テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ちいさな彼女の、豊かな世界 ~

2023-08-21 22:10:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 じかいィよこくにィ~はらはらァでス!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!気になる謎組織!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『どうする家康』を拝見した後は、

 TBS『VIVANT』でまたも手に汗握った日曜の夜でした。

 両ドラマとも次回はどうなっちゃうのかと案じつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― うちのちいさな女中さん ① ――

 

 

 著者は長田佳奈(おさだ・かな)さん、

 2021年9月に発行されました。

 前回記事に続いて、コミック作品のご紹介となりますよ。

 

「しゅじんこうゥはァ、じょちゅうゥさんッ!」

「ぐるがるぐる?」(←訳:今はほぼ死語?)

 

 現在では全くと言っていいほど、

 耳にすることもなくなった“女中さん”という存在。

 

 けれど、

 物語の冒頭には、こうあります――

 

  《女中。

   かつては日本女性の一大職業であり、

   日常の中にその姿は在りました。

   さほど裕福でない家庭でも女中を雇うことは珍しくなく、

   彼女たちはとても身近な存在でした》

 

「そしてェ、きょうもォひとりのォ~」

「がるぐるるるがるる!」(←訳:新人女中さん来たる!)

 

 翻訳家・蓮見令子(はすみ・れいこ)さんは、

 依頼された仕事の仕上げにかかりながら、

 壁の時計を見上げます。

 

 もうすぐ出版社の人が原稿を取りに来る、

 それから、新しく女中さんが来てくれる……って、

 ドアをノックする音がしたので出てみれば。

 えっ? あららっ??

 

「おややッ、おわかいィ?」

「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:ていうか若過ぎるぅ!)

 

 22歳、と聞いていたのに、

 玄関口に立っているのは、

 少女そのままの、ちいさな人影。

 

 ええ、蓮見さんはカン違いをしていたのです。

 最終的に、蓮見さんのお家で働くことになっていたのは、

 野中ハナさん、14歳。

 

 おっと、14歳だからって見くびっちゃいけませんよ。

 掃除、洗濯、炊事、

 家財道具の細々としたお手入れなど、

 ハナさんはパーフェクトにやってのけます。

 

「よかッたァ~!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:ひと安心だねえ!)

 

 働き者で、気が利いて、お料理は上手だし、

 ……でも。

 ハナさん、表情に変化がない点が

 ちょっと心配なんですけど……?

 

「はなちゃんッ、わらッてよゥ!」

「がるるぐるるるぅ!」(←訳:笑顔を見たいよぅ!)

 

 蓮見さんとハナさんが暮らす、

 昭和9年の日本。

 

 文化住宅と、その和洋折衷な室内、

 台所の瓦斯(ガス)に、氷で冷やす冷蔵庫、鏡台など、

 著者・長田さんは緻密に、丁寧に、

 昭和初期の生活を細部まで描いています。

 

 その細密さに、

 そうか、なるほど! !と

 何度も驚いたり感心させられました。

 発見も、学びも、見る愉しみも味わえる快作を、

 マンガ好きな方々はもちろん、

 歴史好きな活字マニアさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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