テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 産声は、19世紀に ~

2024-12-05 22:03:38 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 もふふゥ! かッちゃいィましたでスゥ!」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!決断しました~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ええ、買ってしまいました、掃除機を。

 スティック型のサイクロン式から紙パック式掃除機へ、買替えです。

 配達されてくる日をウキウキと待ちながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― シャーロック・ホームズの世界大図鑑 ――

 

 

 著者はアンドルー・ライセットさん、

 原著は2023年に、画像の日本語版は2024年10月に発行されました。

 英語原題は『THE WORLDS OF SHERLOCK HOLMES』、

 ずしんと重た~い大判の”図鑑”です。

 

「なつかしのォ、ろんどんッ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:蒸気機関の時代!)

 

 我らが名探偵シャーロック・ホームズさんが

 『緋色の研究』でデビューしたのは1887年(翌年に単行本化)、

 短篇集『シャーロック・ホームズの冒険』が

 出版されたのは1892年の出来事でした。

 

 この御本では、

 ホームズさんを主人公とする作品や

 雑誌『ストランドマガジン』や

 書籍に掲載された挿絵作品、

 演劇や映画、TVドラマ化された作品の画像など、

 《ホームズもの》のさまざまなデータと、

 作家コナン・ドイル卿の生涯が紹介されています。

 

 《ホームズもの》のパートでは……

 うわ、これは凄いわね!

 

「はじめてェみましたでス!」

「がるる……!」(←訳:地図だ……!)

 

 本文16~17ページにかけて収録されているのは、

 1895年に制作されたロンドンの地図なのですが、

 ロンドンの中心部はもちろん、

 宮殿やグリニッジなどの要所、

 海軍が使用する港湾といった重要施設まで

 詳しく載っています……

 まるでGoogleMapの原型のようね。

 

 そして、この巨大な都市を舞台に、

 ホームズさんは犯罪者と戦い、

 ドイルさんも変容する社会と

 対峙することになった、と。

 

「でんぽいからァ、でんわにィ!」

「ぐるがるぐる!」(←訳:馬車から車へ!)

 

 技術が進み、

 より複雑化してゆく社会。

 

 ドイルさん自身は、しかし、

 どちらかというと、のんびりと牧歌的な、

 犯罪捜査などとは縁のない世界を

 描きたかったようです。

 

 中世の騎士物語や、

 歴史小説。

 

 そこは、名誉を重んじる騎士たちの世界。

 弱き者は強き者によって守られる。

 策を弄した者は、結局は破滅する。

 高潔な者は、救済を得る。

 

 ドイルさんの騎士物語は、

 19世紀後半の混沌とは相容れなかったのでしょうか、

 売れ行きは良くなかったと伝えられています。

 

 ていうか、

 ホームズさんの探偵物語が

 あまりにも売れ過ぎちゃったのよねえ。

 

「どんまいィでス、どいるさんッ!」

「がるるるる~!」(←訳:泣かないで~!)

 

 ドイルさんの思いをよそに、

 一人歩きする《名探偵》像。

 おそらくは、この先――22世紀までも?

 

 近代史好きな方々、

 図版資料が豊富ですので

 ヴィクトリア朝のカルチャーが好きな方々にも

 おすすめの一冊です。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね♪

 

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