テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 小さな小さな、《モザイク》の大海へ ~

2023-08-09 22:07:35 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ききょうもォ~いのりのひィなのでス!」

「がるる!ぐるがるる……!」(←訳:虎です!遠く長崎へ……!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日は8月9日……

 平和がずっと続きますように、

 どうかもう災害もありませんようにと祈る一日でした。

 ここからはちょっと気持ちを入れ替えて、さあ、読書タイムにいたしましょう。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― マイクロモザイクの世界 ――

 

 

 著者は岩田依子(いわた・よりこ)さん、

 2023年7月に発行されました。

 『MICROMOSAICO』とイタリア語題名が付されています。

 

 《マイクロモザイク》とは、

 18世紀後半のイタリアに誕生し、

 そして20世紀前半には衰退してしまった

 モザイクアートの一種で、

 この御本では最盛期の《マイクロモザイク》名品が

 紹介されているのですけれど……

 

 いやもう、見事です!

 

「ちいさいィ~!」

「ぐるるがるる!」(←訳:細密画だよね!)

 

 モザイク画の傑作として有名なのは、

 アレクサンドロス大王の雄姿を現代に伝える唯一の作品

 『イッソスの戦い』(紀元前100年頃)、

 或いは、

 ポンペイの遺跡や、

 3~4世紀のシチリアの建築、

 ビザンチン美術に散見される、

 床面や壁面を飾る作品でしょうか。

 

 それらの“大掛かり“なモザイクに比べて、

 ミクロ単位のモザイク片を使って描かれたものが、

 《マイクロモザイク》です。

 

 直径3~5㎝程度の円や楕円形の台の中に、

 極小粒なモザイク片を並べて、

 造り上げられた図像は、

 鳥、花瓶や花束、

 遺跡などの風景画、

 人物画に、天使も。

 

「なんというゥ、かんせいどォ!」

「がるるるる……」(←訳:神々しいよ……)

 

 日本の職人さんの超絶技巧にも比すべき

 高難易度の細密絵画を制作したのは、

 イタリアのモザイク職人さんたち。

 

 そして、

 職人さんが作り上げるモザイク画だけでも素晴らしいのに、

 モザイク画を収める額、ブローチ風の枠が

 金細工や銀細工で作られていたりすると、

 ただただ息を飲むばかり……。

 

「どれもォ、かわいいけどォ~」

「ぐるるがる!」(←訳:これがいい!)

 

 本文83ページには、

 グィド・レーニさん作(異説あり)の

 『ベアトリーチェ・チェンチ』肖像画が。

 

 その下には、

 ラファエッロ・サンテさんの『翼のある2人の天使』が。

 

「ふううゥ~…」(←溜め息)

「がる~…」(←こちらも溜め息)

 

 この御本には、往時の貴族や富裕層を夢中にさせた

 《マイクロモザイク》の名品200点以上が掲載されています。

 誕生の背景、技法、制作年代の鑑定等についても、

 著者・岩田さんは詳しく解説していますよ。

 

 豆本や七宝など、

 ミニチュアなアートが好きな方々には特におすすめの、

 必見の一冊です。

 《マイクロモザイク》の知識の海へ、

 ぜひ、飛び込んでみてくださいね~♪

 

 

コメント
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