「こんにちわッ、テディちゃでス!
ききょうもォ~いのりのひィなのでス!」
「がるる!ぐるがるる……!」(←訳:虎です!遠く長崎へ……!)
こんにちは、ネーさです。
今日は8月9日……
平和がずっと続きますように、
どうかもう災害もありませんようにと祈る一日でした。
ここからはちょっと気持ちを入れ替えて、さあ、読書タイムにいたしましょう。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― マイクロモザイクの世界 ――
著者は岩田依子(いわた・よりこ)さん、
2023年7月に発行されました。
『MICROMOSAICO』とイタリア語題名が付されています。
《マイクロモザイク》とは、
18世紀後半のイタリアに誕生し、
そして20世紀前半には衰退してしまった
モザイクアートの一種で、
この御本では最盛期の《マイクロモザイク》名品が
紹介されているのですけれど……
いやもう、見事です!
「ちいさいィ~!」
「ぐるるがるる!」(←訳:細密画だよね!)
モザイク画の傑作として有名なのは、
アレクサンドロス大王の雄姿を現代に伝える唯一の作品
『イッソスの戦い』(紀元前100年頃)、
或いは、
ポンペイの遺跡や、
3~4世紀のシチリアの建築、
ビザンチン美術に散見される、
床面や壁面を飾る作品でしょうか。
それらの“大掛かり“なモザイクに比べて、
ミクロ単位のモザイク片を使って描かれたものが、
《マイクロモザイク》です。
直径3~5㎝程度の円や楕円形の台の中に、
極小粒なモザイク片を並べて、
造り上げられた図像は、
鳥、花瓶や花束、
遺跡などの風景画、
人物画に、天使も。
「なんというゥ、かんせいどォ!」
「がるるるる……」(←訳:神々しいよ……)
日本の職人さんの超絶技巧にも比すべき
高難易度の細密絵画を制作したのは、
イタリアのモザイク職人さんたち。
そして、
職人さんが作り上げるモザイク画だけでも素晴らしいのに、
モザイク画を収める額、ブローチ風の枠が
金細工や銀細工で作られていたりすると、
ただただ息を飲むばかり……。
「どれもォ、かわいいけどォ~」
「ぐるるがる!」(←訳:これがいい!)
本文83ページには、
グィド・レーニさん作(異説あり)の
『ベアトリーチェ・チェンチ』肖像画が。
その下には、
ラファエッロ・サンテさんの『翼のある2人の天使』が。
「ふううゥ~…」(←溜め息)
「がる~…」(←こちらも溜め息)
この御本には、往時の貴族や富裕層を夢中にさせた
《マイクロモザイク》の名品200点以上が掲載されています。
誕生の背景、技法、制作年代の鑑定等についても、
著者・岩田さんは詳しく解説していますよ。
豆本や七宝など、
ミニチュアなアートが好きな方々には特におすすめの、
必見の一冊です。
《マイクロモザイク》の知識の海へ、
ぜひ、飛び込んでみてくださいね~♪