テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 脇役なのか、主役なのか? ~

2023-08-10 22:08:39 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ぴかちゅうゥ~ぞろぞろッ??」

「がるる!ぐるる??」(←訳:虎です!コミケも??)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今週末は、横浜で『ポケモンワールドチャンピオンシップス』が、

 東京ビックサイトで『コミケ2023夏』が開催されますね。

 楽しいお祭りの参加者さんたちにエールを送りながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 我、過てり ――

 

 

 著者は仁木英之(にき・ひでゆき)さん、

 単行本は202年に、画像の文庫版は2023年5月に発行されました。

 《僕僕先生》シリーズや《黄泉坂》シリーズで人気の

 著者・仁木さんが、この短篇集で描くのは……

 

 日本の。

 戦国時代の。

 “ちょっと脇役寄り“な、

 4人の武将さんです。

 

「わきやくゥよりィ~?」

「ぐるるぅがるる?」(←訳:主役じゃないの?)

 

 現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』では、

 信長さんに家康さん、

 秀吉さん、光秀さん、徳川四天王などなど、

 大河の主役を張れちゃう武将さんたちが

 ゾロゾロ出てきていますよね。

 

 一方、この御本に登場するのは、

 主役……と言えたらいいのに、

 “何か“が足りなくて、

 脇役的な扱いをされてしまう武将さんです。

 

 第一話『独眼竜点睛(てんせい)を欠く』

 第二話『天敵』

 第三話『土竜(もぐら)の剣』

 第四話『撓(たわ)まず屈せず』

 

 の各話で、つかの間、

 天下取りの夢を見るのは、

 

 伊達政宗さん、

 村上義清(むらかみ・よしきよ)さん、

 狒々(ひひ)退治で名を馳せた岩見重太郎(いわみ・じゅうたろう)さん、

 そして、立花宗茂(たちばな・むねしげ)さん。

 

「だてまさむねさんはァ、ゆうめいィでスよゥ!」

「がるるぐるるるるぅ?」(←訳:主役になれるでしょ?)

 

 主役級の気概を持ち、野心を隠せぬ政宗さん、

 しかし、天下人の面前では、分(ぶ)が悪い……。

 

 小田原攻めが始まる前のこと、

 政宗さんは侮っておりました。

 秀吉なんぞ、まだまだ、であると。

 私の方がよほど――

 

「しィ~ッ!」

「ぐるがるるぐるがる!」(←訳:それ以上は危険だよ!)

 

 村上義清さんも、思っていました。

 あの武田信玄めを三度も退けたのは、

 世に武人多しといえども、

 自分だけだ。

 

 その慢心ゆえ、

 やがて困難に見舞われるに到って、

 政宗さんに、義清さんに、

 岩見重太郎さんに、立花宗茂さんも

 慄然として呟くのです。

 

 《我、過(あやま)てり》と。

 

「くやしいィけれどォ~…」

「がるるるっる……!」(←訳:届かなかった……!)

 

 天下に、王座に、

 その手が届くことは無かった武人たちの、

 我が身を切るような、

 諦観と、嘆き。

 

 渋~い時代小説好きな方々に、

 大河の次の次の次の主役は誰だ?とお探しの方々に、

 おすすめの一冊です。

 もしかしたら、いつか(政宗さんのように)

 主役の座が転がり込んでくる……かもしれない

 脇役さんの物語を、皆さま、ぜひ~♪

 

 

 

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