テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

奇想パラレル♪ピカレスクロマン!

2011-03-21 23:31:32 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日(21日)は冷たい雨の一日となりましたね。
 東京や近県の御方、被災地の御方はどう過ごしてらっしゃるのでしょうか……
 
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ! さむいィでス!」
「がるる!ぐるるーぐる!」(←訳:虎です!風邪ひかないでね!)

 状況はまだまだ暗く、晴天が戻ってくるのは先のこと……
 かもしれませんが、しかし!
 ちょこっとでも、笑いましょう。
 一瞬でも、くすっとしちゃいましょう。
 本日は、ぷふふ!くすす!を招きよせる一冊を、さあ、どうぞ~!

  


 
             ―― 大統領の晩餐(ばんさん) ――



 著者は小林信彦さん、画像の文庫版は1974年に発行されました。
 (現在は古書店さん・ネット書店さんなどで入手可能です)
 大統領の晩餐、といっても、
 米国やロシアの大統領さんの晩餐会とは何の関係もありません。

 ここで云う大統領とは、
 世界征服を目指す稀代の悪漢――

 オヨヨ大統領!

「……およよゥ??」
「……ぐるるる~?」(←訳:ホントに~?)

 あら、疑っていますわね?
 オヨヨなんて~、
 ネーさがキーボードを打ち間違えたんじゃないの~?
 そんなヘンテコな名前、あるわけないじゃ~ん?
 と思ってますね?
 でも、本当なんです。

 その名は、オヨヨ。

 年齢は、まったく不明。
 鼻がとがって、やせ細った顔立ちは、
 吸血鬼一族の末裔を自称するのに相応しい外見です。

 現在、オヨヨ大統領は日本、そしてスイスでも、
 犯罪計画を推し進めています。
 スイス銀行襲撃計画が成功したら、
 どこか世界の片隅に神聖オヨヨ帝国を建設することも可能になるだろう!
 世界征服への、確かな一歩だ!

「ひゃわわッ! ほんきでェ、せかいィせいふくゥ?」
「がるる~?」(←訳:マジで~?)

 大真面目な世界征服への一歩は、
 でもね、予想もしなかったトラブルにより、
 頓挫の一歩手前となりました。

 ペルシャ猫のペルちゃんが
 エビのシッポを食べ、
 腰を抜かしてしまったんです!

「……ふァ??」
「……ぐるっがるる~」(←訳:……海老の尻尾って~)

 エビのシッポを、
 いえ、猫のペルちゃんを侮ってはいけません。
 ペルちゃんの耳の中には、
 実は、オヨヨ大統領が仕掛けた超小型の盗聴器が
 埋め込まれているんです。

 大変だ!
 腰を抜かしたペルちゃんが獣医師の診察を受けたら、
 盗聴器が発見されてします!
 そうしたら悪事の計画も芋づる式に露見してしまう!

「むはぷゥ~!
 にゃんこのォぴんちはァ、だいとうりょうのォ、ぴんちィ!」
「がるぐるがるぐるるる!」(←訳:海老の尻尾から崩れ去る世界征服!)

 ペルちゃんをさらってしまえ!
 命令するオヨヨ大統領と、
 走り回る部下さんたち。
 大統領の陰謀を薄々察し、
 行動に出る警視庁の鬼面(おにつら)警部と
 刑事の旦那(だんな)さん、
 はからずも騒動に巻き込まれるTV番組作家さん、
 “美味”を求道する料理人さんの恋模様、
 巌流島ばりの料理対決もウンチクも、
 てんこ盛りに盛り込んだサスペンス&スリルの物語は、
 一流のエンタ作品です。

 さらに!
 まだランドマークタワーが無かった頃の横浜、
 赤電話!が街角にあった頃の東京に、
 こだまするのは……
 怪人二十面相の笑い声?!?

「えええッ? にじゅうめんそゥ?」
「がるがるがるっ?」(←訳:ほほほ本物だっ?)

 もちろん本物の二十面相さんですよ。
 あのね、大きな声で言っちゃいますけど、
 著者・小林さんが結婚なさった折に仲人さんとなったのが……
 江戸川乱歩さん!!
 だったんです!

 いわば、乱歩さんの弟子にして正当な後継者さんによる
 笑いとグルメ満載のピカレスクロマン、
 読み進めば、つい、ぷふふ!くすす!

 私ネーさのお気に入りキャラさんは、
 天然ボケを超えた超絶天然の《破壊者(デストロイヤー)》旦那刑事さん!
 日本文学史上空前絶後のボケっぷりに、
 どうぞ皆さまも、ぷふふ!と。

「ぜろぜろせぶんッ、およよだいとうりょうをォ、とめてェ!」
「がるるるるーぐるる!」(←訳:断固阻止せよ世界征服ー!)
 
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小ニュース・その4(+α)

2011-03-20 23:38:06 | くま
 こんにちは、ネーさです。
 今日も計画停電は中止になって、ちょっとだけホッといたしました。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「ぐるがるる!」(←訳:虎ですよう!)

 本日は、茨城県にお住まいの知人さんの知人さんからの近況報告を。

 その御方は、茨城の県北部に住んでおられます。
 地震の際、怪我はなかったものの、
 電気がやっと復旧したのは18日のこと。
 ですがまだ、水道は使えないそうです。
 ガソリン不足は茨城も変わらず、
 給油待ちの行列が2~3kmにも伸びて、
 渋滞を引き起こしているのだといいます。

 茨城県、千葉県でも、地震の被害は甚大であったのですね。
 一刻も早く、すべての被災地に電気が、水道が、ガスが、復旧しますように…!

「そこでェ、みなさまッ!」
「がるがるる!」(←訳:御覧あれ!)

  

 テディちゃが手に持っているのは、
 《WE LOVE HACHIOUJI》オリジナルピンバッジ(¥200)です。

 売り上げの一部が『八王子市みどりの保全基金』に寄付され、
 緑を守る運動を応援するこのチャリティーピンバッジの、
 春バージョンは……

  

「ふァいッ!
 さくらいろォ、でスよッ!」
「がるるるー!」(←訳:カワイイー!)

 これと似たような形でアシストが出来たらなあ、と思います。
 地震で破壊された街並みや港を復活させるプロジェクトの
 一助になるような基金……。
 或いは、復興のための宝くじ販売なんていかがでしょうか?
 
「たからくじィ?」
「がるぐるる?」(←訳:高額賞金の?)

 いいえ!
 賞金は、一切なし!

「ええェッ?!?」
「ぐるぐるぐるがる??」(←訳:賞金ゼロの宝くじ??)

 賞金はありません。
 でも、賞品は、出しましょう!

 一等から末等まで、
 賞品はどれも被災した県の特産品や、
 被災した企業さんの製品にしちゃうのよ。
 地震で損なわれしまった土地を少しでも豊かにすることを目標に!
 
 ……って、そんな妄想が私ネーさの頭の中を走り回っているんですけど、
 銀行関係者の方々、ぜひ実現させて下さ~い!
 
「おねがいしまスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:本気で!)

 明日(21日)はまた寒くなりそうです。
 春と、優しい光が、早く来てくれますように――
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願いのポチリ…!

2011-03-19 23:20:31 | くま
 さあ、テディちゃ、虎くん!
 準備はよろしくて?

「ふァいッ! テディちゃ、じゅんびィ、おッけィ!」
「ぐるる!」(←訳:ボクも!)

 では、行きますよ。
 せーの、で――

「ぽちッ!」

  

 あらためまして、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!」(←訳:虎です!)

 先ほどの『ポチ!』の正体は……
 はい! 
 遅ればせながら、私どもも募金を送付!の『ポチ!』です。
 少ない金額ではありますけれど、
 どうか、被災地の方々のお役にたっておくれ!と
 思いっきり願いをこめての『ポチ!』でした。

「テディちゃ、たましいィのォ、ぽちッ!しましたでス!」
「ぐるるがるるるーぐる!」(←訳:ボクも目いっぱい祈りました!)

 今週は本当にもう、
 降ってわいたような計画停電の発表と実施、
 夜間停電と余震の恐怖、
 寒の戻りに突然の食糧不足、と
 嵐の日々でしたし、
 さらには銀行のシステムやATMも不調だったりと
 金融機関で手続きするのが難しく、
 募金をしそびれたことが気になって仕方ありませんでした。

 けれど、発見!
 お家で出来る募金もいろいろある、のですね!

「そォでス! たとえばァ~」
「がるっ!」(←訳:これっ!)

 『Yahoo!』さんでは、
 《Yahoo!JAPANボランティア》というページがあります。
 そこでの『緊急災害募金』に
 私ネーさのYahoo!ポイントを
 えいやっ!と送ってしまったわけです。

 1ポイント=1円に換算され
 日本赤十字に寄付される、という仕組み――
 Yahooポイント?
 あれ? おれのポイント、けっこう貯まってるかも?
 そういえばアタシも!
 と思い当った御方は、ぜひ、
 ぽちッ!
 と募金してみてはいかがでしょうか。
 1ポイントからでも、受け付けてくれます!
 現時点で、募金総額は12億円を超えているそうですよ。
 
「くわしくはァ、やふーさんへッ!」

  

 お買い物や、アンケートをして貯まったポイントを寄付できるサイトは
 他にもあるようです。
 今後、寄付運動を開始するサイトさんもあるでしょうから、
 ここは信頼できる!
 そう判断したら、はい、ポチッ!

  

「ちりつもッ!」
「がるぐるがるぐるる!」(←訳:合言葉は、ちりつも!)

 塵も積もれば富士山の高さになるわ!と願って、
 ポチリ!!


 被災地の方々、
 過酷な現場で戦い続ける方々に、どうか、
 私たちの元気玉が(申し訳ないほど小さいのですけれど)届きますように…!
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― ことだまの花 ―

2011-03-18 23:26:11 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 あの日から一週間が過ぎようとしています……
 もう一週間? まだ一週間?
 今日もまた計画停電が実施され、混乱続く現状では
 悼む時間も足りません……。

「こんにちわッ、テディちゃでス……」
「がるる……」(屋いるし約:虎です……)

 本日は、追悼の意をこめて、
 或る詩編が収録された詩集を御紹介したいと思います。
 こちらを、どうぞー!

  


 
              ―― 山村暮鳥詩集 ――



 編者は藤原定さん&大江満雄さん、1966年に発行されました。
 山村暮鳥さんは『やまむら・ぼちょう』さんとお読みくださいね。

「むむゥ? しじんさんッ?」
「がるぐるがるるるる?」(←訳:あまり聞いたことないような?)

 暮鳥さん(1884~1924)は、
 明治・大正期の詩人さんです。
 同時期の盟友さんたち――室生犀星さんや萩原朔太郎さんほど
 有名ではないかもしれませんが、
 きっと、この詩を見知っておられる方々は多いはずですよ。
 失礼して、一部を引用させていただきますと……


  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  かすかなるむぎぶえ
  いちめんのなのはな


 詩集《聖三稜玻璃》にて発表されたこの詩の題名は
 『 風景  純銀もざいく 』
 といいます。

「いちめんのォなのはなァ……」
「がるるる……」(←訳:いちめんの……)

 一度耳にしたら決して忘れない、とは
 このような詩句を指して言うのでしょうか。
 いちめんのなのはな――
 視界を覆い尽くす黄色い花の海が
 瞼の裏に広がります。
 
 とても印象的なこの詩は、
 たびたび作品のモチーフとして作家さんたちに取り上げられてきました。
 新井素子さんの『グリーン・レクイエム』や、
 近年では北村薫さんのベッキーさんシリーズにも登場していたのを
 憶えておいでの活字マニアさんもおられることでしょう。

「きいろいィおはながァ、いちめんにィ……」
「ぐるるーぐるがる?」(←訳:どこの風景だろう?)

 暮鳥さんは現在の群馬県高崎市に生まれ、
 茨城県大洗市にて没しました。
 明治45年頃は、福島県平町に住んでいたようです。
 秋田や、水戸、仙台に暮らした経験もあったそうですから、
 その地域のどこかに、
 暮鳥さんの菜の花畑があったのかもしれませんね。
 誰にも秘密の、菜の花の海……
 それとも、暮鳥さんにだけ見える幻の海であったのか……

 前回記事で御紹介しました高田郁さん著『小夜しぐれ』には
 菜の花がテーマとなる短編が収録されています。
 それによると、
 江戸時代の関東地方では、菜の花はとても貴重なものだった、とか。
 
 空想は、さらに飛びます。
 千利休さんが最後に床に飾ったお花は
 菜の花だった、と……。

 黄色の、あるいは金色の、
 菜の花が揺れる光景に、
 暮鳥さんは何を想ったことでしょう――

「かすかなるむぎぶえェ……」
「ぐるるがるるる……」(←訳:いちめんのなのはな……)

 暮鳥さんの著作については、
 残念ながら、
 これが決定版!
 といえるような御本は、未だありません。
 傑作選、童謡集などが何種類か刊行されておりますので、
 図書館などでお好みの一冊を探し出してくださいませ。



 暮鳥さんの夢のように、
 いちめんを菜の花がいろどる美しい風景を、
 どうか、すべての地、すべての人々に。
 
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春告げ鳥は何処に。

2011-03-17 23:01:04 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 皆さま、計画停電お疲れさまでした。
 ここ・東京都八王子市では停電3日目とあって、だいぶ慣れ……るはずもなく、
 寒くて寒くて、震えておりましたよ。

「こんにちわッ、テディちゃでス! ぶるぶるッ!でしたでスねッ!」
「がるる!ぐるぐるぐるるー!」(←訳:虎です!凍えちゃったー!)

 真冬の気温も、さあ、読書タイムで乗り切りますよー!
 活字マニアの皆さま、こちらを、どうぞ~!

  


 
              ―― 小夜しぐれ ――


 
 著者は高田郁さん、2011年3月に発行されました。
 大人気『みをつくし料理帖』シリーズの第5作にして最新刊です!

「いよッ! まッてたァでスゥ~!」
「がるるっぐるるっ!」(←訳:凄いぜっパチパチパチ!)

 昨日(16日)のことでした。
 朝刊を見ていましたら、
 わあ!
 紙面に大きく、この御本の広告が載っているではありませんか!
 緊迫した、暗いニュースばかりの記事の中に、
 燦然と輝く新刊書籍発行のお知らせ!
 どんよりしていた気分が、くるるっと宙返り!
 さっそく、外出の合間に本屋さんへ、
 新刊コーナーへと急ぎましたよ~♪♪

「みおおねえちゃんはァ、げんきィでスかッ?」
「がるるるーぐるる?」(←訳:美味しいお料理作ってますか?)

 はい、主人公の澪(みお)さん、元気です。
 今日も、九段坂は俎橋近くの料理屋『つる屋』さんで、
 腕をふるい、
 『こいつぁ旨ぇ!』と
 お客さまに喜ばれておりますよ。

 この御本には、
 『迷い蟹』
 『夢宵桜』
 『小夜しぐれ』
 『嘉祥(かじょう)』
 という、短編4作品が収められておりますが、
 いずれの物語も、
 鶯の佳き音色のように、
 江戸の情緒を読み手の眼前に映し出してくれます。
 
「あさりィ~、あさりィはァ、いかがァ~♪」
「がるる~ぐるる~がる~♪」(←訳:金魚ぉ~えぇ~金魚ぉ~♪)

 ん? ちょっとテディちゃ、虎くん、
 そんなに物欲しそうな目で金魚を見……あっ?
 いま考えてたわね?
 金魚を食べてやるぅって考えてたでしょ!?!

「そッ、そんなことォないィでスゥ!」
「がるるるー!」(←訳:ち、違うよー!)

 ……ま、そういうことにしておいてあげましょう。
 金魚はさておき、
 新たに澪ちゃんを悩ませるお料理絡み&友人知人絡みの難問に
 またも威力を発揮するのは
 澪ちゃんが生まれ育った関西の味と知恵!
 西日本の活字マニアさんは
 読んでいて楽しい思いをなさること必定です!
 
 ここでは、敢えて詳しい筋書きを述べません。
 澪ちゃんの、
 そして、もうおひとかたの主人公さんの、
 甘く、からく、やるせなく、
 でも、もう一杯!もう一献!と
 せがみたくなる江戸の料理人ものがたり、
 まだ読んでないわ!という御方は、
 シリーズ第一作から順を追って、ぜひ~♪

「あまざけッ!」
「ぐるぐるる!」(←訳:小豆飯に鮎!)

 食いしん坊さんも、味わうように読むべし!



 うまく言葉にできませんが、
 今日もまた、被災した方々に心よりの御見舞いを。
 救援に、救難に、身をふりしぼるすべての方々に感謝を。

 もしも『どこでもドア』がここにあれば――
 一分一秒ごと、そう願って止みません……
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~ はるかな雲間 ~

2011-03-16 23:18:47 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ……はい、こっ恥ずかしいです。
 前回記事では、パニックしてしまい、まことに失礼いたしました。
 
  

「こんにちわァ、テディちゃでス!
 もふゥ!ほんとにィ、はずかしィでス!」
「がるる!がるがるぐるぐるる!」(←訳:虎です!パニックは危険ですう!)

 ええ、でも……解ってはいても、
 冷静さを保つのって難しいことですね。
 ここ・八王子市では、昨日は夜間に計画停電が、
 本日は夕方に計画停電が実施されたのですが、
 だいじょうぶ!
 今日はまだ陽があるうちなんだから!
 と動じずにいられたのは、午後5時半まで。
 その後は暗くなってくるし、強風が吹いて寒いし、
 灯火のありがたさを、またしてもしみじみと感じたのでした。

 そんな次第で、本日ご紹介いたしますのは、こちら~!

  

 
           
               ―― ギリシア神話小事典 ――



 著者はバーナード・エヴスリンさん、原著は1975年に発行されました。
 英原題『Gods Demigods and demons:An Encylopedia of Greek Mythology』、
 ギリシア神話に登場する神々や、
 神の血を引く英雄たちの《略歴》をまとめた小事典です。

「ひゃあァ、おおぜいィいるでスねェ~」
「がるるるる~る!」(←訳:知ってる名前もあるよ!)

 ゼウス、ヘラ、アポロン……
 メジャーで、パワーあふれる大神さまたちに関して、
 著者のエブスリンさんは、もちろんきちんとページを割いておりますけれど、
 この御本で面白いのは、
 あまりメジャーではない、
 どうかすると簡単に省かれてしまいそうな、
 脇役の神さまをとても活き活きと、
 ユーモアをもって描いておられるところです。

 そんな、半神さんたちの中に、
 プロメテウスさんもいます。

「あはッ!
 きいたことォ、ありまスゥ!」
「がるがる!」(←訳:うんうん!)

 プロメテウスさんについて、
 エヴスリンさんはこのように描写します――

   プロメテウスは神々の従兄弟にあたる巨神族に属していた。
   そしてなかでも、もっとも高邁な人物であり、
   反逆者の頭目、人間の友であった。

 そう、夜間の停電時、
 恋しくてならなかった灯火を
 私たち人間に与えてくれたのは、
 プロメテウスさんだったのですね。
 しかも、その代償に、永遠に苦しむ刑に処せられます。
 
「うゥ~…、にんげんのォ、ためにィ~…」
「がるるる~ぐる~」(←訳:聞くだけで悲しい~)

 主だった神さまたちよりも、
 出番の少ない小さな神さま、
 複雑な生い立ちをかかえた英雄さんたちに、
 エヴスリンさんは親愛の情を隠せないようです。

 また、宮崎駿さんが『風の谷のナウシカ』を執筆する際に
 この御本に掲載されている『ナウシカ』の文章を参考にした、とは
 ジブリ作品ファンの方々には
 よく知られているエピソードですよね。
 美しい、パイアキアの王女・ナウシカ……。

「♪かぜのォ、たにのォ~♪」
「♪がる~がる~♪」(←訳:♪ナウ~シカ~♪)

 ちょ、ちょっと!
 歌わなくていいです!
 
「♪はァるゥかァなァ~♪」
「♪が~る~る~る~る~♪」(←訳:♪ち~へ~い~せ~ん♪)

 ……皆さま、雑音はシャットアウトして、
 時を超え、
 神話の世界へ、小旅行を!



 今日もまた、被災地の方々へ、心よりのお見舞いを。
 救援に手を貸してくださっているすべての方々に感謝を――!
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小ニュース・その3

2011-03-15 23:11:21 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ふは~っ……



「こんにちわァ、テディちゃでッスゥ~…ぷはァ~!」
「ぐるる!がるるる~…」(←訳:虎です!はあああ~…)

 ここ・東京都八王子市の、我が家がある地域は
 計画停電の第2グループに分類されていて、
 本日の午後6時半頃から午後9時少し前まで
 完全な停電状態でした。
 
 初の計画停電体験、
 しかも夜間!とあって……正直に申しますと、
 疲れました……。

「こわかッたでスゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:本当に真っ暗で!)

 事前に防災情報で分かってはいても、
 このストレスと緊張は相当なものです。
 持病がある御方、
 病後や、療養中の御方にはひどく負担になるかと思われます。
 灯りが無いって、心細いものなんですね……

「そこでェ、ひみつへいきッ!」
「がるぐるがるる!」(←訳:これ使えるよ!)

 

 はい!
 上の画像と、下の画像を比べて見て下さい。
 詳しい名称などは不明なのですが、
 ネーさ弟が以前にアウトドアグッズ店で購入したものです。
 てのひらサイズの携帯用ライトとでもいうのでしょうか、
 上面の丸い蓋を開けると、
 パッと照明がついて、けっこう明るい!
 単3電池4本の割には、働き者くんです。
 懐中電灯よりも扱いやすく、
 背面にはベルトに取りつけられるよう
 クリップ風の金具も付いておりますよ。

 停電時に役立ちそうな、
 こういった品物は、
 家電量販店よりもキャンプ用品を販売するスポーツ用品店や
 登山用品を売っているお店で
 探してみてくださいね!

 
 と、ここまで書いて、うわわわわ!
 地震です!
 すごい揺れです!

 いま速報が流れました。
 震源地は山梨県、
 東京多摩西部は震度4、だそうです。
 八王子は山梨に近いので、
 体感的には、4強、でしたが……。

 
 以下、
 短くはありますが、
 取り急ぎ東北方面の小ニュースを。

 ネーさ父の友人さんは青森在住ですが、
 やっと連絡が取れました。
 無事です!
 山形の知人さん宅の周辺では
 ライフライン等はほぼ復旧したそうです。

 岩手の内陸部に在住の、
 ネーさ弟の友人さんは、
 やっと電気が復旧したそうです。
 が、断水はなおも続いているうようで、
 電話はつながりにくく、
 ガソリン不足は深刻、だとか……。

 
 なんだか、家具や窓がガタガタいっています。
 余震のようです。
 申し訳ありませんが、
 本日はこれにて失礼いたします。

 どうか、皆さま、お気をつけて!

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こんなときの、イマジン。

2011-03-14 23:08:06 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。

  

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:虎ですよ!)

 本日は、まずはじめに……
 悩みました。
 悩んで悩んで悩みましたが、
 読書タイム再開です!

 なぜこんなときに?
 どうしていま読書?

 その答えは、この御本の中に!

  


 
               ―― 指輪物語 ――


 
 著者はJ・R・R・トールキンさん、原著は1954~1955年にかけて発行されました。
 英原題は『THE LORD OF THE RINGS』、
 『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』の三部作から成る長大なファンタジーです!

「ゆびわッ!
 テディちゃ、きいたことォあるでスよッ!」
「がるがるるーぐる!」(←訳:有名な御話なんだよね!)

 もはや20世紀を代表する文学のひとつ、となったこの作品は、
 《ちいさなひと》――ホビットのものがたりです。

 もとは、人間と同種族であったと思われるホビット族は、
 身を隠すのがとても上手なために、
 魔法を使っているのか?
 と誤解されることもありますけれど、
 実際には、魔法などとは縁もない、
 食いしん坊で、のんびり屋さんで、楽観的でグータラで……
 まあつまり、エルフでも小鬼でもない、
 ふつうのいきもの、だったのでした。

 冒険なんて御免こうむる。
 勇気や機転なんてのは何のことやら。
 いやなことは見ないふりして、
 今日も愉しもう、パイプ草にビール!

 ホビット族が暮らすのは、
 のどかで緑豊かなホビット荘。
 いえ……
 実はいまや、のどかなのはホビット荘の内側だけなんです。

 外の世界では、戦乱の嵐が高まっておりました。
 冥王サウロンが滅びの山から
 世を睥睨していたのです。
 この天地が、冥王の前に膝を屈する日は遠くない……?

「ううッ、そんなのォやだッ!」
「がるがるるるるー!」(←訳:負けたくないよー!)

 冥府の王に対峙して、
 ただひとり、立ち上がる人影は……なんと小さいのでしょう、
 なんと頼りないのでしょう、
 裸足で、灰色のマントをまとい、
 よろよろと進んでゆく影は、
 子どもの背丈しかありません。

 彼の名は、フロド・バギンズ。
 細く、薄く、痩せたその肩に、
 世界の命運がかかっていたのでした。

「ちッちゃいィ!」
「ぐるがるるがる!」(←訳:病気みたいだよ!)

 大剣をふるう人間の勇者ではなく。
 魔法を自在に操る魔法使いではなく。
 比類がない美貌のエルフではなく。
 小さな、弱っちいホビットが、
 世界を相手に為し得たこととは――?

 映画版を観た御方は、
 あの映像を全部忘れて下さい。
 特殊効果の派手な演出、異様に目立つ戦闘シーンは、
 この物語の真の姿とは
 まったく関係がないもの、とお考え下さい。

 著者のトールキンさんは、
 長い時間をかけて『指輪物語』を紡ぎあげました。
 著述期間は、大戦がヨーロッパを見舞った時代と重なります。
 戦争の足音が、
 ロンドンの空襲が、
 埋めようのない損失、混乱、苦悩が、
 『指輪物語』の背景にありました。

 夢見ることは必要なのだ、
 という意味の言葉を、
 トールキンさんは述べています。
 苦しい現実にある人が、
 別の世界を想い描くことの、
 いったいどこが悪いのだろう、と。

 フロドは、歩きます。
 荒野を、足を引きずりながら。
 やがて来る穏やかな、豊かな世界を夢見て。

「いまじんッ!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:今こそ、イマジン!)

 小さなひとが、
 世界をあるべき姿に復すものがたり、
 映画よりも、
 どうか活字版の『指輪』を、ぜひ!


 (画像はネーさ所蔵の旧版です。現在は新訳版が普及しております)

 今日もまた、
 被災地の方々に心より御見舞いを!
 救助・救難作業にたずさわっておられるすべての方々、
 後方で支援する方々に感謝を!
 
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小ニュース・その2

2011-03-13 23:02:11 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 本日も、前回記事と同様に、
 被災地に関する小ニュースをお届けいたします。

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるる!ぐるるがるるるがる!」(←訳:虎です!被災地の皆さまに御見舞いを!)

 千葉方面、神奈川方面の停電は、ようやく復旧したようです。
 固定電話、ケータイも、現在は、ほぼ通じているようです。

 岩手方面ですが、
 ネーさ弟の友人さんによれば、
 余震はなおも続いており、
 予断を許さない状況ではありますが、
 今朝がた、やっと新聞が届いたそうです。
 電源に関しては、地域ごとにじわじわと復旧している模様で、
 もしかしたら今夜にも復旧するかもしれない、とのことでした。

 もちろん、地域や地区によって
 現況に差はあると思われますが、
 何かの参考になれば、と
 ここに記します。

 私たちの地元、この東京都八王子市でも、
 明日(14日)の午前中から、
 計画停電が実施される予定です。
 もう節電に努めていますけれど
 (湯たんぽ使ってます)、
 被災地に御家族・友人・知人さんがいて
 連絡を取ろうと頑張っている方々は、
 停電時間以外は、出来るならばPCを立ち上げているべき、
 と言えるかもしれません。

 現在、被災地とは固定電話・携帯電話の両方とも
 繋がりにくくなっていますが、
 被災地に住んでおられる方が
 ノートPC(バッテリー残量に注意!)と
 データ通信カードを用いて
 愛用のBBSや、
 よく訪問するブログのコメント欄に
 情報を書き込む、という手段があります。
 現時点では、
 被災地と連絡を取るには
 この方法が最も成功の確率が高いかと思われます。

「ねッとをォ、りようゥしまくろうッ!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:被災地の御方はどんどん書き込みを!)

 計画的な停電は4月いっぱい行われる予定、と報道がありました。
 キツイですけど、
 乗り切らなくては!

 

 今日もまた、
 被災地の皆さまに御見舞いを!
 救助・救難等の作業に従事されているすべての方々に感謝を!
 
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小ニュース

2011-03-12 23:38:19 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 前回記事に引き続き、今回の大地震で被災した方々に
 心よりのお見舞い申し上げます。

  

「こんにちわッ、テディちゃでス!」

  

「がるるー!」(←訳:虎ですー!)

 つたない御報告ではありますが、
 何かのお役に立つことを願い、
 本日は、
 友人知人から得た被災地や東北地方に関する情報を
 お届けしたいと思います。

 まず、山形方面です。
 山形の知人さんによれば、
 米沢市付近は大きな被害や停電はなかった、とのことです。
 電話は、やはりケータイよりNTTの方が通じやすいようです。
 
 次に、宇都宮近辺では、
 今日まで停電が続いていたけれど、
 やっと復旧した、とのことです。

 そして、被害甚大な、岩手方面ですが、
 ネーさ弟の友人が岩手に在住しています。
 彼が言うには
 『ほとんどキャンプ』のような、
 状況なのだそうです。
 
 水道も電気も止まってしまっていて、
 ないものだらけな環境で、
 いちばん、
 これがなくて困っている、というものが、
 ガソリン!

 被災地とその周辺では、
 ガソリンが払底しているそうで、
 営業しているガソリンスタンドを探し当てるのに
 とても苦労をしているんだ、とのことです。

 被災地に、お母さま、お父さまが暮らしている、
 お孫さんが、娘さんが、
 被災地で避難生活を送っている、
 なんとしても救出に行かねばならない――
 そういった事情を抱え、
 明日にも車で北へ向かうつもりだ、という御方は、
 どうか、常にガソリンの残量に留意して下さい。
 被災地に近付けば近付くほど、
 おそらく、ガソリンは入手困難になります。
 
 さらに、
 被災地以外に暮らす方々へ。

 都内の家電量販店に勤めている友人の話では、
 乾電池、
 乾電池式の小型携帯ラジオ、
 懐中電灯、
 などの品が、今日(12日)の早い段階で売り切れてしまったそうです。
 既に自宅や手元にラジオ、乾電池を常備している、という御方は、
 どうか、不要な買占めを控えて下さるよう、お願いいたします。

「にゅーすをォ、みてるとォ、
 かなしくてェ、なみだがァ、でまスゥ~…」
「がるぐるるるがる!」(←訳:あの津波が憎いです!)

 かさねて、苦しんでおられる方々にお見舞いを。
 救助活動にたずさわっておられる
 消防・救急・自衛隊の皆さまがたに感謝を。
 明日こそは、すこしでも明るいニュースが聞けますように……!
 
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