「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぴかちゅうゥ~ぞろぞろッ??」
「がるる!ぐるる??」(←訳:虎です!コミケも??)
こんにちは、ネーさです。
今週末は、横浜で『ポケモンワールドチャンピオンシップス』が、
東京ビックサイトで『コミケ2023夏』が開催されますね。
楽しいお祭りの参加者さんたちにエールを送りながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 我、過てり ――
著者は仁木英之(にき・ひでゆき)さん、
単行本は202年に、画像の文庫版は2023年5月に発行されました。
《僕僕先生》シリーズや《黄泉坂》シリーズで人気の
著者・仁木さんが、この短篇集で描くのは……
日本の。
戦国時代の。
“ちょっと脇役寄り“な、
4人の武将さんです。
「わきやくゥよりィ~?」
「ぐるるぅがるる?」(←訳:主役じゃないの?)
現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』では、
信長さんに家康さん、
秀吉さん、光秀さん、徳川四天王などなど、
大河の主役を張れちゃう武将さんたちが
ゾロゾロ出てきていますよね。
一方、この御本に登場するのは、
主役……と言えたらいいのに、
“何か“が足りなくて、
脇役的な扱いをされてしまう武将さんです。
第一話『独眼竜点睛(てんせい)を欠く』
第二話『天敵』
第三話『土竜(もぐら)の剣』
第四話『撓(たわ)まず屈せず』
の各話で、つかの間、
天下取りの夢を見るのは、
伊達政宗さん、
村上義清(むらかみ・よしきよ)さん、
狒々(ひひ)退治で名を馳せた岩見重太郎(いわみ・じゅうたろう)さん、
そして、立花宗茂(たちばな・むねしげ)さん。
「だてまさむねさんはァ、ゆうめいィでスよゥ!」
「がるるぐるるるるぅ?」(←訳:主役になれるでしょ?)
主役級の気概を持ち、野心を隠せぬ政宗さん、
しかし、天下人の面前では、分(ぶ)が悪い……。
小田原攻めが始まる前のこと、
政宗さんは侮っておりました。
秀吉なんぞ、まだまだ、であると。
私の方がよほど――
「しィ~ッ!」
「ぐるがるるぐるがる!」(←訳:それ以上は危険だよ!)
村上義清さんも、思っていました。
あの武田信玄めを三度も退けたのは、
世に武人多しといえども、
自分だけだ。
その慢心ゆえ、
やがて困難に見舞われるに到って、
政宗さんに、義清さんに、
岩見重太郎さんに、立花宗茂さんも
慄然として呟くのです。
《我、過(あやま)てり》と。
「くやしいィけれどォ~…」
「がるるるっる……!」(←訳:届かなかった……!)
天下に、王座に、
その手が届くことは無かった武人たちの、
我が身を切るような、
諦観と、嘆き。
渋~い時代小説好きな方々に、
大河の次の次の次の主役は誰だ?とお探しの方々に、
おすすめの一冊です。
もしかしたら、いつか(政宗さんのように)
主役の座が転がり込んでくる……かもしれない
脇役さんの物語を、皆さま、ぜひ~♪