テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

  筆に、入魂。

2016-08-05 21:52:53 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ♪てんつくてんッ、ぴィ~ひゃららッ♪」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!お祭りだよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、そうです!お祭りです!
 私たちの地元・東京の八王子市では、
 今日8月5日~7日の3日間は《八王子まつり》なんです♪
 多摩地域にお住まいのお祭り好きさんは
 八王子に遊びに来てくださいね。
 では、テンツクテンと響く祭囃子を聴きながら
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  



          ―― 若冲原寸美術館 ――



 監修は辻惟雄(つじ・のぶお)さん、太田彩(おおた・あや)さん、
 2016年4月に発行されました。
 『100%Jakuchu!』と英語題名が付されています。

「またまたァとうじょうゥ、じゃくちゅうゥおじさんッ!」
「ぐるるがる~?」(←訳:今度は何だ~?)

 GWの観光シーズン、
 上野のお山に大行列を作らせた伊藤若冲さんの展覧会は
 まだ記憶に新しいところ、ですね。

 展覧会に合わせて、
 今年の初めあたりから若冲さん関連の書籍が
 続々刊行され、拙ブログでも御紹介してまいりましたが……

 ↑こちらの御本『原寸美術館』は、
 若冲さんに関する美術評論書の中でも、
 なっかなかに独創的な、
 いえ、独走しちゃってる傑作!

「げんすんッ、なのでスッ!」
「がるるぐぅるる!」(←訳:縮小版じゃない!)

 絵画を、原寸で見る。

   なぁんだ、そんなの、
   美術館に行けば見られるじゃん?

 と、お考えの方々、
 甘い、甘過ぎますぞよ。

 美術館で展示されていたとしても、
 絵画と私たち鑑賞者の間は、
 大抵の場合、
 ガラスケースで隔てられています。

「ちかよれェないィでスゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:人垣もあるし!)

 ですから、
 ガラス越しではなくて“間近で観る”なんてこと、
 美術館の学芸員さんか修復の専門家さん以外の人間には
 実質的に不可能なのです、けれど。

 現代の印刷技術が、
 不可能の壁に挑んでくれました!

「げんすんだいィでェ、いんさつゥ!」
「がっるーる!」(←訳:すっごーい!)

 実物の《動植綵絵》全30幅と
 同じサイズの、花、鳥、虫に蛙――

 図録や画集に掲載されている縮小版からは読み取れない、
 原寸大の“画面”からのみ窺える
 精巧精細な筆致には息を呑みます。

 小さな黒い点には、実は足がある!虫だったんだわ!

 白いスズメの嘴のピンク色が可愛い!

 鯛のウロコの、ああ、なんと見事な均一っぷり!

「じゃくちゅうゥおじさんッ、こまかすぎィまスッ!」
「ぐるがるるるぐるるるる!」(←訳:その細かさがいいところ!)

 白鳳の尾羽の、曲線一本一本の、
 なんたる美しさ……

 この御本には、
 若冲さんの研究家として名高い辻惟雄さん、
 《動植綵絵》を所蔵する宮内庁三の丸尚蔵館の太田彩さんによる
 解説文も収録されているのですが、
 それでもやはり、

 “見る”ことに徹したい、
 “見る”ことに集中したい、

 特異とも言える画集です。

「じィ~くりィ、みてもォ~」
「がっるるぐるるる!」(←訳:ちっとも飽きない!)

 若冲さんの作品を観たことがある方々も、
 まだ見ておられぬ方々も、
 書店さんのアート本コーナーでこの御本を見かけたら、
 さあ、手に取って、確かめましょう。

 ひとりの画師さんが精魂を込めた、
 その精華、その志を。

「おすすめェでスよゥ!」
「ぐる~!」(←訳:ぜひ~!)
 
 
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