すべきは、
ミュージアム創設のきっかけになったという、
1台のベントレーのエピソードでしょうか。
1924年に製造された、ベントレー3リッター
(シャシーナンバーは653)。
1925~26年、この車を所有したのは、ひとりの日本人でした。
その日本人の名は、
白洲次郎さん。
「わァおッ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:白洲さんの愛車!)
2003年、
白洲さんのベントレーが英国に現存する、と聞いた涌井さんは
驚くとともにさっそく行動に移ります。
どうか譲ってほしい、と。
オーナーさんはそのベントレーを気に入っていて、
思い入れも深く、手放すつもりはない、と
当初は断られましたが、
説得に次ぐ説得を重ね、
白洲さんのベントレーは、2004年、ついに日本へ……!
「いまもォ、はしれるゥ?」
「がるるる!」(←訳:走れるよ!)
涌井さんを動かすのは、
文化、歴史、クルマへの敬意、愛。
そう、投機対象としてではない、
クルマへの“純愛“。
巻末には、
涌井さんと、構成を担当した金子さんの楽しい対談も
収録されています。
本文と併せて、クルマ好きな方々、
近代史好きな活字マニアさんは、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪