「こんにちわッ、テディちゃでス!
きゃゥほうゥ! めぐみのォ、あめェ~ッ♪」
「がるる!ぐっるがっる~!」(←訳:虎です!もっと降って~!)
こんにちは、ネーさです。
今日はちょっと雨模様な東京エリア……
いや、いやいや、水不足解消には足りないぞ?
もっと降っておくれ、と祈りながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫
―― イタリア絵画巡礼 ――
著者はモーリス・ドニさん、
原著は1933年に、日本語版は2023年7月に発行されました。
仏語原題は『Charmes et leçons de l'Italie』、
『芸術の主題をもとめて』と日本語副題が付されています。
著者・ドニさん(1870~1943)は、
19世紀末に結成されたナビ派の
中心的な人物として知られる画家さんです。
『ナビ』とは、ヘブライ語で『予言者』という意味があり、
“印象派とピカソの間で、静かな革命を試みた”
などとも評される画家グループでした。
ナビ派の色調、画面構成からは、
日本美術の影響も感じられますね。
「にんきィ、なのでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:展覧会多し!)
近代絵画を初めて理論的に定義した画家、
ともいわれるモーリス・ドニさんは、
画家さんであると同時に”筆記者“でもあったのでしょう、
紀行文や、
亡くなった後にはドニさんの『日記』が
全3巻で刊行されています。
この御本『イタリア絵画巡礼』の原題は、
『イタリアの魅力と教訓』といった意味合いで、
ドニさん、まさにイタリアの魅力を求めて
都市から都市へと馬車を走らせます。
1921年。まずはシチリアを目指して、
北アフリカのチュニスを発って海を渡り。
ナポリでは……あまり良いことがなかったらしく、
さっさと北上して、永遠の都ローマへ。
もっともっと、とシエナとフィレンツェへ向かい、
騒々しいヴェネツィアや、パドヴァ。
1928~1931年には、またもローマへ。
フィレンツェへも。
「くりかえしィ~だいりょこうゥ!」
「がるぐるるるがるるる!」(←訳:好きなんだねイタリア!)
ラファエロさん、ティントレットさん、
ティツィアーノさん、アンジェリコさん――
巨匠さんたちの作品に時を忘れ、
19世紀のイタリア人はアカデミズムの犠牲者となった、
なんて嘆いたりしながら、
ドニさんが手にするのは、絵筆。
御本の表紙になっているのは、
ドニさんの『フィエーゾレの受胎告知』(1928年)。
まぎれもなく、
ドニさんがイタリア旅行で得た主題から
誕生した作品ですね。
「たびのォ、おもいでッ?」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:イタリアの丘の光!)
ドニさんが旅した、
100年前のイタリア。
100年前の画家さんの息遣いが
文章の中から聴こえてきそうな、
色彩ゆたかな旅を記録した一冊は、
アート好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
また、巻末の、
福島勲さんによる訳者あとがきも必読ですので、
ぜひ~!