テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

アートにひそむニャンコたち。

2008-05-29 14:01:14 | ブックス
 笑ってしまいました。
 何故って、この御本の副題をご覧下さい――
 《MUSEUM OF MATATABI ART》。
 頭文字をピックアップしてみますと……MOMA。

「ぷふふッ♪でスね、ネーさ」

 内容も、思わずクスクス、なんですよ、テディちゃ。
 さあ、では御紹介いたしましょう! 本日の一冊は、こちらです!



           ―― ニャーンズ・コレクション ――
            NEARNES COLLECTIONS

 

 著者は赤瀬川原平さん、1999年12月に発行されました。
 
 MOMAだけでなくバーンズコレクションまで笑いのネタにされちゃって……
 いえ、しかし、笑ってばかりいてはいけません。

「えッ、そォなのォ?」

 眺めていると、驚かされます。
 ネコって、こんなに昔から人間の歴史に関わってきていたんだっけ?
 すごーい、かもしれない……と。

 著者の赤瀬川さんが、この《マタタビ美術館》のために収集したのは
  『猫が描かれている絵画』。
 画面のどこかに必ず、ネコが描き入れられている絵画、です。
 
 例を挙げますと、藤田嗣治さんのネコ画がよく知られていますね。
 それに、ピカソ、シャガール、バルチュス……。

「ふァいッ!、ゆうめいィ、でスッ!」

 しかし、『古典』に類される絵画の中にも、ニャンズは登場しているんです。
 フィレンツェのサン・マルコ寺院にあるフレスコ画、
 『最後の晩餐』(ドメニコ・ギルランダイオ作/1490年)にも、猫の姿が。
 つまり、『最後の晩餐』の現場に、ネコが、居た?
 
 また、有名な絵画の片隅にも、ニャンズは生息しています。
 『オランピア』(マネ/1863年)の足元近くには、
 背景に溶けこむように黒猫が。
 ボッスの祭壇画(1500年頃)の隅には、ネズミを咥えたネコが一匹。
 そして、表紙になっているシマシマのニャンコちゃんがいるのは
 ウィリアム・ホガースの画(1742年)の中……。
 
 絵画の主題は二の次に、
 赤瀬川さんの目的は、ネコ、猫、ねこ……と、ひたすらネコ画、猫が主役。
 ネコを中心に画を鑑賞いたします。

「にゃんこォ、づくしィ!でスゥ~」
 
 主客転倒したような視点が、ひどく新鮮で、
 軽妙な解説文には、やっぱり、ぷふふ、と笑いを誘われて。
 
 愛猫家さんに、さらには、
 猫を飼っていなくても、猫嫌いの御方でも、アートに興味のある御方は、ぜひ!
 赤瀬川さんの視点をお借りして、
 絵画の前に立ちましょう。
 新しい観方で、画面に描かれた毛糸玉をころっと転がせば、
 ほ~ら、今まで見えなかったものが見えてくる……。

「ふァ~……なんだかァ、つめとぎィ、したくなッたでスゥ」
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 白い濃厚ショコラ、も。 | トップ | 可愛いクマ用ゆかたは、いず... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事