テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 博物館の、お父さん。 ~

2023-08-25 22:08:55 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむゥ! ななおくえんッ!」

「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!すごいね科博~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 国立科学博物館を応援するクラファンは目標額を達成し、

 総額7億円を超えてなおも拡大の途上、だそうですね。

 とりあえずホッと胸をなでおろしながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 日本史の裏側 ―― 

 

 

 著者は河合敦(かわい・あつし)さん、

 2023年4月に発行されました。

 教科書には載っていないような、

 《歴史の裏側》に光を当てるノンフィクション作品です。

 

「あはァ! わだいにィ~なッてまスゥ!」

「ぐるがる!」(←訳:ど家ネタ!)

 

 ええ、本文は、

 『ど家』こと『どうする家康』、

 今年の大河ドラマがさっそく取り上げられている

 第一章『あの歴史人物の驚くべき真実』

 に始まって、

 第二章『江戸時代に、現代に勝る技術を生み出した天才たち』

 第三章『ある意味幸せな人生か…?世にも奇妙な生き様』

 第四章『科学調査が歴史を塗り替える。イメージが変わる市井生活』

 第五章『現代人が学びたい、江戸から明治の偉人の志』

 と続きます。

 

 ここで、

 文系さんにも理系さんにも

 注目していただきたいのは、119ページの……

 

 『日本で初めて昆虫標本をつくった博物館の父・田中芳男とは?』。

 

「おッ? はくぶつかんッ??」

「がるる?」(←訳:その父?)

 

 田中芳男(たなか・よしお)さんは、

 天保九年(1838年)、

 飯田城下(現在の長野県飯田市)に生まれました。

 父・隆三さんは陣屋で働く漢方医さんで、

 芳男少年は父に薬学を学び、

 父の蔵書を読み漁っては独学を深めてゆきます。

 

 のちに、芳男さんは

 “シーボルトの弟子“として知られる伊藤圭介さんに弟子入りし、

 その縁から江戸幕府開成所物産方で働くこととなりました

 (ここらへん、ものすごいあれやこれやがあるのですが……涙の省略)。

 

「わわわッ、たいへんッ!」

「がるるぐるがるる!」(←訳:世界中から種子が!)

 

 米国、フランス、ロシア、オランダ、英国から

 物産方に送られてくるさまざまな種子を育て、

 有用か否かを確認し、

 育てては食べ(キャベツ、白菜、玉ねぎ他)、

 食べては広め、

 リンゴの接ぎ木にもチャレンジ。

 

 さらに芳男さん、

 『虫取り御用』にも任じられました。

 

 慶応三年(1867年)のパリ万博に出品展示する

 《日本に生息する昆虫標本》作製の責任者です。

 

 ……といっても、

 昆虫標本の作り方なんて、日本人の誰も、

 芳男さん自身も知らないんですけど?

 必要な道具もないし?

 

「どうしようッ??」

「ぐるがるる!」(←訳:もうヤケだ!)

 

 西洋のピンを横浜の仕立屋さんから取り寄せて、

 桐の箱に絹を敷き、

 採取した昆虫を並べて……えいやっ!

 ふう、全56箱の標本、完成です!

 

 いえ、ここで終わりじゃありません。

 芳男さんってば、

 パリ万博で展示品の陳列手伝いをするように、と

 渡仏を命じられちゃいましたよ。

 

「ひゃあァ!」

「がるるぐるる!」(←訳:まるでドラマ!)

 

 嬉しいことに、芳男さんの標本は絶賛され、

 ナポレオン三世とパリの殖産協会から

 賞状と銀メダルを贈呈されました。

 そうして、誇らかな想いに満たされつつ、

 7ヶ月間のパリ万博開催期間中に

 芳男さんが何をしていたかというと……

 

 博物館見物。

 

「むちゅうゥ、なのでス!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:自然史博物館に!)

 

  ―― 私がやりたいことは、、これだ……! ――

 

 パリの街角でひっそりと、

 しかし力強く誕生した、

 日本の“博物館の父”。

 

 芳男さんについての文章はあまり長くないのですが

 (119~128ページ)、

 博物館好きな方々は必読ですよ。

 また、全体に、文化や美術に関して言及されている箇所も多いので、

 アート好きな方々にもおすすめなノンフィクション作品です。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

コメント
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