テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ そのミュージアムは、本館11階。~

2023-08-31 22:07:58 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うううゥ、がんばりィ~ましたでスゥ!」

「がるる!ぐるるっる~…!」(←訳:虎です!乗り切った~…!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 酷暑の7月を耐え、猛暑の8月もどうにか踏ん張って、

 明日からは9月……!

 よくやったぞ!と自分を誉めてあげながら、

 さあ、8月を締めくくる読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 小田急百貨店の展覧会 ――

 

 

 著者は志賀健二郎(しが・けんじろう)さん、

 2022年9月に発行されました。

 『新宿西口の戦後50年』と副題が付されています。

 

「ひゃッかてんのォ、てんらんかいィ!」

「ぐるるっるるる!」(←訳:楽しかったよね!)

 

 お買い物をするオマケにアートを観賞しよう。

 あるいは、

 アート観賞をして、その後はランチやお買い物も。

 

 百貨店でこういった休日の過ごし方ができたのは、

 1980~90年代の頃だったでしょうか。

 

 伊勢丹さん、三越さん、セゾン(旧西武)さん、東武さん、

 そして小田急さんも、

 以前は美術館を運営していて、

 数多くの企画展示が行われていたのです。

 

「ああァ、でもォ~…」

「がるるぐる……」(←訳:景気が減速……)

 

 1991年をピークに、

 百貨店、いえ、日本経済全体に冬の風が吹きつけました。

 経営が厳しくなると、

 真っ先に切り捨てられがちなのは、文化事業です。

 

 小田急百貨店さんでも、2001年秋、

 新宿本館11階の美術館は、静かにその扉を閉じました。

 

「さみしいィでスゥ……」

「ぐるるぅ~…」(←訳:つらいよぅ~…)

 

 著者・志賀さんは、1974年に小田急百貨店さんに入社、

 小田急グランドギャラリーなどを担当されて、

 小田急美術館の館長さんも務め、2006年に退社、

 2006年から2011年は川崎市民ミュージアム館長さん、

 という経歴をお持ちの、

 美術館館長さんの道を歩んできた御方です。

 

 志賀さんはこの御本で、

 新宿の西口で成長と拡大を遂げてきた百貨店が、

 文化事業に意義を見出し、

 美術館を整備していったこと、

 御自身が手掛けた数多の企画展について

 詳細に記してゆきます。

 

 この、展覧会のラインアップというのが、

 小田急さんの場合、とてもユニークで!

 

「いろいろォ、あるのでス!」

「がる~る!」(←訳:幅広~い!)

 

 幻想絵画、報道写真、鉄道、

 超絶技巧の名工さん、インカ帝国、

 高村光太郎さん&智恵子さん、斎藤茂吉さん、

 弘法大師さん、こどもSF、絵本、

 いまではNGに違いない刺青(ほりもの)展なんていう

 アウトサイダーな展示もあったんです。

 

 私ネーさが拝見したのは、

 美術館がクローズする少し前の、

 絵本やイラストレーションの展覧会でした。

 展示内容が充実ぶりが嬉しくて、

 ミュージアムショップで関連書籍を買いまくりましたっけ。

 

「おきにいりィ、だッたのにィ~…」

「ぐるがるるるる……」(←訳:もう無いんだね……)

 

 国立や都立の美術館では創れない、

 エッジの効いた展示。

 美術史の狭間に埋もれてしまった作家さんを発掘し、

 日本ではまだ知られていない作家さんを紹介する、

 挑戦的な企画。

 

 美術館も、小田急百貨店本館さんも(一時的に?)

 新宿の西口から姿を消してしまいましたけれど、

 いまも懐かしく思い出しますよ。

 

 また、読んでいるうちに、

 東京、横浜、名古屋、大阪や京都他、

 日本各地の百貨店さんに幸あれ!

 とエールを送りたくなるノンフィクション作品でもあります。

 百貨店好きな皆さま、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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