「こんにちわッ、テディちゃでス!
どろろろォ~んッ?」
「がるる!ぐぅーるるるる!」(←訳:虎です!ひゅーどろろん!)
こんにちは、ネーさです。
お盆休みはそろそろ終わり、となっても、
行楽地はまだ混雑が続きそうですね。
特にあの、悲鳴が飛び交う人気の施設は……
という訳で、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 英国の幽霊城ミステリー ――
文は織守きょうや(おりもり・きょうや)さん、
イラストは山田佳世子(やまだ・かよこ)さん、
2023年4月に発行されました。
『HAUNTED CASTLES』と英語題名が付されています。
建築の専門誌『建築知識』に連載されていたエッセイを
書籍化したこの御本には、
文章とイラストに加え、城館の間取り図なども
掲載されていますよ。
「うううゥ、りあるゥ~…!」
「ぐるがるる~…」(←訳:迫真だよね~…)
日本と似て、《幽霊大国》である英国。
白い衣の人影が真夜中の回廊に佇み、
何度替えても床材には血の染みが浮き上がり、
空っぽの地下牢から人の話し声が聞こえる……
と、古いお城を舞台とする伝説は少なくありません。
「むしろォ、おおいィでスゥ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:ものすごく多そう!)
洋の東西を問わず、囁かれる《幽霊話》。
ただし。
《幽霊》への向き合い方という点では、
英国と日本は大いに異なっているようです。
目にしたら呪われちゃう、祟られてしまう、
というような恐怖や畏怖はなくて、
退治する、追い払う、ということも無くて、
そっとしておこう、
別に悪さをしないのなら、
と、静かな共存を選んでいるのが英国流であると
著者・織守さんは観察しています。
「ふむむゥ、それはァ、いわゆるゥ~…?」
「ぐるがる?」(←訳:共存共栄?)
かくして、数十年どころか数百年に及ぶ
人と《怪》の共存が
英国では成り立っています。
ハンプトン・コートのグレイレディ。
ハットフィールド・ハウスのエリザベスⅠ世。
ロンドン塔の消えた王子たち。
チリンガム城の拷問部屋では
叫び声が響き、
スコットランドのグラームス城では、
悪魔を相手に賭け事に興じるクロフォード伯爵の
罵り声や、サイコロを振る音も。
「さいころォ??」
「がるるるぐるるがるるぅ~」(←訳:いろんな幽霊がいるなぁ~)
その城の、その土地の、その国の、
過去の歴史を背負って出現する幽霊さんたち。
ウィンザー城、キンボルトン城、
ロンドン島、ハンプトン・コート宮殿、
エディンバラ城、ホーリールードハウス宮殿他、
有名な観光スポットでも、
こんなの当たり前のことよ~と言わんばかりに、
遠慮せずどんどん出現する幽霊さんたちは、
どんな《歴史》の被害者/証言者なのか……。
「なんだかァ、やぱりィ~…!」
「ぐるるっるるるがる??」(←訳:怖くなってきたかも??)
英国史好きな方々に、
建築好きな方々に、
そしてゴーストストーリー好きな方々に
激おすすめの《ゴースト・スポット・ガイド》です。
夏の終わりの読書に、皆さま、ぜひ~♪