「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむゥ! ななおくえんッ!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!すごいね科博~!)
こんにちは、ネーさです。
国立科学博物館を応援するクラファンは目標額を達成し、
総額7億円を超えてなおも拡大の途上、だそうですね。
とりあえずホッと胸をなでおろしながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪
―― 日本史の裏側 ――
著者は河合敦(かわい・あつし)さん、
2023年4月に発行されました。
教科書には載っていないような、
《歴史の裏側》に光を当てるノンフィクション作品です。
「あはァ! わだいにィ~なッてまスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:ど家ネタ!)
ええ、本文は、
『ど家』こと『どうする家康』、
今年の大河ドラマがさっそく取り上げられている
第一章『あの歴史人物の驚くべき真実』
に始まって、
第二章『江戸時代に、現代に勝る技術を生み出した天才たち』
第三章『ある意味幸せな人生か…?世にも奇妙な生き様』
第四章『科学調査が歴史を塗り替える。イメージが変わる市井生活』
第五章『現代人が学びたい、江戸から明治の偉人の志』
と続きます。
ここで、
文系さんにも理系さんにも
注目していただきたいのは、119ページの……
『日本で初めて昆虫標本をつくった博物館の父・田中芳男とは?』。
「おッ? はくぶつかんッ??」
「がるる?」(←訳:その父?)
田中芳男(たなか・よしお)さんは、
天保九年(1838年)、
飯田城下(現在の長野県飯田市)に生まれました。
父・隆三さんは陣屋で働く漢方医さんで、
芳男少年は父に薬学を学び、
父の蔵書を読み漁っては独学を深めてゆきます。
のちに、芳男さんは
“シーボルトの弟子“として知られる伊藤圭介さんに弟子入りし、
その縁から江戸幕府開成所物産方で働くこととなりました
(ここらへん、ものすごいあれやこれやがあるのですが……涙の省略)。
「わわわッ、たいへんッ!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:世界中から種子が!)
米国、フランス、ロシア、オランダ、英国から
物産方に送られてくるさまざまな種子を育て、
有用か否かを確認し、
育てては食べ(キャベツ、白菜、玉ねぎ他)、
食べては広め、
リンゴの接ぎ木にもチャレンジ。
さらに芳男さん、
『虫取り御用』にも任じられました。
慶応三年(1867年)のパリ万博に出品展示する
《日本に生息する昆虫標本》作製の責任者です。
……といっても、
昆虫標本の作り方なんて、日本人の誰も、
芳男さん自身も知らないんですけど?
必要な道具もないし?
「どうしようッ??」
「ぐるがるる!」(←訳:もうヤケだ!)
西洋のピンを横浜の仕立屋さんから取り寄せて、
桐の箱に絹を敷き、
採取した昆虫を並べて……えいやっ!
ふう、全56箱の標本、完成です!
いえ、ここで終わりじゃありません。
芳男さんってば、
パリ万博で展示品の陳列手伝いをするように、と
渡仏を命じられちゃいましたよ。
「ひゃあァ!」
「がるるぐるる!」(←訳:まるでドラマ!)
嬉しいことに、芳男さんの標本は絶賛され、
ナポレオン三世とパリの殖産協会から
賞状と銀メダルを贈呈されました。
そうして、誇らかな想いに満たされつつ、
7ヶ月間のパリ万博開催期間中に
芳男さんが何をしていたかというと……
博物館見物。
「むちゅうゥ、なのでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:自然史博物館に!)
―― 私がやりたいことは、、これだ……! ――
パリの街角でひっそりと、
しかし力強く誕生した、
日本の“博物館の父”。
芳男さんについての文章はあまり長くないのですが
(119~128ページ)、
博物館好きな方々は必読ですよ。
また、全体に、文化や美術に関して言及されている箇所も多いので、
アート好きな方々にもおすすめなノンフィクション作品です。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪